学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
方々の医者を渡り歩いた果てに
どうしても治して欲しいと倒れ込んでくる患者ほど
厄介なしろものはないということを一昔前網膜剥離で
入院した時主治医のI先生に聞いたことがある。
網膜が剥離すると視力を失う。医者が変わるたびに,
網膜をはがしたり、くっつけたりするから、良くなる
ためしがない。
はじめから見せてもらっておれば治ったかもしれない
病気はいくらでもあったとその時I先生から聞いた。
最初が肝心なのは病気に限らない。株式投資も
同じである。
自分の不勉強を棚に上げて、いろいろな証券会社
(病院)を渡り歩いては頭を打ち、挙句の果てに失明
する(紙くずにする)ケースが多い。
株式投資には銘柄選択が基本である。病気でも治る
病気と治らぬ病気がある。株式投資でも、はじめから
治らない(値上りしない)銘柄があるから銘柄選択には
慎重さが必要だ。
一度ケチがついた銘柄は、あれこれ提灯をつけても、
一時的には回復(値上がり)しても、締めて見れば
紙くずになるケースが多い。
病気にはそれぞれ素因がある。素因がなにかを
おさえておくことが全てのスタートである。株式投資でも
個々の銘柄の素性(素因)おさえておくことが基本となる。
病気には筋のいい病気と筋の悪い病気とがあるようだ。
筋の悪い病気にかかると結局は回復しない。銘柄でも
それと同じで、最初の見立てを間違うと命取りになるから
用心することだ。
筋のいい銘柄は説明を一度聞くだけで、実に分かり易い。
病気でも筋のいい病気は分かり易く、手が打ちやすく、
手が打ち易いから回復も早い。
筋の悪い病気は分かり難いのが特徴だ。株式相場でも
分かり難い銘柄は育たない。人気も出ない。特に株式投資は
人気投票の側面も持ち合わせているから、人気の出ない
銘柄に投資すると、手間隙かかる割に成果が上がらない。
筋のいい銘柄は、①分かり易い、②時代の流れに
乗っている、③元気があるという三要素を持っている
のが一つの特徴である。
日本では、1,400兆円以上が個人の金融資産と
言われている。ところが、ゼロ金利にもかかわらず、
個人資産の過半が銀行と郵便局の貯金である。
日本人の株嫌いは世界でも珍しいといわれている。
反面、日本人は本当に貯金が大好きだ。利子も
つかないのにどうして?と思うが、預金通帳を
日々眺めては安心している。
日本の株式相場が本格的に回復するためには、
どうしても個人資産を株式投資へ呼び込むことが
欠かせないと証券関係者は鐘と太鼓を鳴らして
勧誘している。
ところで2月8日付けの日経朝刊、『私の履歴書』で、
ピーター・ドラッカーが証券アナリスト時代の
裏話を紹介していた。
急騰を続けていたNY株式相場について、
ある論文の中で「さらに上昇する以外ありえない。」
と断じた。
その論文は権威ある経済機関誌の
1929年9月号に掲載された。その数週間後の
10月24日、「暗黒の木曜日」で大暴落。これを
期に世界は大恐慌に突入した。
『以後、相場の予想は一切やらないことに
した』と書いていた。当時の論文が現在、
人目に触れる心配がないのが何より救いである
と結んでいる。
ここで大切なことは、ピーター・ドラッカーは、
「以後、相場の予想は一切やらないことにした。」と
明快だ。
日本人は、2合目、3合目では山(株式投資)
に登らない。ところが大勢が7合目、8号目に
登っていると気付くと、とたんに180度変節する。
日本人は、筋のいい銘柄、悪い銘柄、出し殻銘柄、
見切り売り銘柄見境なしに、「仕舞い風呂」に
どっと飛び込んでくる性癖が強い。
お金は一番臆病な生き物だ。追いかけると逃げ足も速い。
やらないならやらない。やるならゆとり資金に限り投資する。
