遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

世界しあわせ紀行

2013年08月15日 11時15分23秒 | 読書

   世界しあわせ紀行    エリック・ワイナー(著)2012年10月発行

  アメリカ人ジャーナリストである著者が、
  「幸せとは何であるか」の答え求め、世界の10ヶ国を
  オランダを皮切りに、スイス、ブータン、カタール、アイスランド、
  モルドバ、タイ、イギリス、インド、そしてアメリカと取材の旅をする。

  猛暑の最中ではなく、涼しくなってから読んだ方が良い本かも。
  そもそも「幸せをどうやって測ればいいのか」という問題があり、
  幸せは「感じ方であり、気分であり、人生観」という数値化できないもの。
  それを認識しつつも、「あなたは現在どれくらい幸福にかんじていますか?」
  という問いに対する答えが非常に正確なのだそうだ。

  オランダの適度な寛容性。
  スイス人は、本能的に「嫉妬」が幸福の最大の敵と知って、
  それゆえ「嫉妬」を押さえ込もうとする。
  なので、お金について話すことをひどく嫌う。
  「国民総幸福量」の理念を持つブータンの一人の学者は、
  幸せがお金で買えることもあるが、その考えは捨てるべき、そして
  お金は「目的を達成するための手段」で目的そのものと考えてしまう
  ところに問題が生じる。
  「幸福は人と人との関係」にこそ成立すると考える、と語る。
  
  アイスランドでも著者は「嫉妬」という言葉を聞くことに。
  ただ、スイス人が嫉妬を押さえ込もうとするのに対し、
  アイスランド人は分ち合うことで、それを消すという。
  著者個人には、アイスランドの考えが最も心地よくフィットしたようだ。

  また、幻影を観ているかのような国カタールでは、
  お金が有り余って何でも手に入る反面、歴史がなく文化的な貧しさに
  空しさを覚え、
  微笑みの国タイでは、物事を深く考えてはダメだと言われる。
  その笑みひとつ見る事が叶わないモルドバの不幸には言葉を失う。
  希望がない、ということはこういうことになるのか・・・。

  各国を取材しながら旅し、どうやら
  「嫉妬心」「お金」「人間関係」、これらが幸せを測る要素のようだ。
  アメリカのように「希望を高く持つことが、幸せを追求すること」と
  考えるのではなく、「登りつめる頂上などない」と思った方が幸せ、
  なのではないのか、、、
  何故なら、欲求を持たない方が嫉妬心が生まれず、お金に執着せず、
  人間関係も円満になり、幸福感が増すから。

  こうして、答えを見つけるのが難しいテーマを掲げ、
  苦労しながら彼なりの答えを見つけようとチャレンジする姿はタフ。
  こんな難問に立ち向かったことには拍手です。

   わがまま母

  
 
コメント
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