スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

アラホウトク&実体と属性

2014-05-13 19:09:07 | 名馬
 6日の兵庫チャンピオンシップを勝ったエキマエの曾祖母のアラホウトク。僕の競馬キャリアの初期に走っていた馬で,とても懐かしく感じました。
 デビューは遅く,3歳の1月になってから。2戦目を勝ち上がると3戦目の条件特別も連勝。桜花賞トライアルの4歳牝馬特別で2着になりました。このレースを勝ったのはスカーレットリボンスカーレットインクの一族の初めての重賞制覇。1988年3月のことです。
 権利を得たので桜花賞に出走。同じ厩舎の馬を2着に斥けて優勝。デビュー3ヶ月で大レース制覇を成し遂げました。続いてオークストライアルの4歳牝馬特別に。ここも桜花賞と同じワンツーで勝利。オークスは1番人気に支持されましたが7着。おそらく距離が長かったためであろうと思います。このレースは民放の競馬中継でアナウンサーが勝ち馬を間違えて実況したということでも有名なレース。
 秋は牡馬相手の神戸新聞杯から復帰して5着。エリザベス女王杯のトライアルだったローズステークスは桜花賞,オークストライアルで降していたステーブルメイトの6着。大目標だったエリザベス女王杯も4着で,1年足らずの競走生活を終えました。このエリザベス女王杯を制したのがミスチャネルを祖にもつミヤマポピーです。
 繁殖入りした後,一族はかなり分肢を広げたのですが,重賞には手が届きませんでした。25年以上が経過して,子孫から重賞の勝ち馬が出る。こういうシーンを目撃できるのは,競馬ファンの醍醐味のひとつといえるのではないでしょうか。

 第一部定理一〇は,属性がそれ自身によって概念されなければならないことを示しています。つまり属性は実体によって概念されるというわけではありません。
 第一部公理四は,もしふたつの事物の間に因果性があるならば,結果である事物は原因である事物によって概念されなければならないということを示しています。
 これらのことから,実体は属性の原因ではないということ,逆にいえば属性は実体の結果ではないということが分かります。ここでスピノザがいっている原因が,起成原因であるということは当然です。したがって,起成原因ないしは作出原因causa efficiensの意味を,単にこのことだけから理解する場合には,実体は属性のcausa efficiensではないということになります。つまり実体と属性との間には何らの因果関係はありません。なので松田が規定した因果性Aというのは,実際には存在しない因果性であるということになってしまうでしょう。
                         
 松田が起成原因といわずに作出原因といったことに何らかの意図があったとしたら,それはこの部分と大きな関連性を有するのだろうと僕は思っています。しかしその前に,では『エチカ』の公理系では,実体と属性との関係をどのように把握すればよいのかということを確認しておきましょう。
 第一部定義四は,属性が実体の本性を構成するといっています。そして第二部定義二は,ある事物とその事物の本性の不可分離性を示しています。この不可分離性を,僕は同一性と解します。つまり実体とその属性は同一のものです。僕が物体的実体を延長の属性と翻訳したのはこのためです。同様に,思惟的実体と思惟の属性は同一のものです。さらに実体を実在的に解するなら,物体的実体も思惟的実体も神です。つまり延長の属性と神とを,僕は同一のものと解します。もちろん思惟の属性も同様です。それらは表現上の必要性から区別されているだけです。いい換えれば理性的にのみ区別されているというのが僕の理解です。
コメント
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