スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

霧島酒造杯女流王将戦&発端

2014-12-06 19:23:26 | 将棋
 11月29日に放映された第36期女流王将戦三番勝負第三局。対局日は10月22日。
 振駒はと金が4枚で清水市代女流六段の先手。後手の香川愛生女流王将の角道オープン三間飛車。先手から角交換し,互いに角を打ち合い,後手が角銀交換の駒損で捌きにいく展開に。
                         
 3五に歩を打って3六の飛車を引かせた局面。ここから△5五銀▲4五角△4四銀▲5六角△5五銀▲4五角。これは千日手の手順。先手としてはつまらないでしょうから,後手が駒損したのはむしろいい判断だったといえるのかもしれません。千日手で良しという先手の意向を確認した後手は△3六銀と打開にいきました。最初から打開するつもりであっても,事前に相手の意向を確認しておくのは,僕は大事なことだと思います。
 ▲3四角と逃げると△3三歩と打たれますから▲同角△同歩▲同飛まではほぼ必然。駒損を回復した後手は△3三歩と受けました。▲5八金上と固めたのに対して△2四飛。
                         
 飛車をぶつけても先手は受けることができるので,はっきりとした狙いには乏しい手かもしれません。ただ,先手も指し方が難しいので,うまい手渡しではありました。▲3五角△3四飛▲4五銀と,駒を投入して飛車を取りに来たところで待ってましたと△3五飛。▲同飛に△2八角と打ちました。▲4一飛と打っても△4六角成と取られて困るので,お荷物になりそうな銀を▲5六銀と活用しましたが△同銀▲同歩に△1九角成と香車を入手するのが大きな手。▲4一飛に△3一香と打つことができました。
                         
 後手が駒得になった上に飛車も捕獲しましたので,ここで大きな差がつきました。後手が決めにいったので一手違いの投了図にはなったものの,後手の快勝譜といえるでしょう。
 2勝1敗で香川女流王将の防衛。第35期からの連覇で,タイトル通算もこれが2期目です。

 これで,僕が今回の考察で,第一部定義三のどの部分をその中心に据え,どの部分を排除するのかということの理由の前提部分は説明し終えました。次に,今回の考察の発端について説明していきます。順序からいえば,前提を説明し終えたのだから,理由を説明するべきであると思われるかもしれませんが,それはこの発端が理解できれば自ずと明らかになるようになっています。ただ,前もっていっておけば,実際にそれが明らかとなるのは,まだ先のことになる筈です。
 最近の考察は,以前に考察したことの復習という要素が大でした。もちろん内容まで以前と同一ということはなく,異なった見解を結論したり,以前に出した結論をさらに進めて,それ以前の結論を含んだ上でまた新しい結論を出したりしたわけで,それまでにはしていなかった考察が含まれていました。今回も,それと同様のケースなのです。
 ただし,第一部定義三をテーマとして設定したことは,ありません。ですから僕がこのようにいうことを,訝しく思われるかもしれません。そこでまず,今回の考察が,どのテーマの復習に該当するのかということだけ,明らかにしておきましょう。それは,第一部定理五なのです。なぜ第一部定理五を復習するのに,それとは別の第一部定義三をテーマとして設定しなければならないのかということは,詳しくは考察の中で明らかにされます。ここで大まかなことだけいっておけば,第一部定理五をスピノザの哲学の中で正当であると結論しても,この定理に対する疑問というのは,実はもっと大きな範囲に及ぶ可能性があることに僕は気付いたのです。それは主に,『宮廷人と異端者』を読んだことに由来しますが,これも考察の中で具体的に明らかにされていくでしょう。ただ,単純に考えてみたとしても,次のことだけは分かる筈です。たとえば第一部定理五でスピノザがいっていること,すなわち同一の属性を有する複数の実体は存在しないということが否定されるに至ったとしても,スピノザの哲学は実在的には破壊されません。だとしたら,そもそもなぜそのような定理に着目し,それを躍起になって否定する必要があるのでしょうか。
コメント
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