スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

皐月賞&現実世界の選択

2015-04-19 18:55:24 | 中央競馬
 三冠レースの第一弾,第75回皐月賞
 まず先頭に立ったのはワンダーアツレッタ。すぐに外からキタサンブラックが前に。さらに外からクラリティスカイが追い抜いてクラリティスカイの逃げに。キタサンブラック,ワンダーアツレッタ,スピリッツミノルと続き,コメートとリアルスティール。ミュゼエイリアンとダノンプラチナが並んでいたところへブライトエンブレムが追い上げ、ベルラップは外を上昇。タガノエスプレッソが続き,正面では最後尾だったドゥラメンテはインを進出。サトノクラウンがその後ろに。前半の1000mは59秒2でミドルペースといえるでしょう。
 直線では逃げたクラリティスカイをキタサンブラックが抜きにいくと,その外をリアルスティールが伸び坂下では先頭。しかしインを回り4コーナーでやや強引に外に持ち出したドゥラメンテが段違いの末脚で楽々と差して優勝。1馬身半差でリアルスティールが2着。2馬身半差でキタサンブラックが3着。
 優勝したドゥラメンテは昨年10月にデビュー。2戦目で勝ち上がった後,2月の条件戦で5馬身差の楽勝をしスター候補に。次の共同通信杯は2着馬の後塵を拝していましたが,ひどく折合いを欠いてのもので,2着に残ったのは実力。今日は折り合えたので末脚が爆発しました。ミドルペースでもいい脚を使えることが分かりましたので,今後も掛からなければ確実に結果を残していくでしょう。父はキングカメハメハ。母は2004年のJRA賞最優秀4歳以上牝馬のアドマイヤグルーヴ。祖母はエアグルーヴパロクサイドシャダイフェザーの分枝。Duramenteはイタリア語。音楽用語で荒々しく。
 騎乗したのは3月にJRAの免許を獲得したイタリア出身のミルコ・デムーロ騎手。昨年3月の高松宮記念以来の日本での大レース制覇。皐月賞は第63回,64回,73回と勝っていて2年ぶりの4勝目。管理している堀宣行調教師は先月のジョージライダーステークスに続く大レース制覇。国内では2012年の安田記念以来。皐月賞は初勝利。

 ライプニッツ主義にとって最適な規準から理解できるのは,神Deusが無限に多くのinfinita可能世界からひとつを選択して現実世界にする場合に,真理と非真理に関係する事柄はそれ自体がこの選択の規準になるのに対して,真偽不明である事柄に関しては,神が選択の規準を有していないということです。よってこのことに関しては,神は別に善意という規準を必要とするのです。したがってスピノザが第一部定理三三備考二意志と善意に関して述べていること,すなわち善意という規準は,神の本性essentiaに属するような規準ではなく,神の外部に存在する規準であるという指摘が正しいということも分かります。
                         
 ライプニッツ主義では,神が善意によって可能世界を選択するということ,いい換えれば神は全体的にみて最善の世界を現実世界として選択するということは,絶対的なものでなくてはなりません。このとき,モナドの中のモナドとしての神は,無限に多くあるモナドMonadeのすべてと共通点を有するのですから,神がどの可能世界が最善であるかということを判断することが可能であるということは論理的に可能です。つまりたとえそれが神の本性に属さないような規準であるとしても,その規準に対して的確な判断が神には可能であるということは,合理的に説明できます。そしてこれを合理的に説明するためにも,ライプニッツ主義は神とモナドの関係について,神は実体substantiaであるがモナドMonadeでもあると規定する必要があると僕は考えます。
 そこで,神は善意によって現実世界を選択する,あるいは,神が選択する現実世界はあらゆる可能世界のうちで最善の世界である,ということは,命題としてみたときに,真verumでなければならないことになります。これがライプニッツ主義の絶対的要件を構成しているからです。そしてここまで進んできたときに,僕は当惑してしまうのです。
 スピノザとライプニッツの会見だけが異なるモナドAとモナドBに関しては、神がモナドAを現実世界として選択するという命題も,神はモナドBを現実世界として選択するという命題も,真偽不明の命題でなければならなかったのでした。僕にはこれらをうまく両立させられないのです。

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