夕方、娘とお買い物へ行ったときのこと。
特に人込みが多かったので、手をつないでいた。
もう9歳だから、そんなに心配でもないけれど念のため。
途中、ふと手が離れてしまったので(おもちゃ屋さんの前だったので、ショーケースの前できっと立ち止まって見てるんだろうな!と想像できました)
「ほらほら!早く早く!」と、後を見ることなくつないでいた右手を後へ伸ばして、ひらひらさせました。
よく、おかあさんがやってますよね。おててつないで!のサイン。
伸ばしている私の右手を、誰かがそっと握った。柔らかい手。あたたかい手。
…娘ではない。
えっ、誰??
びっくりして後を振り向くと、見知らぬおじいさんでした
全然知らないおじいさんが、にこにこして立っている。…誰でしょう?
そのすぐあとから
「あ、すみません!おじいちゃん!ちがいますよ!!よそのお人ですよ!!こっちこっち!!」と、
おじいさんの身内の方らしき年配の女性の方が駆け寄って来て、すみません、どうもすみません、と何度も謝ってくれました。
「すみません、おじいちゃんちょっとぼけちゃってるんです、本当すみません。」
「いえ、いいですよ、私、今年になってから祖父亡くしたので。お散歩できるならいいですよ。
うちは、最後は歩けなくなってしまいました…」
「そうなんですか。それはそれは…。頭ははっきりなさってたですか」
「ええ、頭はしっかりしてました」
「うちはね、もう、誰彼区別もつかないんです…でも、足腰はしっかりさせないと。寝たきりになったらもう大変ですから」
「それで、お散歩なさってるんですね」
「ええ、むしろ人込みの中のほうが、いろいろ刺激があっていいって、お医者さんが」
「ああ、なるほど。お店もにぎわってるし、いろんな人がいますものね」
「ええ、そうなんです。おじいちゃんもこのあたり歩くの好きみたいで。今日は、こんな美人さんに会えたわねおじいちゃん!」
えっそんなことないです、と少し照れ笑いをして、おじいさんを見たら
おじいさんはにこにこしているばかり。
「さあ行きましょうか、じゃあこれで。本当すみませんでした。」
「いえ、お気になさらないで下さい、どうぞお気をつけて」
それでは失礼します、とお互いに挨拶して、別々の方向へ歩き出しました。
たぶんお嫁さんか、娘さんかわからないけれど、すごく感じのよい女性の方だった。
おじいさんもあたたかそうな身なりで、青いマフラーがよく似合っていた。
そして、二人して手をつないでゆっくりゆっくり歩いていく。
いつも、ああして手をつないで夕刻の街中をお散歩しているのでしょう。
今度は間違いなく娘の手をつないで歩き出す。
「ママ、さっきのおじいさん誰?」
「よその人、ママのこと間違えちゃったんだって」
「ふうん、あのおじいさんのママに似てたのかな?」
…そうかもしれないね(^_-)-☆
手を伸ばせばいつもしっかり握ってくれる誰かの手がある、
それって誰にとってもとても嬉しいことだろうな。
私はこの解凍した直後のマグロのような冷え性の手をどうにかしたい。
つないでくれる人のためにも。なんとか、あったかい手になりたいです!
(^^)/~~~
特に人込みが多かったので、手をつないでいた。
もう9歳だから、そんなに心配でもないけれど念のため。
途中、ふと手が離れてしまったので(おもちゃ屋さんの前だったので、ショーケースの前できっと立ち止まって見てるんだろうな!と想像できました)
「ほらほら!早く早く!」と、後を見ることなくつないでいた右手を後へ伸ばして、ひらひらさせました。
よく、おかあさんがやってますよね。おててつないで!のサイン。
伸ばしている私の右手を、誰かがそっと握った。柔らかい手。あたたかい手。
…娘ではない。
えっ、誰??
びっくりして後を振り向くと、見知らぬおじいさんでした
全然知らないおじいさんが、にこにこして立っている。…誰でしょう?
そのすぐあとから
「あ、すみません!おじいちゃん!ちがいますよ!!よそのお人ですよ!!こっちこっち!!」と、
おじいさんの身内の方らしき年配の女性の方が駆け寄って来て、すみません、どうもすみません、と何度も謝ってくれました。
「すみません、おじいちゃんちょっとぼけちゃってるんです、本当すみません。」
「いえ、いいですよ、私、今年になってから祖父亡くしたので。お散歩できるならいいですよ。
うちは、最後は歩けなくなってしまいました…」
「そうなんですか。それはそれは…。頭ははっきりなさってたですか」
「ええ、頭はしっかりしてました」
「うちはね、もう、誰彼区別もつかないんです…でも、足腰はしっかりさせないと。寝たきりになったらもう大変ですから」
「それで、お散歩なさってるんですね」
「ええ、むしろ人込みの中のほうが、いろいろ刺激があっていいって、お医者さんが」
「ああ、なるほど。お店もにぎわってるし、いろんな人がいますものね」
「ええ、そうなんです。おじいちゃんもこのあたり歩くの好きみたいで。今日は、こんな美人さんに会えたわねおじいちゃん!」
えっそんなことないです、と少し照れ笑いをして、おじいさんを見たら
おじいさんはにこにこしているばかり。
「さあ行きましょうか、じゃあこれで。本当すみませんでした。」
「いえ、お気になさらないで下さい、どうぞお気をつけて」
それでは失礼します、とお互いに挨拶して、別々の方向へ歩き出しました。
たぶんお嫁さんか、娘さんかわからないけれど、すごく感じのよい女性の方だった。
おじいさんもあたたかそうな身なりで、青いマフラーがよく似合っていた。
そして、二人して手をつないでゆっくりゆっくり歩いていく。
いつも、ああして手をつないで夕刻の街中をお散歩しているのでしょう。
今度は間違いなく娘の手をつないで歩き出す。
「ママ、さっきのおじいさん誰?」
「よその人、ママのこと間違えちゃったんだって」
「ふうん、あのおじいさんのママに似てたのかな?」
…そうかもしれないね(^_-)-☆
手を伸ばせばいつもしっかり握ってくれる誰かの手がある、
それって誰にとってもとても嬉しいことだろうな。
私はこの解凍した直後のマグロのような冷え性の手をどうにかしたい。
つないでくれる人のためにも。なんとか、あったかい手になりたいです!
(^^)/~~~
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