スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

火の国杯争奪戦&同時性と継時性

2017-10-23 19:12:32 | 競輪
 久留米競輪場で開催された昨日の熊本記念の決勝。並びは吉沢‐武田の茨城,深谷‐浅井の中部,古性‐南の大阪,中川‐小倉の西国で小松崎は単騎。
 スタートを取ったのは浅井で深谷の前受け。3番手に中川,5番手に吉沢,7番手に古性,最後尾に小松崎で周回。残り3周のバックで古性が上昇していくと,小松崎も続きました。残り2周のホームの入口付近で古性が深谷を抑えて誘導の後ろに。3番手に小松崎,続いた中川が4番手,吉沢が6番手,引いた深谷が8番手の一列棒状に。バックに入ると古性は誘導との車間を徐々に開け始めました。ここから吉沢が発進し,古性を叩いたあたりで打鐘。だれもこのラインに続かなかったので古性が3番手,小松崎が5番手,中川が6番手,深谷が8番手の一列棒状のままホームを通過してバックに。5番手から小松崎が単独で動くとその直後の中川もこの動きに乗りました。しかし武田は吉沢との車間を開けて待ち構えていたので,コーナーの中間でこれに合わせて発進。結果的に武田の番手捲りに乗る形になった古性が直線で差し切りを決めて優勝。中川の後ろからコーナー出口あたりは内を回り,直線でスムーズに古性の外に自転車を出した小倉がよく伸びて1車輪差の2着。展開的には絶好だった武田は4分の3車輪差で3着。
 優勝した大阪の古性優作選手は3月の松阪記念以来の記念競輪3勝目。熊本記念は初優勝。このレースは吉沢の先行は予想されたところ。先に動いて前を斬り,うまく3番手に入ったのが勝因でしょう。吉沢はかなりいいスピードで逃げたので後ろの選手は動きにくく,武田もまだ万全の調子まではいっていないようです。結果的にいえば,吉沢が叩きにいったときに,中川は位置的に続くのは難しかったかもしれませんが,武田の直後にいた深谷は追っていくべきだったと思います。

 この箇所においても,実際にゲーテJohann Wolfgang von Goetheがスピノザの哲学の影響下にあったかは定かではありません。ですがゲーテの記述自体が,スピノザの哲学と親和的な要素をもっていることは確実であると僕には思えます。
                                     
 ゲーテは理念は時間tempusと空間に依存しないがゆえに,同時的なものと継時的なものが緊密に結びついているといっていました。これはスピノザの哲学に変換すれば,永遠性aeternitasと持続性が緊密に結びついているといっているように解せます。第二部定理八系は,個物res singularisが現実的に存在するようになるとその個物の観念ideaも現実的といわれる存在existentiaを有することになるといっています。これは,個物が持続するdurareようになるとその個物の観念も持続するようになるという意味です。一方,永遠aeterunusは時間や持続duratioという観点から説明することができないのですから,個物は現実的に存在しているかしていないのかということに関わらず,神Deusの属性attributumに包容される限りで永遠に存在します。したがってその個物の観念も神の思惟の属性Cogitationis attributumのうちでは永遠に存在しているといわなければなりません。
 第五部定理二一から,僕たちの精神mensは持続しているとみられる限りでは個物を持続するものとして表象します。このために経験の立場では永遠性と持続性が分離してしまいます。しかし第五部定理二九から分かるように,僕たちの精神は僕たちの身体corpusの本性essentiaを永遠の相species aeternitatisの下に考える限りでは,現実的に存在する個物についても永遠の相の下に認識します。したがってこの場合には個物の同時性と継時性が,いい換えれば永遠性と持続性が緊密に結びつくことになるのです。
 つまりゲーテが理念といっているところのものを,第三種の認識cognitio tertii generisによって認識された個物の観念と解する限り,ここでゲーテが示している事柄はスピノザがいっていることとそっくりそのまま同じであると解することができるのです。繰り返しますが,実際にゲーテがスピノザの哲学を意識してこのようにいっているのかは分からないです。ですがこの部分にスピノザの哲学を読み込むことが可能なのは疑い得ないと僕は考えます。この部分もスピノザには触れられていないのですが,見過ごしてはならないのではないでしょうか。
コメント
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