スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

日本ダービー&先立つ

2011-05-29 18:37:16 | 中央競馬
 出走馬18頭すべての父が日本産,うち16頭は父の父がサンデーサイレンスで,残る2頭も母の父がサンデーサイレンス。現在の日本競馬の縮図のようなメンバーでの戦いとなった第78回日本ダービー
 いつも逃げているという馬は不在でしたので,展開面はやや微妙なところがありましたが,オールアズワンの逃げは戦前から予想できたもののひとつ。向正面に入ると後ろを引き離していきました。その後ろに13頭が固まり,その最後尾がオルフェーヴル。集団から離れて後方を計4頭が追走という形。最初の1000mは62秒4。これはスローに近いミドルペース。
 余力を残して直線に向いた馬がほとんどで,ずらりと馬群が広がる形。オルフェーヴルはサダムパテックとナカヤマナイトの間に進路を選択。そこをスパッと割って,やや内に切れ込むように先頭に。後方4頭の最も前にいたウインバリアシオンが大外から追ってきましたが,並ばれそうになってまた突き放し,オルフェーヴルの完勝。唯一迫ったウインバリアシオンが2着。7馬身差の3着争いは白熱しましたが,内寄りから伸びたベルシャザール。
 優勝したオルフェーヴル皐月賞に続く2冠を達成。そこで決定的な差をつけていましたので,能力上位は疑い得なかったところ。台風接近に伴う馬場悪化と,距離延長が課題でしたが,見事にクリアしました。今年の3歳は全般的なレベルはそうも高くないと判断していますが,この馬は世代のエースとして,長く活躍することが可能であるように思います。父はステイゴールド,母の父はメジロマックイーン,兄に大レース3勝のドリームジャーニー,曾祖母はグランマスティーヴンス。Orfevreはフランス語で金銀細工職人。
 騎乗した池添謙一騎手,管理している池江泰寿調教師のコンビは皐月賞に続く大レース制覇で日本ダービー初勝利。

 では,Aが本性natura,essentiaの上でBに先立つということを僕がどのように理解するのかといえば,それは,Bが存在するためには,別のいい方をするならBが存在するということが可能となるためには,Aが存在していなければならない,あるいはAが存在することが必要であるという条件を満たす場合です。仮にこのとき,Aの存在が必然的にBの存在を含むような場合でも,Bの存在にとってAの存在が不可欠であるなら,僕はAの存在はBの存在に対して本性の上で先立つとみなします。この場合,Aが存在すれば必然的にBもまた存在することになるわけで,もしもここに時間的な観点というのを導入するのであれば,AとBとは同時に存在するということになるでしょう。しかしたとえそうであっても,この条件の下においては,Aの存在はBの存在に本性の上で先立っているということになります。
 第一部定理一はスピノザの意図を汲む限りでは名目的です。したがってこの定理全体の意味は,そうしたものが実際に実在するかどうかは別として,様態modi,modusが存在するのであれば,実体substantiaも存在している必要があるということになるでしょう。そしてこれを実在的に理解しようとするなら,『エチカ』においては第一部定理一五が出てくるのだと僕は思います。確かにこの定理Propositioは,様態が実在するためには神Deusの存在が不可欠であるということ,つまり神の存在は本性の上で様態の存在に先立つということを示していると考えられるからです。
 一方,第一部定理一六は,神の存在から無限に多くの様態が必然的に存在しなければならないということを示しています。神は第一部定義六からして,永遠な存在ですから,本来はそこに時間的な観点というものを導入することはできません。しかしこれをあえて時間的に表現するなら,神と無限に多くの様態は同時に実在するということになるでしょう。しかし,神の存在は本性の上でそうした無限に多くの様態の存在に対して先立っていると僕は理解するのです。
 このことから理解できるように,物体corpusの存在に対しては神の存在が本性の上で先立ちます。これは第二部定義一により,物体が様態であることから明らかです。ただし,第二部定理六からして,実際の意味において本性の上で物体に先立っているといわなければならないのは,絶対に無限な神というよりは,神の延長の属性Extensionis attributumであるということになると思います。

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