
梅花女子大学「国際教養学科」2026年4月1日誕生記念・特別ゲスト、池上彰氏の講演会が梅花女子大学、澤山記念ホールで2025年4月28日13時~13時50分(第一部)「アメリカの混迷」から「K-Pop人は気まで」、(第二部)「トークセツション」「英語力はどれくらい必要ですか?」が開かれ楽しみに出かけた。会場の様子をいつものようにスケッチした。
第一部はトランプ関税の話からはじめた。トランプはカナダとメキシコからの自動車関の輸入関税2.5%に25%上乗せ27.5%に引き上げた。次に中国にかけていた20%関税に125%上乗せして145%かけると発表した。クリスマスオーナメント(飾り)の100%がメイドインチャイナだから値段が倍になると売れない。トランプは関税の事が分かっていなかった。閣僚の中でただ一人頭がいいベッセント財務長官がトランプの私邸マール・ア・ラゴのゴルフ場に押しかけて90間の猶予期間を設けることが決まった。トランプはふっかけてあと減らすやり方である。3月まで駆け込みで入れた在庫があと2か月で切れる。ウオルマートはじめアメリカ国内で次々問題が出て来る。中国との交渉はうまくいっているとトランプさんは言っているがあてにならない。債券が売られドルが下がった。株が下がった。関税引上げで間違いなくこの先物価が上がる。アメリカ人の多くがトランプから離れていくと今後トランプはどうするか。トランプさんはまず大きくふっかける。しばらく置いて引き下げる。べッセントは頭がいいからトランプに首になっていない。そもそも関税問題では1929年の大恐慌は当時のフーバー大統領がスム―ト・ホリー関税法で40%に引き上げたことに始 る。対抗してヨーロッパが40%に引き上げた。消費が激減、生産が止まった。その時の反省からアメリカはGATTやWTOを設立しアメリカの意向で進めた。それをアメリカ自身が崩壊させようとして世界が大混乱となっているのが現状だと話した。
国際化で日本人として抑えておくことに宗教問題がある。どの宗教でもないというと極端なケースはテロリストと思われることもある。アメリカではカソリックとプロテスタンとに分かれていると正面に映像を映し時間を割いて説明した。次に国際化で大事なことは日韓関係だと日韓関係を1910年の日韓併合から話した。現在進んでいる6月3日の韓国大統領選挙では現在野党の共に民主党代表の李在明が次の韓国大統領最有力と見られている。彼は反日発言を繰り返していたが最近日本との関係を修正する姿勢を示し始めた。隣国韓国と日本は上手くやる必要があると話しを続けた。
第二部のトークセッションでは「英語が話せるようにすべきか」と聞かれ「中味です。伝えるべきものを持つことが先だ。中身の価値を相手に伝える手段として英語が役に立つ」と答えた。「国際化というが自分に語れるものを持つことが欠かせない」と話を結んだ。「日本人の経営者でも政治家でも中身がないから会合のあとパーティーの席で英語が喋れないのではない。中身がないから場に加われない」と指摘しておられたことが特に印象に残った。(了)