29日に指された王将戦プレーオフ。
振駒で佐藤棋聖の先手となり▲7六歩△3四歩▲1六歩という立ち上がり。以下△1四歩から相掛りになりました。
21手目の▲3八銀を見て丸山九段が横歩を取ると,佐藤棋聖はタテ歩棒銀から速攻に。後手が一歩得を果たすために手損を重ねているうちに43手目▲1五歩で開戦。この日,2時半過ぎに数分だけネットを開けたのですが,以下,△同歩▲1三歩と垂らしたのがその局面でした。形勢はよく分かりませんでしたが,主導権を握りたいタイプの佐藤棋聖としては不満はなさそうだと推測しました。
この将棋は,この後の中盤の攻め合いですべてが決してしまったのですが,まず53手目の▲3四銀が△1六角と打たれても構わないという凄い手。丸山九段は角を打たずに△8六歩▲同銀△7六歩と攻め合いましたがここで今度は桂馬を逃げずに▲1二角。遠山四段も解説で好手とおっしゃっていますが,長考の末に放たれた手で,佐藤棋聖はここでほとんど読切りだったと思われます。一方,丸山九段にはこのあたりで何か誤算があったものと推測します。
次に僕がネットを開いたのは6時前の数分で,66手目△2七角の局面。先手の方がよさそうだとは思いましたが,それほど大きな差がついているとは気付きませんでした。ただ,70手目が△7六香だったところをみると,すでに丸山九段は諦めていたものと思います。香を使って攻めたのでこれを取られて77手目の▲8四香が痛打。以下△8五桂▲4三龍で投了となりました。はっきり寄っているというほどではないかもしれませんが,王手で飛車を取られては大差ですから止むを得ないでしょう。
佐藤棋聖は竜王挑戦失敗はショックだったと思いますし,24日に順位戦も負けたのですが,NHK杯の収録を挟んで棋王戦,王将戦と連勝。この立ち直りの早さ,精神力の強さは感服ものです。王将戦は2日制。羽生王将との第一局は11日と12日です。
結論からいうと,『エチカ』に訴えて考える限り,やはり共通の属性を有する複数の実体が存在するという余地はないのです。これにはみっつの証明方法があります。そして僕がその本線であると思うのが,属性の区別による証明です。
第一部定理一〇からして,複数の属性は共通点をもたないわけですから,区別されるなら実在的に区別されなければならないわけですが,実体Aの本性が属性Xと属性Yによって構成され,実体Bの本性が属性Yと属性Zによって構成される場合に,実体Aの本性を構成する属性Yと実体Bの本性を構成する属性Yが実在的に区別されるわけがありません。したがってそうしたことは生じ得ないということになるのです。そしてこれは,第二部定理七からして,属性Yを認識論的に(知性が把握する属性Yの観念という観点から)考えても,実在的に(属性Yを形相的な側面から)考えたとしても同様なのです。
ところで,このことから次のことが浮かび上がってきます。もしもある知性が,実体Aの本性が属性Xと属性Yによって構成され,実体Bの本性が属性Yと属性Zによって構成されるということが可能であると混乱した認識をするなら,それは実在的に区別されるべき属性を,様態的に認識しているからなのです。残りふたつの証明は,それが確かに様態的区別であって,混乱した(誤った)認識であるということを示す方法になります。
振駒で佐藤棋聖の先手となり▲7六歩△3四歩▲1六歩という立ち上がり。以下△1四歩から相掛りになりました。
21手目の▲3八銀を見て丸山九段が横歩を取ると,佐藤棋聖はタテ歩棒銀から速攻に。後手が一歩得を果たすために手損を重ねているうちに43手目▲1五歩で開戦。この日,2時半過ぎに数分だけネットを開けたのですが,以下,△同歩▲1三歩と垂らしたのがその局面でした。形勢はよく分かりませんでしたが,主導権を握りたいタイプの佐藤棋聖としては不満はなさそうだと推測しました。
この将棋は,この後の中盤の攻め合いですべてが決してしまったのですが,まず53手目の▲3四銀が△1六角と打たれても構わないという凄い手。丸山九段は角を打たずに△8六歩▲同銀△7六歩と攻め合いましたがここで今度は桂馬を逃げずに▲1二角。遠山四段も解説で好手とおっしゃっていますが,長考の末に放たれた手で,佐藤棋聖はここでほとんど読切りだったと思われます。一方,丸山九段にはこのあたりで何か誤算があったものと推測します。
次に僕がネットを開いたのは6時前の数分で,66手目△2七角の局面。先手の方がよさそうだとは思いましたが,それほど大きな差がついているとは気付きませんでした。ただ,70手目が△7六香だったところをみると,すでに丸山九段は諦めていたものと思います。香を使って攻めたのでこれを取られて77手目の▲8四香が痛打。以下△8五桂▲4三龍で投了となりました。はっきり寄っているというほどではないかもしれませんが,王手で飛車を取られては大差ですから止むを得ないでしょう。
佐藤棋聖は竜王挑戦失敗はショックだったと思いますし,24日に順位戦も負けたのですが,NHK杯の収録を挟んで棋王戦,王将戦と連勝。この立ち直りの早さ,精神力の強さは感服ものです。王将戦は2日制。羽生王将との第一局は11日と12日です。
結論からいうと,『エチカ』に訴えて考える限り,やはり共通の属性を有する複数の実体が存在するという余地はないのです。これにはみっつの証明方法があります。そして僕がその本線であると思うのが,属性の区別による証明です。
第一部定理一〇からして,複数の属性は共通点をもたないわけですから,区別されるなら実在的に区別されなければならないわけですが,実体Aの本性が属性Xと属性Yによって構成され,実体Bの本性が属性Yと属性Zによって構成される場合に,実体Aの本性を構成する属性Yと実体Bの本性を構成する属性Yが実在的に区別されるわけがありません。したがってそうしたことは生じ得ないということになるのです。そしてこれは,第二部定理七からして,属性Yを認識論的に(知性が把握する属性Yの観念という観点から)考えても,実在的に(属性Yを形相的な側面から)考えたとしても同様なのです。
ところで,このことから次のことが浮かび上がってきます。もしもある知性が,実体Aの本性が属性Xと属性Yによって構成され,実体Bの本性が属性Yと属性Zによって構成されるということが可能であると混乱した認識をするなら,それは実在的に区別されるべき属性を,様態的に認識しているからなのです。残りふたつの証明は,それが確かに様態的区別であって,混乱した(誤った)認識であるということを示す方法になります。