スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ドストエフスキーとゲーテ&K先生

2014-09-14 18:56:11 | 歌・小説
 ニーチェがゲーテを愛読し,その思想を好意的に評価していたことは,ニーチェとゲーテという稿で紹介しました。また,僕がドストエフスキーを再読するようになったのは,ニーチェがドストエフスキーにも好意的な評価をしていたからでした。そしてドストエフスキーもゲーテの愛読者でした。もちろんドストエフスキーは小説家ですから,好んだのはゲーテの小説であったことでしょう。ゲーテの小説のモチーフは,ドストエフスキーの小説に用いられているようです。
                         
 『悪霊』では,スタヴローギンがフェージカを唆して,妻のマリヤとその兄のレビャートキンを殺害させた後,火事を起こさせます。その火事を,スタヴローギンとリーザは,川の対岸で発見します。『ドストエフスキー 父殺しの文学』には,このシーンが,『ファウスト』のモチーフであるという説を,ベームが指摘しているとあります。ファウストは新国家建設の障害になっている老夫婦に頭を悩ませていました。それに気付いたメフィストフェレスが,この老夫婦を焼き殺すのです。
                         
 ファウストはメフィストフェレスに何か命令を下したわけではありません。スタヴローギンもまた殺害の具体的な指示をフェージカに与えたわけではありませんが,金を与えていますので,意味合いはやや違うかもしれません。ただ,これらふたつのシーンの状況が酷似していることは事実で,ドストエフスキーが『ファウスト』を意識していたことは,たぶん間違いないのだろうと思います。
 リーザの死に関して僕が得たひらめきというのは,このベームの説と少しばかり関係しています。老夫婦はファウストの欲望をメフィストフェレスが代行するという図式で殺害されました。レビャートキンは分かりませんが,マリヤに関しては,スタヴローギンの欲望をフェージカが代行するという図式で殺されたと理解して間違いないと思います。そしてこれと同じような図式が,リーザにも当て嵌まるのではないかと僕は気付いたのです。

 この日から僕の主治医になったのは,K先生でした。男の先生で,見た目から受ける印象としては,最初の主治医であったG先生と同じくらいの年齢と思われます。体格はG先生よりも一回りくらい大きいかなといった印象。ただし,診察室では医師が立ち上がるということはほぼありませんから,実際に身長がどれくらいかということは分かりません。G先生は入院中から病室に来ていましたので,身長がどれくらいかは把握していますが,それほど背が高いというわけではありませんでした。K先生はG先生よりは大きいと思いますが,G先生の次の主治医だったM先生よりは低いのではないかと思います。そして一回り大きいというのは,身長だけでなく体格全体の意味でもあります。実際にK先生は,今までの主治医で最も肉付きがいいのは間違いありません。ただしそれは,太っているという意味ではないです。また,年齢についても,僕がG先生の診察を受けていたのは5年前のことで,退職後はG先生に会ったことがありません。つまり僕が表象するG先生は,5年前のG先生です。なのでK先生がG先生と同じくらいの年齢に見えるということは,実際にはK先生の方がG先生よりも若いものと思われます。
 この日の診察室が4番であった理由は分かりません。その後も何度かの通院の機会があったわけですが,常にこの4番の診察室が利用されたのかといえばそうではなく,2番の方が多いからです。かつてM先生が主治医であったとき,ハッピーマンデーの影響で通院が木曜日に設定されたことがありました。そのときは5番の診察室が使われたので,僕はそのことを根拠に2番と5番の相違を推測しました。しかしこの日はそれまでと同じ月曜日でしたし,それ以後の通院も一貫して月曜日になっています。2番が使われることの方が多いのは事実なので,基本的に内分泌科の診察が2番で行われているのは間違いないと思うのですが,2番を別の医師が使用して,K先生の診察は4番で行われるというケースも生じています。もっとも部屋自体は対称ですから,こちらの診察室の方がいいとか悪いとかいうことが,僕にとって生じるというわけではありません。

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