是非とも初一念はとおして欲しい。(了)
方々の医者を渡り歩いた果てに
どうしても治して欲しいと倒れ込んでくる患者ほど
厄介なしろものはないということを一昔前網膜剥離で
入院した時主治医のI先生に聞いたことがある。
網膜が剥離すると視力を失う。医者が変わるたびに,
網膜をはがしたり、くっつけたりするから、良くなる
ためしがない。
はじめから見せてもらっておれば治ったかもしれない
病気はいくらでもあったとその時I先生から聞いた。
最初が肝心なのは病気に限らない。株式投資も
同じである。
自分の不勉強を棚に上げて、いろいろな証券会社
(病院)を渡り歩いては頭を打ち、挙句の果てに失明
する(紙くずにする)ケースが多い。
株式投資には銘柄選択が基本である。病気でも治る
病気と治らぬ病気がある。株式投資でも、はじめから
治らない(値上りしない)銘柄があるから銘柄選択には
慎重さが必要だ。
一度ケチがついた銘柄は、あれこれ提灯をつけても、
一時的には回復(値上がり)しても、締めて見れば
紙くずになるケースが多い。
病気にはそれぞれ素因がある。素因がなにかを
おさえておくことが全てのスタートである。株式投資でも
個々の銘柄の素性(素因)おさえておくことが基本となる。
病気には筋のいい病気と筋の悪い病気とがあるようだ。
筋の悪い病気にかかると結局は回復しない。銘柄でも
それと同じで、最初の見立てを間違うと命取りになるから
用心することだ。
筋のいい銘柄は説明を一度聞くだけで、実に分かり易い。
病気でも筋のいい病気は分かり易く、手が打ちやすく、
手が打ち易いから回復も早い。
筋の悪い病気は分かり難いのが特徴だ。株式相場でも
分かり難い銘柄は育たない。人気も出ない。特に株式投資は
人気投票の側面も持ち合わせているから、人気の出ない
銘柄に投資すると、手間隙かかる割に成果が上がらない。
筋のいい銘柄は、①分かり易い、②時代の流れに
乗っている、③元気があるという三要素を持っている
のが一つの特徴である。
日本では、1,400兆円以上が個人の金融資産と
言われている。ところが、ゼロ金利にもかかわらず、
個人資産の過半が銀行と郵便局の貯金である。
日本人の株嫌いは世界でも珍しいといわれている。
反面、日本人は本当に貯金が大好きだ。利子も
つかないのにどうして?と思うが、預金通帳を
日々眺めては安心している。
日本の株式相場が本格的に回復するためには、
どうしても個人資産を株式投資へ呼び込むことが
欠かせないと証券関係者は鐘と太鼓を鳴らして
勧誘している。
ところで2月8日付けの日経朝刊、『私の履歴書』で、
ピーター・ドラッカーが証券アナリスト時代の
裏話を紹介していた。
急騰を続けていたNY株式相場について、
ある論文の中で「さらに上昇する以外ありえない。」
と断じた。
その論文は権威ある経済機関誌の
1929年9月号に掲載された。その数週間後の
10月24日、「暗黒の木曜日」で大暴落。これを
期に世界は大恐慌に突入した。
『以後、相場の予想は一切やらないことに
した』と書いていた。当時の論文が現在、
人目に触れる心配がないのが何より救いである
と結んでいる。
ここで大切なことは、ピーター・ドラッカーは、
「以後、相場の予想は一切やらないことにした。」と
明快だ。
日本人は、2合目、3合目では山(株式投資)
に登らない。ところが大勢が7合目、8号目に
登っていると気付くと、とたんに180度変節する。
日本人は、筋のいい銘柄、悪い銘柄、出し殻銘柄、
見切り売り銘柄見境なしに、「仕舞い風呂」に
どっと飛び込んでくる性癖が強い。
お金は一番臆病な生き物だ。追いかけると逃げ足も速い。
やらないならやらない。やるならゆとり資金に限り投資する。
是非とも初一念はとおして欲しい。(了)