今日は、私の祖母(90歳)と「どこか」へ行く約束をしていた。
祖母は、体に悪いところはなく、いたって元気なのだけど、会うたびに「今日、会えてよかった」と、嬉しくなる。
祖母の生まれは、九州の福岡。
いつも矍鑠(かくしゃく、で変換したらこんな字が。ムズカシイ・・・)として、身奇麗にしている。
小さい頃、弟やいとこ達と一緒に、あちこち連れていってもらった。
遠浅の海、夕焼け空、花咲く川辺。美しい景色の中で、ほんとに幸せなシーンだった。
今でも、福岡で過ごした、少女時代のことを本当によく覚えていて、あれこれとよく話してくれる。
懐かしいんだろうな・・・祖母にとっての、生まれ故郷だもの。
福岡はムリでも、「似た景色」だけでも見せてあげたい。
元気な間に、できるだけ祖母が覚えている場所=祖母のふるさとに近い景色、の所へ連れて行ってあげたい、と常々思ってるのです。
先日、祖父が入院してしまったので、一人では淋しいだろうと、今日、行くことに決めました。
思い立ったが吉日。
少し気温は低いけど、天気が良かったのが何より。
午前中で幼稚園が終わった娘二人も連れて、車で、家から1時間半ほどの、祖母宅へ迎えに行き、祖母を乗せて出発。
玄関先に、ちんまり座って待っていてくれました。
「今日は、とってもいい所へ行くよ。」とだけ、伝えてあったのです。
「あんた・・・おばあちゃんはどこへ行くとね?」と、娘たちに聞いている、祖母。
「よし江さんも行くとね?」よし江さん、いないって、おばあちゃん・・・
「よし江さん」とは、祖母の家にずっといて下さった、お手伝いのおばさん。
もう何年も前におやめになり、娘さん一家と引っ越して行かれた。たまに、思い出すらしい。思い出してすぐ、もういないことも思い出して、「おばあちゃん、ボケたかね?」と笑い出すのです。
そんな祖母だけど、曾孫にあたる娘たちと、いい感じでおしゃべりをしている。「おっほっほっ!」と、楽しそうに、笑っている。嬉しいな。
それからまた1時間ほどで、目的地へ到着。
祖母の覚えている「故郷」は、「川があって」「高い木が何本もずっと植わってて」「花やらよう咲いとる」「バレーボールやらようできる」ような、ところらしい。
バレーボールの話しになると、「まかせたわよー!」と言って、パスを回したりと、身振り手振りでやってくれます。
そして、そんな風景にほぼぴったり!と思える場所に、到着。以前から、「ここは!」と目星をつけておいた場所なのです。
川があって、並木道があって、花がたくさん。芝生の広場あり。いい天気。
みんなで、1時間ぐらい、かわるがわる祖母と手をつないで散歩しました。
案外な速さで、歩く祖母。駆け回る娘たち。
広場で、ボール遊びをしている親子づれをみて、「あんたらもやったら」と言う祖母。
「おばあちゃんもやる?バレーボール」と言ってみたら
「気持ちいいだろうねー。こう、まるくなって、みんなして、まかせたわよー。なんて。」出た、「まかせたわよ」。
今度は、ほんとにボール持ってきてみようかな・・・
「まかせたわよー!」って、おばあちゃんにパスを回す・・・「はいっ!」とばかりにすっごいスパイクとか返されちゃったら・・・仰天。でも、やってみる価値ありかも?(ないない・・・・骨でも折られたら!)
