スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

蒲生氏郷杯王座競輪&意志作用の発生

2023-09-27 19:13:59 | 競輪
 昨日の松阪記念の決勝。並びは菅田‐新田の北日本,郡司に岩津‐坂本の岡山,浅井‐皿屋の三重,山田‐中村の九州。
 スタートを取りにいったのは浅井,新田,山田の3人。一番内だった浅井が誘導の後ろに入って前受け。3番手に菅田,5番手に山田,7番手に郡司で周回。残り3周のバックの出口から郡司が上昇を開始。山田はこのラインに続きました。ホームに入って浅井は自ら引いたので,郡司が誘導の後ろに入ることに。続いていた山田が上昇して誘導が退避するタイミングで郡司を叩き先頭に。後方になっていた菅田が巻き返し,打鐘で山田を叩いて先行。菅田が全力で駆けていったので,新田と山田の車間が開きました。浅井は上昇しようとして岩津の隣まで上がっていたのですが結局は引いて8番手に。バックに入ってから郡司が発進。新田が番手捲りで対応しようとしましたが,すでに菅田が失速していたため,加速がついていた郡司のスピードに抵抗することができず,飛びつくこともできませんでした。郡司ラインの3人で捲り切って直線へ。そのまま郡司が先頭を守り切って優勝。迫ったマークの岩津が半車身差の2着。坂本も4分の3車身差の3着に続いて郡司ラインの上位独占。坂本マークのレースになってしまった浅井が8分の1車輪差で4着。
 優勝した神奈川の郡司浩平選手は8月の富山記念以来の優勝で記念競輪18勝目。松阪記念は初優勝ですが,2019年の共同通信社杯を当地で勝っています。このレースは菅田が先行するということを郡司が読んでいたような立ち回り。3番手が最高でしたでしょうが,5番手ならば捲ることができるとみていたのでしょう。新田は郡司を待って発進しようとしたのですが,菅田がすでに失速してしまっていたため,結果的に無抵抗のような内容に。菅田が失速しかけたところで郡司を待たずに発進するか,もっと菅田との車間を開けておくかするべきだったのではないでしょうか。浅井は前を回ることを選択したので,場合によっては番手への飛びつきも考えているのではないかと予想していたのですが,こちらは思い描いていたのと異なった展開になってしまったのではないかと思われます。

 Yを肯定するaffirmare意志作用volitioがXの真の観念idea veraの起成原因causa efficiensであるということはできるのです。しかしそれは,Yを肯定する人間の,あるいは同じことですがXを真に認識するcognoscere人間の,任意の意志作用ではありません。より正確にいえば,その人間の自由な意志voluntas liberaに依存するものではありません。このことはYを肯定する意志作用がいかにしてこの人間の精神mens humanaのうちに発生するのかをみてみれば,より容易に理解することができるでしょう。
                                   
 このYを肯定する意志作用をひとつの意志作用としてみれば,これも第二部定理四八の様式でこの人間の精神のうちに生じるのです。つまりそれはたとえばZを肯定する意志作用を起成原因とするのです。しかしこのZを肯定する意志作用もまたこの定理Propositioの様式に沿って説明されなければなりません。この関係が無限に続いていくことになります。よって,どこまでいってもこの人間の精神の自由意志に辿り着くことはできません。もしもこれを否定するのであれば,この意志作用の起成原因を辿っていけばどこかで第一原因causa primaに到着することができるといわなければなりませんが,これは僕が河井の主張を観念について否定したのと同じ論理によって否定されます。観念と意志作用は同じものなのですから,観念についていわれ得ることは意志作用についても妥当しなければならないからです。
 この説明から理解できるように,現実的に存在する人間の意志作用,とくにその人間の自由な意志作用が,真の観念の起成原因であるということはできません。つまり現実的に存在する人間は,ある観念を抽出して,それを任意に真に認識することができるというわけではありません。そしてこの真の観念を有するということが,その人間がその観念を神Deusに帰しているということに該当するのですから,現実的に存在する人間は任意にある観念を神に帰することができるわけではありません。もちろんこれは帰さないということもできないということを意味します。つまり,ある観念を神に帰したり帰さなかったりするということは,現実的に存在する人間の思うままになるというわけではないのです。
 一方でこのことは,別の疑問を生じさせることになります。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 農林水産大臣賞典白山大賞典... | トップ | 日本テレビ盃&倫理的要求 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

競輪」カテゴリの最新記事