平日の午後、久々にのんびり在宅。2009年に制作された松本清張さんの生誕100年記念ドラマが放送されていると知り、見ていた。台詞は少ないけれど長くまわされたカメラで撮られたシーンが多かった。刑事役の役所広司さんと殺された男性の愛人役、深津絵里さんの演技が良かった。昨日観た映画と同じ様に、その役が似合う人がやらないと作品として成り立たない事が分かる。演技の上手い下手はもちろんあるが、配役を決める事も映画やドラマの成功を握る重要なポイント。それにしても松本清張さんは女性の心理をどうしてああまで分かる人だったのか? 表向きと違って内面は女性的だったの? 取材力も確かだし着眼点が面白い。こうした作家は数少ない。次の松本清張はなかなか誕生しない。だからいつまでたっても彼の作品が映像化されるのだろう。フジテレビ開局55年を記念したドラマが今夜放送される。これまた彼の原作を使っている。時代は昭和20年代。その古さに視聴者たちが付いて行ける限り、彼の新作ドラマが生まれるのかしら?
映画”夏の終わり”を観た。思っていたよりはつまらなかった。ブログの書き込みも参考にしながら映画館には向かったのでイマイチなのかなーと。書き込みは信じないところもあったけれど実際にはそのとおり、と思える部分もあった。話がブチ切れ気味でストーリーそのものが分かり難い。それが狙い? だとしたら失敗なんじゃない? 小林薫さんと綾野剛さんは役にはまっていたが主役の満島ひかりさんはちょっと違った。熊切監督は彼女を綺麗に撮る事をこの映画の目的のひとつにあげていたらしい。でもそれは達成出来なかったと思う。彼女を綺麗に撮りたかったらあの手法では駄目。ちっとも綺麗じゃないもの。昭和の懐かしい時代を描こうと頑張ったのかも知れないけどその努力は報われていない。ハッキリしない映像と借り物の芝居が混在したおもろない作品。満島さんの台詞も彼女が言うと浮いて聞こえた。脚本にも問題ありかな。あんな言い方が似合う役者なんて今時おらんて。よー考えてから本作りなはれ。あれじゃ役者も迷惑でっしゃろ。原作者がこの映画をほめていたと聞いたけどほんまの話? 眉唾もんとしか思えんわ。
東京メトロ神田駅に降り立ったら構内に甲高い声が響いていた。何事? と思いながら進んで行くと前方から更に大きな声。女子高校生たちが白い箱を持ち「赤い羽根共同募金にご協力お願いしまーす!」と叫んでいる。彼女らの隣りには付き添いらしき教師の姿もあった。募金には元来興味がないので素通り。どこかのお爺さんに近いおじさんが高校生に赤い羽根を着けてもらい、嬉しそうにしている横顔が目に入った。何だかねー。そもそも赤い羽根共同募金って何だっけ? 震災での募金が華やかだったので忘れていたがこれが元祖・募金か? 悪い事ではなく寧ろ良い事なのだが何故か募金嫌いな私。偽善的な感じがして嫌なのだ。しかも無邪気そうに見えるが何を考えているのか分からない女子高生にそんな事をさせる(?)なんてところもとても嫌らしく思えた。こちらの見込み違いなのかも知れないがとにかく不快。それに駅構内であんな大声出しての募金活動ってOKなの? 地下から上に出た所でも「ご協力お願いします!」のコールが響いていてうざかった。