スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典名古屋グランプリ&名目的認識の限界

2014-12-23 19:31:42 | 地方競馬
 ダートの最長距離重賞のひとつ,第14回名古屋グランプリ。リバルドホープが出走取消で10頭。
 トウショウフリークとエーシンモアオバー。どちらが逃げるのかにまず注目していましたが,押して先手を奪ったのはエーシンモアオバー。ニホンピロアワーズが2番手でマークし,3番手にトウショウフリーク。これらの後ろがソリタリーキングで,離れてシビルウォーの追走。1周目の向正面で抑えきれなくなったかトウショウフリークが先頭に。エーシンモアオバーがうまく外に切り返して差のない2番手。ニホンピロアワーズがこれをマークの3番手という隊列に。2周目の正面で,離れていたソリタリーキングとシビルウォーの差も詰まりました。ハイペースであったと思われます。
 2周目の向正面でエーシンモアオバーが先頭を奪い返すと,ニホンピロアワーズも変わらずマークしていきトウショウフリークは後退。3コーナーを回るとニホンピロアワーズが先頭に立ったのですが,コーナーワークもありエーシンモアオバーが盛り返して直線は競り合い。直線の入口では再び先頭に立っていたエーシンモアオバーが振り切って優勝。クビ差の2着にニホンピロアワーズ。直線でよく脚を伸ばしたシビルウォーが半馬身差の3着まで詰め寄りました。
 優勝したエーシンモアオバーは前々走の白山大賞典以来の重賞4勝目。第12回以来,2年ぶりの名古屋グランプリ2勝目。逃げたものの先頭を奪われ,奪い返した後にまた2着馬に前に出られたものの盛り返すというのは,とても困難なこと。わりとあっさり下がってしまうケースもあった馬だけに,今日のレースは驚異的でした。鞍上の手腕が光ったともいえるでしょうし,重賞勝利が金沢と名古屋に集中していることから,コース相性のよさもあるのかもしれません。父はマンハッタンカフェ
 騎乗した愛知の岡部誠騎手と管理している沖芳夫調教師は第12回以来,2年ぶりの名古屋グランプリ2勝目。

 スピノザ形而上学の枠内では,ある属性と別の属性の区別は実在的区別です。このために,ある属性を認識することによって,ほかの属性を認識することは不可能であるということが帰結します。実在的に区別されるものは共通点を有しません。第一部公理五は,共通点を有さないものの間では,一方を認識することによって他方を認識することはできないという意味を含んでいるからです。
 すると,属性Xを認識することによって属性Yを認識することはできないし,属性Yを認識することによって属性Xを認識することもできないことになります。つまり属性Xも属性Yも,他方の認識とは無関係に,個別に知性によって認識されると理解しなければなりません。第一部定理一〇のうちに,確かにこのことが含意されているといえます。
 一方,属性と実体の区別は理性的区別ですから,何らかの属性が認識されるということは,何らかの実体が認識されているということと同じです。そこで,属性Xによって認識される実体を実体x,属性Yによって認識されている実体を実体yと仮定します。このとき,実体xと実体yが同一の実体であるか異なった実体であるかは,知性によるこの認識だけでは不明であるというのが,第一部定理一〇備考のいわんとしていることだと僕は考えます。この文章はそれ自体では,属性が実在的に区別されるからといって,それが異なる実体の本性を構成するとは結論し得ないといっています。しかしそれは,同一の実体の本性を構成すると結論し得るという意味ではありません。そのこともまた結論し得ないのです。要するに属性が本性を構成する実体が何であるのかということは,属性を認識するだけでは分からないのです。また,実体と属性の理性的区別に配慮するならば,実体の本性がどの属性によって構成されるのかは,単純に実体を認識したというだけでは分からないのです。なぜなら,ある実体と別の実体が実在的に区別されるということだけでは,それらの実体が本当に異なる実体であるのか,それとも本当は同一の実体であるのかは,知性には判然としないからです。
 これを,名目的認識の限界ということにします。
コメント
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