スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典サマーチャンピオン&起成原因

2016-08-19 19:10:37 | 地方競馬
 昨日の第16回サマーチャンピオン
 3頭の併走状態から最内のグレイスフルリープがハナへ。真中のタガノトネールが2番手で外だったカッサイは3番手に。その後ろにテイエムチカラとミリオンヴォルツが併走。その後ろがワンダーコロアール。前半の600mは36秒2のミドルパース。
 向正面に入ると2番手と3番手の差が開きました。一旦はミリオンヴォルツが3番手でしたが,外から追い抜いていったのがワンダーコロアール。3コーナーあたりでタガノトネールの直後まで追いつきました。ここからタガノトネールは逃げるグレイスフルリープの外へ。ワンダーコロアールは逆に内に進路を選択。ですが追い上げていこうとした2頭より逃げたグレイスフルリープの方が手応えはよく,直線では2頭を突き放して4馬身差の快勝。内から伸びたワンダーコロアールが2着に入り,タガノトネールは4分の3馬身差の3着。
 優勝したグレイスフルリープは重賞初勝利。一昨年の12月以降はこの距離ばかりを使ってオープンで2勝していましたから,能力は通用。地方競馬の馬場への適性が不明でしたが,何も問題ありませんでした。この距離は多くの重賞がありますので,これからもタイトルを積み重ねていくのは可能でしょう。もっと上のレベルで戦えるかはまだはっきりしていないと思いますが,可能性は十分にあるでしょう。父はゴールドアリュール。Graceful Leapは優美な飛躍。
                                     
 騎乗した小牧太騎手は第4回と5回を連覇していて11年ぶりのサマーチャンピオン3勝目。管理している橋口慎介調教師は今年3月が厩舎開業で重賞初勝利。

 スピノザの哲学における原因causaが一義的に起成原因causa efficiensを意味するのであれば,第一部公理三でいわれている原因も当然ながら起成原因でなくてはなりません。つまり結果effectusを発生させるものがスピノザの哲学では原因といわれることになります。そしてすでにみたように,僕たちの知性intellectusは延長Extensioとしての原因と思惟Cogitatioとしての原因だけを認識します。つまり物体corpusが存在したり作用したりすることを発生させる原因か,そうでなければ観念ideaに代表される思惟の様態cogitandi modiを発生させる原因だけを認識するということです。
 このときに定義論との関係で重要になるのは,第一部定義三でいわれていること,すなわち起成原因が与えられれば必然的にnecessario結果は発生し,何の起成原因も与えられることがなければ結果が発生することは不可能であるということが,創造された事物だけに適用されるべきなのか,それとも創造されない事物にも適用されるべきなのかということです。他面からいえば,起成原因というのは創造される事物にのみ必要なことであるのか,それとも創造されない事物にも必要なことなのかということです。さらにいい換えればこれは,創造される事物だけが結果として発生するといわれるべきなのか,それとも創造されない事物が発生することも結果といわれるべきなのかということでもあります。起成原因が与えられなければ結果は発生しないので,もしも創造されない事物の発生も結果であるといわなければならないとしたら,創造されない事物にも起成原因が必要であるといっているのと同じことだからです。
 これは考え方によってどちらの解釈も成立すると僕は思っています。そして僕がどちらの立場を採用するのかといえば,このことは創造されない事物にも適用されなければならないという立場です。つまり起成原因は創造される事物の発生にのみ必要なのではありません。創造されない事物が発生するためにも必要なのです。
 他から創造されない事物はそれ自身によって発生する必要があります。これは自己原因causa suiです。つまり僕の考えは,他を創造する原因だけでなく,自己原因も起成原因のひとつと解釈するというものです。

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