戦争を経験し、私の母を含めて3人の子を育て、孫は7人、曾孫は6人。
大勢の従業員を束ねて、家業を大きくしていった、豪傑な祖母である。
以前、叔父(母の弟)から「おばあちゃんの血を一番色濃く継いだのは、おまえだな。」と、しみじみ言われたことがある。
私の何をみて、叔父がそう思ったのかはわからないけれど、何だか歯がゆくて、でも、嬉しかった。
・・・でも、今日のこの場所。川も、並木も、お花畑も、みんな「つくりもの」なんです。
実は、家の近所(といっても車で30分)の、広くてのどかな公園なんです。
条件ぴったり、なんだけど。ほんもの、じゃないんだよ、おばあちゃん・・・川だって人工だし、ポンプで水を流してるんだよ・・・並木も花畑もみんな作られたもの。
ごめんね。福岡じゃなくて。でも、そういうところ、他になくて。
似てるからいいよね。この場所も、好きになってくれるよね・・・・
作り物とはいえ、満開のチューリップ畑の真ん中で、小さな娘たちと一緒に手をつないで微笑んでいる祖母の姿に、「生命のつながり」みたいなものを思い、とても幸せを感じたひとときでした。
今、このときは「本物」だもの。全てがそこにあり、存在している、という真実。
私はきっと、今日のこと、このシーンを決して忘れないでしょう。
おばあちゃん、どうか元気で、長生きしてください。
祖母は、体に悪いところはなく、いたって元気なのだけど、会うたびに「今日、会えてよかった」と、嬉しくなる。
祖母の生まれは、九州の福岡。
いつも矍鑠(かくしゃく、で変換したらこんな字が。ムズカシイ・・・)として、身奇麗にしている。
小さい頃、弟やいとこ達と一緒に、あちこち連れていってもらった。
遠浅の海、夕焼け空、花咲く川辺。美しい景色の中で、ほんとに幸せなシーンだった。
今でも、福岡で過ごした、少女時代のことを本当によく覚えていて、あれこれとよく話してくれる。
懐かしいんだろうな・・・祖母にとっての、生まれ故郷だもの。
福岡はムリでも、「似た景色」だけでも見せてあげたい。
元気な間に、できるだけ祖母が覚えている場所=祖母のふるさとに近い景色、の所へ連れて行ってあげたい、と常々思ってるのです。
先日、祖父が入院してしまったので、一人では淋しいだろうと、今日、行くことに決めました。
思い立ったが吉日。
少し気温は低いけど、天気が良かったのが何より。
午前中で幼稚園が終わった娘二人も連れて、車で、家から1時間半ほどの、祖母宅へ迎えに行き、祖母を乗せて出発。
玄関先に、ちんまり座って待っていてくれました。
「今日は、とってもいい所へ行くよ。」とだけ、伝えてあったのです。
「あんた・・・おばあちゃんはどこへ行くとね?」と、娘たちに聞いている、祖母。
「よし江さんも行くとね?」よし江さん、いないって、おばあちゃん・・・
「よし江さん」とは、祖母の家にずっといて下さった、お手伝いのおばさん。
もう何年も前におやめになり、娘さん一家と引っ越して行かれた。たまに、思い出すらしい。思い出してすぐ、もういないことも思い出して、「おばあちゃん、ボケたかね?」と笑い出すのです。
そんな祖母だけど、曾孫にあたる娘たちと、いい感じでおしゃべりをしている。「おっほっほっ!」と、楽しそうに、笑っている。嬉しいな。
それからまた1時間ほどで、目的地へ到着。
祖母の覚えている「故郷」は、「川があって」「高い木が何本もずっと植わってて」「花やらよう咲いとる」「バレーボールやらようできる」ような、ところらしい。
バレーボールの話しになると、「まかせたわよー!」と言って、パスを回したりと、身振り手振りでやってくれます。
そして、そんな風景にほぼぴったり!と思える場所に、到着。以前から、「ここは!」と目星をつけておいた場所なのです。
川があって、並木道があって、花がたくさん。芝生の広場あり。いい天気。
みんなで、1時間ぐらい、かわるがわる祖母と手をつないで散歩しました。
案外な速さで、歩く祖母。駆け回る娘たち。
広場で、ボール遊びをしている親子づれをみて、「あんたらもやったら」と言う祖母。
「おばあちゃんもやる?バレーボール」と言ってみたら
「気持ちいいだろうねー。こう、まるくなって、みんなして、まかせたわよー。なんて。」出た、「まかせたわよ」。
今度は、ほんとにボール持ってきてみようかな・・・
「まかせたわよー!」って、おばあちゃんにパスを回す・・・「はいっ!」とばかりにすっごいスパイクとか返されちゃったら・・・仰天。でも、やってみる価値ありかも?(ないない・・・・骨でも折られたら!)
戦争を経験し、私の母を含めて3人の子を育て、孫は7人、曾孫は6人。
大勢の従業員を束ねて、家業を大きくしていった、豪傑な祖母である。
以前、叔父(母の弟)から「おばあちゃんの血を一番色濃く継いだのは、おまえだな。」と、しみじみ言われたことがある。
私の何をみて、叔父がそう思ったのかはわからないけれど、何だか歯がゆくて、でも、嬉しかった。
・・・でも、今日のこの場所。川も、並木も、お花畑も、みんな「つくりもの」なんです。
実は、家の近所(といっても車で30分)の、広くてのどかな公園なんです。
条件ぴったり、なんだけど。ほんもの、じゃないんだよ、おばあちゃん・・・川だって人工だし、ポンプで水を流してるんだよ・・・並木も花畑もみんな作られたもの。
ごめんね。福岡じゃなくて。でも、そういうところ、他になくて。
似てるからいいよね。この場所も、好きになってくれるよね・・・・
作り物とはいえ、満開のチューリップ畑の真ん中で、小さな娘たちと一緒に手をつないで微笑んでいる祖母の姿に、「生命のつながり」みたいなものを思い、とても幸せを感じたひとときでした。
今、このときは「本物」だもの。全てがそこにあり、存在している、という真実。
私はきっと、今日のこと、このシーンを決して忘れないでしょう。
おばあちゃん、どうか元気で、長生きしてください。