スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ゴールドアリュール&相対性の発生

2008-10-25 19:13:06 | 名馬
 7日の白山大賞典スマートファルコンが勝ちましたが,この馬の父はゴールドアリュールで,近年の日本のダート競馬における名馬の1頭です。
 2戦目を芝で勝ち上がるとその後も芝のレースに出走し続けましたが入着まで。3歳の4月,通算7戦目にして初めてダートに使われるとこれを圧勝。続くダートのオープン特別も楽勝し,賞金を加算できたのでダービーに挑戦。これはタニノギムレットの5着に敗れたのですが,2着のシンボリクリスエスとはアタマ,アタマ,クビと差は僅かでした。休養せずに7月のジャパンダートダービーに出走,2着に7馬身の差をつけるという圧倒的なパフォーマンスで大レース初制覇。
 秋は9月,盛岡で行われていたダービーグランプリから始動。ここも10馬身という圧勝で大レース2勝目。東京競馬場の改修で中山で行われたジャパンカップダートは5着に沈みましたが,続く東京大賞典で大レース3勝目を上げ,この年のJRA賞最優秀ダート馬,NARグランプリの特別表彰馬に選出されました。
 4歳になり,やはり中山での施行となったフェブラリーステークスで大レース4勝目。ドバイを目指したのですが,ちょうどアメリカによるイラク侵略戦争の開始時期と重なり,ドバイへのカーゴ便が飛ばなかったために断念。アンタレスステークスを圧勝した後,帝王賞に向いましたが,これを11着と謎の大敗。検査の結果,喉の疾患が発見され,このまま引退となってしまいました。
 ダートでの活躍馬ではありますが,芝でも高い能力を見せた馬。喉の疾患がどの程度まで産駒に遺伝するのか分かりませんが,種牡馬としてもある程度の成功は収められるのではないでしょうか。

 日本時間で明日の朝,再渡米したカジノドライヴが出走予定のブリーダーズカップクラシックの発走となります。弱い相手のアローワンスを使って,差はつけられなかったものの勝ちましたので,プロライドのオールウェザーコースは不安にはならないでしょう。最有力は今年のドバイワールドカップを勝っているアメリカのCurlin。こちらはこの馬場でのレースは初めてになりますが,ほかのアメリカ勢に負けるシーンは考えにくいのではないでしょうか。アイルランドから参戦してくるDuke of MarmaladeやHenrythenavigatorの方がライバル視されているようです。

 日本では菊花賞。ここはベンチャーナイン◎を狙ってみたいです。オウケンブルースリ○とマイネルチャールズ▲。あとスマイルジャック△とフローテーション△。

 この相対性において善bonumについて妥当なことは,もちろん悪malumにとっても妥当です。すなわち,もしもある人間にとってその本性natura,essentiaの完全性perfectioを低下させるXとYがあるならば,第一義的にはXもYもこの人間にとって悪であるということになります。しかし,もしもこの人間がどうしてもXかYのどちらかと関係せざるを得ないような状況にある場合に,もしもXと関係する場合にはYと関係する場合よりも大きくその完全性が低下するということであれば,この限りにおいて,この人間にとってXは悪であるが,Yはむしろより大きな悪であるXとの関係を妨げるという意味で善であるということになるでしょう。このような仕方で物事を選択するということは,僕たちの経験上もよくあることなのではないかと思います。
 これらの考察から,善悪の相対性というのが,どのようなところから生じてくるかが理解できます。すなわちある人間にとってそれが善であるとか悪であるということは,たとえばAとB,あるいはXとYなど,ふたつのもの,あるいはもっと多くても構わないのですが,少なくともふたつ以上のものを比較することによって生じてくるのです。よって,小さな善と大きな善とを比べるならば小さな善は悪であるということになりますし,小さな悪と大きな悪とを比べるなら,小さな悪はむしろ善であるといえるのです。第一義的に善であるか悪であるかは,それが認識cognitioの問題である以上,この比較の前では無効であるといえるでしょう。
 スピノザは第四部定理六八で,人間は十全な観念idea adaequataを有する限りでは善も悪も認識しないという主旨のことを示していますが,この証明Demonstratioの過程において,まさに善と悪が相対的なものであるということに依拠しています。このことからも,この考察のスピノザの哲学における妥当性が明らかになるものと思います。
コメント (2)
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