スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

蒲生氏郷杯王座競輪&作出原因

2014-05-12 19:20:53 | 競輪
 昨日の松阪記念の決勝。並びは金子に望月-土屋の静岡,阿竹-友定の四国中国に大薗,園田-黒木の西日本で鈴木は単騎。
 様子を窺い合っていましたが園田がスタートを取って前受け。3番手に金子で土屋の後ろに鈴木,7番手から阿竹で周回。阿竹は残り3周のバックから上昇を開始。ホームでは金子の少し前に出て牽制。前の園田があまり誘導との車間を開けなかったので,この隊列のまま打鐘。金子がインから掬う構えを見せたところで阿竹が発進。ホームで園田を叩いて先行。鈴木は大薗の後ろにスイッチしたものの,ホームではついて行かれず黒木の後ろに。7番手となった金子がそこから発進。バックでスピードに乗るとあっという間に阿竹を捕え,後ろも引き離して優勝。離れてはいたものの何とか食い下がった望月が1車身半差で2着。阿竹の番手から直線で発進した友定が4分の3車身差で3着。
 優勝した愛知の金子貴志選手は昨年末の競輪グランプリ以来の優勝。記念競輪は10月の青森記念以来で通算6勝目。松阪記念は初優勝。このメンバーでは力量からは負けられないところ。脚力だけで勝てるとは限らないのが競輪ですが,終ってみれば貫録を見せつけた形。現在,レースを走ることができるメンバーの中では明らかに上位の力がありますから,年内は常に優勝候補としての参戦になるでしょう。

 第一部定義一の意味に由来する因果性は,神が自己原因であるということです。「二重因果性の問題」では,この因果性はZの因果性と表記されています。以下はそれに倣うことにします。次に松田は実体が属性を産出するという因果性を取り上げ,これを因果性Aと表記します。こちらも以下はこれに倣います。ただしここには多くの注釈が必要とされます。実体が属性を産出するというのは,額面通りに受け止めるなら,誤ったことをいっているといい得るからです。ただ,僕がいいたいのは,松田が誤ったことを主張しているということではありません。おそらく松田はすべてを承知した上で,誤解を招きかねないような記述をしていると僕は考えています。それは論文の全体を把握した上での僕の見解です。
                         
 まず,松田は起成原因とはいわずに作出原因といういい方をしています。松田がそのようないい方をしたのには,ある意図があったからかもしれません。僕は松田がいう作出原因を起成原因と解してこの考察を進めています。そのことで重大な問題が発生することはないと考えているからです。なぜなら,スピノザの哲学における原因というのは,一義的に起成原因であるからです。したがって,もしも起成原因以外の何らかの原因について論ずるなら,それはスピノザの哲学とは,直接的には何の関連も有し得ないような議論になるのです。ですからここでは単に,『エチカ』でcausa efficiensと記されている語句について,僕は起成原因と訳し,松田は作出原因と訳しているというだけの差があるだけだと解します。
 次に,松田は形而上学的に考察するという意図をもっています。ですから議論の中心も,神が自己原因であるということより,実体が自己原因であるという点が中心に据えられています。因果性Zは正しくはそのように規定されているのです。因果性Aが,実体による属性の産出に関わり,神による属性の産出といわれていないのも,おそらく同様の理由によると思われます。ただ,第一部定理一四は,実在する実体が神だけであることを示しています。ですから僕はこちらの点については,神を中心に据えて考察を進めていきます。
コメント
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