スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

蓮実重彦の夏目漱石論&クレアチンキナーゼ

2013-09-22 18:52:17 | 歌・小説
 三四郎の想起について僕に示唆を与えてくれたのは蓮実重彦の『夏目漱石論』でした。書評は題名だけにするのが通例ですが,この題名の本はいくつかあると思われますので,著者名まで併記します。
                         
 序章で蓮実は自著について,作品論ではなく作家論であるという意味のことを書いています。ただ,これは蓮実による分類で,僕の作家論と作品論の分類では,これは典型的な作品論のひとつです。実際,この序章の冒頭で,漱石といわれる人影との遭遇を回避することが,この本の仕事のひとつと書かれていて,これは僕のいう作品論的態度にほかなりません。
 最大の特徴は,これも蓮実自身のことばを借りていえば,作品の境界を超越して,大がかりなことばの戯れが可能になる場を準備しているという点。この本は序章と終章を除くと十章から成立していますが,作品ごとに章が分けられているのではなく,各々の章にテーマが設定され,それに沿って作品が縦断的に語られています。各々の章は独立していますが,無関係ではなく,徐々に進展していくという形式です。
 内容をいえばこれは相当にヘビーです。漱石の小説を1度だけ読んだという程度では,理解することは不可能だと思えます。もしこの本の内容を十全に把握できたとしたら,それは相当に深く漱石を読み込んでいるということの証拠でしょう。僕はおそらく一般的なレベルと比較するなら,漱石の作品に触れた時間というのはかなり長い筈だと思いますが,読み直さなければ理解できないという箇所が頻出しました。
 蓮実の視点も独特で,漱石ファンでなおかつ僕のように作品論を好むという人にはこれ以上はないというくらい面白いものだと思います。ぜひ推薦したい一冊です。

 クレアチンキナーゼの検査結果が初めて検査項目に入っていたのは昨年の10月22日。健診の依頼をしたためでした。そのときの数値は144でした。これ以降,今年の2月の検査の項目にも入っていまして,そのときは181と,上昇はしていましたが,正常の範囲内。今回の検査ではさらに上昇して,上限を少しオーバーしてしまったものでした。ただ,これ以降,すでに2回の通院を僕は済ませていまして,その2回とも検査項目に含まれていたのですが,また正常の範囲内へと戻っています。つまりこれまでのところ,検査をして値が異常であったのはこのときだけ。どういった理由でそうなったのかは不明ですが,こうした状況からして,何か心配しなければならないようなことが僕の身体の中に生じていたというわけではないのだろうと思っています。実際,これについては何の話もありませんでした。
 最後に,U先生からふたつほど話がありました。新しい血糖値測定器具一式のうち,測定器は性能がアップしています。結果の記録が内部に保存できるようになっているのです。ですのでこの測定器を渡すと,前回の通院との間で僕の血糖値が概ねどのように推移していたかを出すことができます。そのことは僕も承知していましたので,この日の診察には測定器も持っていき,U先生に渡しました。ただ,内部の記録は診察の前に出しておいた方が便利です。なので次回からは,内分泌科の受付に来たときに,先に受付の担当者に手渡すように指示がありました。本当はこの日もそうすればよかったのですが,僕はこの話は聞いていないことでしたので,この日に実行することは不可能でした。
 もうひとつ,次回の診察の前に,管理栄養士による栄養指導を受けるようにという指示もありました。栄養指導は予約制ですが,予約は僕がする必要はなく,U先生の方で手配してくれました。栄養指導は入院中,2009年の1月15日に受けています。そのときは僕の食事の支度をする場合があるということで,母も同席することを求められましたが,今回は僕だけでよいとのこと。通院のついでに行えるのですから,何も面倒に感じるようなことがない指示でした。
コメント
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