5月30日、ユーロは、対ドルで、フランスが、EU(欧州連合)憲法
批准国民投票で否決されたことを嫌気して、NY週末の1.2574ドルから
昨年10月来の安値、1.2470ドルへ下げた。
ユーロは、対円でも、週末の1ユーロ=135.76円から134.64円へ
下げた。
ドルは、対円では、1ドル=107.93円と週末と変らず。
フランスが、EU憲法を予想を上回る55%の大差で否決したことで、
EUに対する政治的経済的影響力の低下は避けがたいとの見方から、
EUへの資金的流れに水をさすことも十分考えられる。
ユーロへあたらしい水(資金)が流れなければ、ユーロ売りの
材料にされるだろう。
ただ、今回のフランスのEU憲法否決を受けて、ドルに対する
見直し買いがどっと入るかどうかは不透明である。それは
批准「否決」を折り込んで、ここ数週間、ドルは対ユーロで
既に8%上げていたからだ。
一方、米国経済は、長期金利4%に見られるように
景気先行きに対して、マーケットは必ずしも楽観していない
ことがわかる。
米国は、短期の目標金利を昨年6月の1%から3%まで引き上げた。
にもかかわらず長期金利は逆に昨年6月に比べて低下した。
本来短期金利が上がればほぼそお上げ幅に連動して長期金利は
上がる。
短期金利で2%上げを素直に取り込めば、長期金利は、4%ではなく
5%なり6%であってもおかしくない。
FRBグリーンスパン議長でさえ謎と指摘する不思議な現象だ。
ところで、米住宅ローン金利は、長期金利にほぼ連動している。
その住宅ローン金利は昨年お6月の6.29%から今年4月には
5.86%へ低下した。
米国の住宅販売高は02年から一貫して増加している。
今年4月は、4.5%増、年720万件と米商務省は発表した。
新規住宅販売件数も132万件と増加を続けている。
住宅価格(中古)もここ10年右肩上がりで上昇を続けている。
平均的値段で、10年前は一軒14万ドルだったたが24万ドルまで
値上りした。住宅バブルと呼ばれる所以がここにある。
NYではホテルがマンションに模様替えされ飛ぶように売れて
いると先日テレビニユースでも報じられた。
一方、米国は5,000億ドルの貿易赤字である。赤字の多くは対中国で
あるとして中国元利上げを米国議会は中国に迫っている。
しかし、中国には元切り上げの意思は全くなさそうだ。
せいぜい対ドル固定レートの変動幅を3%か5%拡大するにとどまるとの
見方が多い。その程度の動きであれば実態経済への影響は軽微と見られている。
米議会では元切り上げがなければ30%近い課徴金をかけると
いきまいている。
ところがグリーンスパン議長は、人民元を切り上げても米国は
中国以外から輸入がふえ貿易赤字は改善しないと冷静だ。
米スノー財務長官の米議会証言も歯切れが悪い。
さらに米国は5000億ドルの財政赤字を抱えている。
ところが中国、日本は米国債をせっせせっせと買いつづけて
穴埋めしてくれるから米国は痛くも痒くもない。
それやこれやでいつ崩れてもおかしくないドル相場が
奇妙な堅調を維持している背景であろう。
米国景気も景気失調のシグナルになってもおかしくない
米長期金利低下と米景気を裏で支える米住宅ブームという
奇妙なねじれ現象が米国には並存している。
ユーロは、1999年1月1日に誕生したから現在6歳半である。
その間ユーロ保有は増えつづけて、IMF統計によれば、
世界の中央銀行の外貨ポジションの19.8%を占めている。
ドルからユーロへの外貨預金のユーロシフトが加速していると
見てきたような話しを吹聴してドル売り材料にされたのは
つい1年前の話である。
そこへあらたにフランスのEU憲法批准「ノン」の国民投票が出てきた。
ドル、ユーロ、円さらには人民元もいれて、当面、為替市場の動きには
