ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

米利上げ懸念からNYダウ下げるー

2005-02-18 08:44:54 | スケッチ
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表


 米国では、日本と違い、株式相場の上がり
下がりに国民は敏感である。それと同時に、
米国の景気の先行きに対する政策当局の見方が
株価に素直に反映されることも多い。

 グリーンスパンFRB議長もそうであるが、
米国の政府関係者は、その当たりの事情を
よくわきまえた上で、株式市場との対話を巧みに
利用しながら政策運営に当たっている姿勢が
日本と比べて日米の違いとして際立っている。

 日本という国は一度決めるとそれを変更する
ことを極端に嫌がる傾向が強い。時代の流れの
変化に対しても同じである。
 
 時代が日々変化しているにもかかわらず
日本人はそれを見て見ぬ振りをする傾向がつよい。
そのため、多くの場合、対応が後手後手となり、
例えば大きな災害に対しても後の祭りとなることが
日本ではしばしば起こる。

 2月17日のNYダウは、米FRB(連邦制度理事会)
グリーンスパン議長の2日目の議会証言を受けて、
利上げ懸念が強まり80ポイント近く値下がりした。

 NY株式市場は、3月予定のFOMC(公開市場委員会)
の0.25%利上げはおり込んでいたが、次ぎの6月の
FOMCでは利上げ見送りかどうかで50:50で
意見が分かれていた。

 ところが今回のグリーンスパン議長の米議会証言で
6月利上げを予測する市場関係者が一気に90%に
増加、株式市場で悲観論が広まったためと市場関係者は
分析している。

 米国はインフレ懸念に敏感に反応する傾向が強い。
昨日のグリーンスパン証言の中でも雇用が改善して
きていることと輸入物価が上昇していることが指摘された。

 グリーンスパン証言では、2002年後半から始まった
ドル安が輸入物価上昇を早めたとの見解を極力抑えた
表現でまとめている。

 ただその一方で、ドル安を警戒して、他国が米国向けの
価格を今までのように抑える我慢にも限界があると
議会証言のなかで指摘して、ドル安が結果的には、
米国のインフレを助けることに注意を喚起することを
忘れていない。

 グリーンスパン議長は米国の景気は順調に回復しているが
米国の生産性が鈍化していることを指摘して、生産性の低下は
企業のコストアップを消費者に価格転嫁する可能性につながると
指摘して潜在的にインフレを招くと警戒している。

 米労働省が同日、2月12日末までの週間米失業
保険申請件数が、予測の12,000人増に対して
2,000人減と逆に改善したと発表した。

 この雇用改善のニュースが、グリーンスパン議長の
米国景気は堅調に推移しているとの証言を裏付け、
米株式市場が、必要以上にグリーンスパン発言に
敏感に反応して、利上げ懸念を呼び、株下落へ
走らせた可能性が高い。

 米国は矢継ぎ早に過去6回のFOMCの会合で
各0.25%利上げし、現在短期の目標金利である
FFレートは2.5%0となっている。

 ここで3月0.25%、6月さらに0.25%上げが
実現すると年3.0%が実現する。公定歩合も
それに伴ない4.0%まで上昇する。

 利上げ継続は当然景気にもマイナスにはたらく。
にもかかわらず、景気への影響には目をつむり、
利上げ路線を急ぐグリーンスパンの姿勢に
目を離すことは出来ない。

 それに引き換え、日本は4月1日のペイオフ解禁を
控えて金融政策を変更しないと昨日日銀総裁は
記者会見で発表した。

 日本の国民は、暴動も起こさず、ほぼ10年間、
ゼロ金利で我慢を続けている。

 米国は利上げ路線をより鮮明にしてきた。

 変えることを極端に嫌がる日本。金利面でも
日本という国のいびつな姿に、どうして、国民も政治家も
敢えて見て見ぬ振りを続けるのだろうか。(了) 



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)

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