危機と書いたことは現実のものとなり,女流棋士はふたつの団体に分裂することになりました。このうち,独立する棋士は昨日会見し,新団体となる日本女子プロ将棋協会を設立,報道などによると,今日にも日本将棋連盟を退会し,こちらの新団体に移籍するようです。ただし,現在参加している棋戦に関しては継続参加が可能,次期以降は話し合いということですが,これについては主催社の意向や今後のタイトルの動向も無視できないでしょうから,どうなるか確たることはいえないのではないかと思います。
それにしても驚いたのはこの新団体に移籍する棋士が17人にとどまったこと。経緯で触れた12月の女流棋士総会では,圧倒的多数で独立する方向であっただけに意外です。準備委員会の独立への進め方には女流棋士の内部からも反発があったとは伝えられていましたが,結果論とはいえ,これだけ大量の離脱者を出してしまったという点に関しては,人身を掌握できなかった準備委員会の執行部の指導力には問題があったといわざるを得ないと思いますし,僕自身,連盟との軋轢の発端でもいったように,期待もしていただけに多少の失望の念は禁じ得ないです。
一方,そこでも触れたように,立場の改善を望むのであれば,独立するという判断自体は正しかったと思います。人数の問題以前に,現在のタイトル保持者がすべて残留ということで,厳しい船出には違いないのですが,この新団体がうまく軌道に乗り,最終的には大部分の棋士がこちらに移籍できるようになるということを望みます。
これで人間の精神による事物の表象というのがどういうことかを示す材料がそろいましたので,スピノザによるその説明をみておくことにします。これは,今回のテーマである第二部定理一七備考のうちに,問題としている一文の前に示されています。
「人間身体の変状[刺激状態]―我々はこの変状の観念によって外部の物体を我々に現在するものとして思い浮かべるのである―は物の形状を再現しないけれども我々はこれを物の表象像と呼ぶであろう。そして精神がこのような仕方で物体を観想する時に我々は精神が物を表象すると言うであろう」。
ここでこのような仕方といわれているのが,人間の身体が外部の物体と関係する様式,あるいはその観念を意味していることは明らかだと思います。つまり弟一義的には表象とは,人間の身体が外部の物体に刺激されることによって,その物体が現実的に存在するということ,すなわちたとえば僕が具体的な意味で示したようなことを意味するわけです。
この説明は第二部定理一七に対応しています。しかしここでは僕はさらに広げて,第二部定理一七系の人間の精神による事物の想起,また,第二部定理一九の,自分自身の身体の現在の知覚についても表象に含めます。これには異論もあるかもしれませんが,僕はそうしたものも表象に含めるべきであると考えていますし,またそれについては争わないとしても,定理一七備考という今回のテーマは,必ずしも表象一般に関係するのではなく,混乱した観念一般に関係しますので,そうしておいた方が少なくともここでは便利だからです。
それにしても驚いたのはこの新団体に移籍する棋士が17人にとどまったこと。経緯で触れた12月の女流棋士総会では,圧倒的多数で独立する方向であっただけに意外です。準備委員会の独立への進め方には女流棋士の内部からも反発があったとは伝えられていましたが,結果論とはいえ,これだけ大量の離脱者を出してしまったという点に関しては,人身を掌握できなかった準備委員会の執行部の指導力には問題があったといわざるを得ないと思いますし,僕自身,連盟との軋轢の発端でもいったように,期待もしていただけに多少の失望の念は禁じ得ないです。
一方,そこでも触れたように,立場の改善を望むのであれば,独立するという判断自体は正しかったと思います。人数の問題以前に,現在のタイトル保持者がすべて残留ということで,厳しい船出には違いないのですが,この新団体がうまく軌道に乗り,最終的には大部分の棋士がこちらに移籍できるようになるということを望みます。
これで人間の精神による事物の表象というのがどういうことかを示す材料がそろいましたので,スピノザによるその説明をみておくことにします。これは,今回のテーマである第二部定理一七備考のうちに,問題としている一文の前に示されています。
「人間身体の変状[刺激状態]―我々はこの変状の観念によって外部の物体を我々に現在するものとして思い浮かべるのである―は物の形状を再現しないけれども我々はこれを物の表象像と呼ぶであろう。そして精神がこのような仕方で物体を観想する時に我々は精神が物を表象すると言うであろう」。
ここでこのような仕方といわれているのが,人間の身体が外部の物体と関係する様式,あるいはその観念を意味していることは明らかだと思います。つまり弟一義的には表象とは,人間の身体が外部の物体に刺激されることによって,その物体が現実的に存在するということ,すなわちたとえば僕が具体的な意味で示したようなことを意味するわけです。
この説明は第二部定理一七に対応しています。しかしここでは僕はさらに広げて,第二部定理一七系の人間の精神による事物の想起,また,第二部定理一九の,自分自身の身体の現在の知覚についても表象に含めます。これには異論もあるかもしれませんが,僕はそうしたものも表象に含めるべきであると考えていますし,またそれについては争わないとしても,定理一七備考という今回のテーマは,必ずしも表象一般に関係するのではなく,混乱した観念一般に関係しますので,そうしておいた方が少なくともここでは便利だからです。
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