増資は嫌われるが社債は？

　最近、公募増資を発表した企業の株価は暴落する、ことが多いですね。

　銀行も電力もそうでしたが、直近では：

　東武鉄道が増資を発表した時点での調達額は、９３２億円を見通して？いた由ですが、

　発表と同時に株価が売られ、結局約７２０億円と２割以上減ってしまったのですね。

　企業の資金調達は、「何に使うのか」「いくら必要か」「資金コストは何が安いか」「自己資金がいいか、他人資本でもいいか」等々さまざまなニーズのもとに行なわれるのですが、

　「発行環境」によって、予定が狂うことが少なくありません。

　ここ３年くらい前から、個人向けに社債が多く発行されています。

　従来、社債は金融機関はじめ、機関投資家向けに発行されるものでしたが、

　より広い層から集めよう、とか、個人投資家に密着しよう、とかの考えで個人向けにも出始めたのです。

　社債には担保がついていた時代が長かったのですが、

　最近は担保はつかなくなりましたので、

　かわって「格付け」が重要視されています。

　現在募集中の個人向け社債には、

　北陸電力、三菱東京ＵＦＪ銀行、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、全日本空輸などがありますが、

　それらを例に解説していくことにします。