スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

トリーティ&ZとAの同一性

2014-05-17 19:16:19 | 血統
 アラホウトクの母系の基礎輸入牝馬は,彼女の曾祖母になるトリーティ。1959年にオーストラリアで産まれた馬で,敗戦後の一時期は,オーストラリアから多くの馬が輸入されていました。Treatyは条約。ファミリーナンバー4-lで,日本で走っているこのファミリナンバーの馬の多くはトリーティの流れを汲んでいるのではないかと思います。
                         
 実はこの一族からの重賞の勝ち馬が,アラホウトク以後は先日の兵庫チャンピオンシップエキマエまで途絶えていました。ですから分枝は広がっていても,どちらかといえば廃れつつある一族なのかもしれません。ただ,僕の競馬キャリア以前には,大レースの勝ち馬も出ていました。
 トリーティは1966年にフラワースウィースという馬を産んでいまして,分枝はこの馬から広がっています。その直仔で1976年に誕生したのがビンゴガルー。1978年に朝日杯3歳ステークスを勝って最優秀2歳牡馬に。翌年には皐月賞も勝ちました。アラホウトクの母のビンゴモレロがビンゴガルーのひとつ上の全姉ですので,アラホウトクは皐月賞馬の姪であったわけです。
 アラホウトクの半兄にビンゴチムールという馬がいました。この馬は1986年の目黒記念をレコードタイムで勝っています。僕の競馬キャリアの直前で,このレースはビデオで視ただけですが,この馬の現役の末期は僕の競馬キャリアの範囲内。サクラユタカオーが天皇賞を勝ったのはこの年の秋ですが,このレースにはビンゴチムールも出走していました。
 一族の重賞の勝ち馬は以上の4頭。その他ではアラホウトクとビンゴチムールの従兄に皐月賞4着,ダービー3着,菊花賞2着とミスターシービーが制した三冠レースすべてで好走したビンゴカンタという馬がいて,この馬の現役末期も僕の競馬キャリアにぎりぎりで収まっています。

 因果性Zと因果性A同一性があるということは,単純に文言上だけで理解するなら,松田も認めるところだといえます。「二重因果性の問題」は,数的に区別できる二種類の因果性の存在を認めているのですが,因果性Zと因果性Aに関しては,数的に区別することは不可能であるという結論になっているからです。
 僕は因果性Zと因果性Aというのは,そのように規定することができるということを前提として,同一の因果性を他面から表現しているという考え方です。松田はこれとは違った観点から,ZとAの数的区別不可能性を結論付けているので,僕の考え方にも同意するのかどうかは不明です。実体が自己を産出するということと,実体が属性を産出するということは相即不離であると松田はいっているのですが,この相即不離ということが,完全に同一であるということを意味しているかどうかが,明確には分からないからです。ただ仮にそこには差異があるのだとしても,ここで考えなければならないのは因果性の数的区別なので,このことは無視することにします。
 松田は数的に区別可能な因果性に関しては,永遠の相の因果性と持続の相の因果性とに分類します。逆にいえば因果性がそのように区別される場合にだけ,それらの因果性は数的に区別されると主張していることになります。しかしZとAは両方とも永遠の相の因果性に属します。なのでZとAは数的には区別が不可能であるというのが松田の主張の概要です。
 この部分で松田は,ZとAというのを,三角形と三辺形の類比で説明しています。実はここが僕にはよく分からない部分です。三辺形ということで,松田が何を意味させようとしているのかが不明確だからです。僕の理解ではこれらふたつは同一のものを異なった記号で表現しているにすぎません。そうであるなら,松田は三角形と三辺形が数的に同一であるのと同じ意味で因果性Zと因果性Aは数的に同一であるといっているので,ZとAは記号上の相違があるだけだといっていることになります。これは僕の考え方と一致しています。ただその後で松田はZとAを図で示しているのですが,それを見るとこれとは違ったことをいっているようにも思えるのです。
コメント
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