職人たちの徒然草

新潟県・燕市在住の職人ヤスさんと、東京都・杉並区在住の職人ナガさんの交換?日記です。

未熟な部分を発見するために

2024年08月08日 | ヤスさん日記
銅板は叩けば伸びる。
ただ
銅器の底部分は
伸びないように叩く。

いうようなお話を
銅鍋づくり体験の際に
お話しすることもありますが。
伸びないように叩くのではなく
伸びた分を周辺に動かしながら叩く
方が正しい表現だったな。

そんなことを
考えながら
まだまだ職人は未熟です。

銅板は
叩けば伸びる。
伸びないように叩きながら
外へ肉へ寄せてゆく。

これらは
銅の細胞がどんな風に動いているかを
想像しながら
経験を積んでくると理解できること
だったりするのですが。
そこには
目に見えるもの以外を見る力が
必要になってくる。

ただ
その目に見えないだけに
それぞれの形で見えてくるしかない。
それぞれが経験するでしかない。
そこが
伝えるべきことと
経験するべきところの境目
なのだろうと思います。

鎚起銅器の場合
いや
きっと
他の成形物もそうでしょうけど
細胞がくっつりたり離れたりしながら
形を変えてゆく。

その姿を想像するのが面白い。
今日もまた未熟な部分を発見するべく
職人は励みます。
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