注目が集まりそうだ。(了)
批准国民投票で否決されたことを嫌気して、NY週末の1.2574ドルから
昨年10月来の安値、1.2470ドルへ下げた。
ユーロは、対円でも、週末の1ユーロ=135.76円から134.64円へ
下げた。
ドルは、対円では、1ドル=107.93円と週末と変らず。
フランスが、EU憲法を予想を上回る55%の大差で否決したことで、
EUに対する政治的経済的影響力の低下は避けがたいとの見方から、
EUへの資金的流れに水をさすことも十分考えられる。
ユーロへあたらしい水(資金)が流れなければ、ユーロ売りの
材料にされるだろう。
ただ、今回のフランスのEU憲法否決を受けて、ドルに対する
見直し買いがどっと入るかどうかは不透明である。それは
批准「否決」を折り込んで、ここ数週間、ドルは対ユーロで
既に8%上げていたからだ。
一方、米国経済は、長期金利4%に見られるように
景気先行きに対して、マーケットは必ずしも楽観していない
ことがわかる。
米国は、短期の目標金利を昨年6月の1%から3%まで引き上げた。
にもかかわらず長期金利は逆に昨年6月に比べて低下した。
本来短期金利が上がればほぼそお上げ幅に連動して長期金利は
上がる。
短期金利で2%上げを素直に取り込めば、長期金利は、4%ではなく
5%なり6%であってもおかしくない。
FRBグリーンスパン議長でさえ謎と指摘する不思議な現象だ。
ところで、米住宅ローン金利は、長期金利にほぼ連動している。
その住宅ローン金利は昨年お6月の6.29%から今年4月には
5.86%へ低下した。
米国の住宅販売高は02年から一貫して増加している。
今年4月は、4.5%増、年720万件と米商務省は発表した。
新規住宅販売件数も132万件と増加を続けている。
住宅価格(中古)もここ10年右肩上がりで上昇を続けている。
平均的値段で、10年前は一軒14万ドルだったたが24万ドルまで
値上りした。住宅バブルと呼ばれる所以がここにある。
NYではホテルがマンションに模様替えされ飛ぶように売れて
いると先日テレビニユースでも報じられた。
一方、米国は5,000億ドルの貿易赤字である。赤字の多くは対中国で
あるとして中国元利上げを米国議会は中国に迫っている。
しかし、中国には元切り上げの意思は全くなさそうだ。
せいぜい対ドル固定レートの変動幅を3%か5%拡大するにとどまるとの
見方が多い。その程度の動きであれば実態経済への影響は軽微と見られている。
米議会では元切り上げがなければ30%近い課徴金をかけると
いきまいている。
ところがグリーンスパン議長は、人民元を切り上げても米国は
中国以外から輸入がふえ貿易赤字は改善しないと冷静だ。
米スノー財務長官の米議会証言も歯切れが悪い。
さらに米国は5000億ドルの財政赤字を抱えている。
ところが中国、日本は米国債をせっせせっせと買いつづけて
穴埋めしてくれるから米国は痛くも痒くもない。
それやこれやでいつ崩れてもおかしくないドル相場が
奇妙な堅調を維持している背景であろう。
米国景気も景気失調のシグナルになってもおかしくない
米長期金利低下と米景気を裏で支える米住宅ブームという
奇妙なねじれ現象が米国には並存している。
ユーロは、1999年1月1日に誕生したから現在6歳半である。
その間ユーロ保有は増えつづけて、IMF統計によれば、
世界の中央銀行の外貨ポジションの19.8%を占めている。
ドルからユーロへの外貨預金のユーロシフトが加速していると
見てきたような話しを吹聴してドル売り材料にされたのは
つい1年前の話である。
そこへあらたにフランスのEU憲法批准「ノン」の国民投票が出てきた。
ドル、ユーロ、円さらには人民元もいれて、当面、為替市場の動きには
注目が集まりそうだ。(了)