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米財務省不良資産買い取り具体化好感、NYダウ497ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2009-03-24 12:35:41 | 経済学
ガイトナー米財務長官が、銀行の不良資産を買い取る官民共同機関を設立し、1000億ドルの公的資金を投入すると発表した。民間からも十分採算に乗るとして、積極的参加する声も伝わる。今回の買い上げ対象には、不良資産となった巨額の住宅ローンや住宅ローン担保証券が含まれる。

今回の計画は、体力が消耗した金融機関から不良債権を買い取り、貸し渋り圧力を減らす狙いが一番大きい。オバマ大統領もサマーズ委員長も「問題解決には時間がかかる」としながらも、今回の買い上げ計画に強い期待を表明した。

これを受けて、3月23日のNY株式市場は、取引終了にかけて、ほぼ一本調子の上げとなり、NYダウは、採用30銘柄が全て上げ、先週末比497ドル、も6.8%高い、7.775ドルで取引を終了した。ハイテク株指数ナスダック、S&P500種平均株価も7%前後値上りした。

今朝のNHK・BS「おはよう世界」は、CNNテレビが「1兆ドル基金」と大きく取り上げ、NYタイムズも、「民間が買い上げたあと発生した損失は政府によってカバーされる。妙味ありとするヘッジファンドもある。今回の計画に期待感が一部に出てきている」と紹介していた。

この日のNY株急騰には、2月の米中古住宅販売高が、予測の445万戸を上回り、5.1%増、472万戸との米不動産協会発表も材料にされた。ただ、住宅価格は前年比15.5%値下がりしたことも同時に発表されたが株式市場は無視した。

NY外国為替市場では、ドルと円が対ユーロで売られ、一時、1ユーロ=1.3739ドル、1ユーロ=132円で取引された。何を根拠にユーロが買われるのか分からない。しかし、1ユーロ=1.40ドル台までユーロが値上がりするという見方まで出てきたから様変わりである。

NY原油(WTI)先物相場は、不良債権買い上げ実施、NY株高で米国の景気回復に寄与する。原油消費も増加するとの思惑から堅調に推移し、一時バレル54ドルまで値上がりした。安値32ドルからここ1~2ケ月で70%以上値上がりしたとCNNテレビが声高に叫んでいた。

原油がここへ来て堅調に推移している裏には、米国政府が不良債権買い取り用にドル札の印刷を拡大せざるをえない。これはドル安の要因になる。ドル安が進むとドル建てで取引される原油相場は底堅いと一部トレーダーの見方を紹介していた。

ところが、同じドル建てで、ドル安の反面教師とみられていたNY金先物市場は、株高の余りの勢いにのまれたのか、金の輝きが薄れ、18ドル安いトロイオンス938ドルで取引を終了した。ひとは何かと理屈をつけては相場を説明している。相場の世界では、ほとんどが後講釈である。

その点、水鳥はわかりやすい。餌にありつけるとなると集まる。餌が貰えないとなると逃げる。今回の不良債権買い取り計画も買い上げた不良債権が値下がりしても政府が損を負担してくれるということがはっきりさえしてくれば差し押さえ物件の投げ売りも時間の経過とともに減るであろう。投げ売りが収まれば値段も底入れする。

米財務省が先週、長期国債を3000億ドル買い入れすると発表後、米国債相場が急騰、利回りが3%から2.5%台まで急落した。これを受けて年5.29%だった30年物住宅ローン金利が先週末4.985%と5%を割った。4月には4.0%もありうるとの米不動産業者の声を先日NHK/BS「おはよう世界」で米ABCテレビ番組の中で紹介していた。

今回のアメリカ発の金融危機は住宅バブル破裂から来ている。住宅価格がいつ下げ止まるかを見ておけば景気底入れのタイミングをある程度予見できる。住宅に逃げた水鳥が戻り始めるとそこで初めて底が見えてくるだろう。

米財務省は、どんなささやかな灯りでもいいと、金融危機のトンネルの先に灯りを見つけたいと米国政府はリスクを承知で、大胆な、命がけの対策に踏み込んで来た。オバマ米大統領は、「金融危機回復は一夜にして起こらない。(今回の措置により)住宅市場にかすかな灯りをともすことになる」と記者会見で話していた。

子供のころ三度三度ご飯をいただけることに感謝しなさいとよく祖母から言われた。眼が不自由になって初めて、見えるということのありがたさを実感する。不景気だ、不景気だと騒ぐのは簡単だ。不平不満を唱え、感謝の気持ちをなくした人生ほど味気ないものはないであろう。(了)

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