遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

七人の敵がいる

2011年06月13日 10時33分46秒 | 読書

             七人の敵がいる      加納朋子(著)2010年6月発行


   家庭があり仕事をしながら暮らす女性ならば共感するところ大な小説
   だと思います。
   私も、『そうそう、そうなんだよね~』と、自分の子育て期の様々な出来事
   が脳裏に浮かび、共感したり感心したりしながら一気に読んでしまいました。
   
   主人公「山田陽子」は、バリバリのキャリアウーマンで出版社勤務、
   既婚、息子一人の母。
   仕事命!な彼女が、仕事と家庭を両立させようと必死な日々を送るなかで、
   公立小学校のPTA、学童保育の父母会、ご近所の町内会との闘い、
   姑&小姑と関わりに巻き込まれながら、それらの問題から逃げることなく
   知恵を絞り人の力を借りながら、一つ一つ乗り越えていく姿が描かれている。

   小学校のPTAの懇談でのやりとりなどは、親なら誰でもが経験したはず。
   小・中の子育て卒業して15年になる私でさえ、まざまざとあの時、その時
   の会合の場面がくっきりと目に浮かび、その時交わされた会話までも
   思い出せるくらいだ。
   
   第一章の「女は女の敵である」から第七章の「会長様は敵である」まで
   率直すぎるゆえに「敵」を作ってしまう「陽子」の言動が当時の自分と
   オーバーラップし苦笑い、ついつい自分から招いてしまう困った状況に
   頭をかかえことになる彼女の悪戦苦闘ぶりがなんとも面白かった。
   
   娘の保育所時代と小学校低学年時代に、仕方なく役員をして実感したのが
   「仕事は忙しい人にこそ頼むべし!」 
   そのエピソードが、この小説の中にも度々でてきて、時代が変わっても
   普遍なのだなぁ・・・なんて感慨深かった。
   
   嘘みたいだけど、ほんとに小学校の父母会は仕事よりも難しいのです。

   陽子が、しぶとい敵と正面から、後に斜めから闘いつつ、
   難しいあまたいる敵を徐々に味方にしながら、
   建前だけの父母会から脱して、
   愛する息子や子供たちをよりよい環境で育てることが出来るように
   親同士が協力し合っていける仕組みづくりまで発展させていく
   知恵とパワーにおもわず拍手です。

   とにかく面白い小説なので、子育て中の女性のみならず、
   女性陣にはお薦めだし、
   男性陣にも家庭や子育ての参考に、是非一読を提案したい。
   絶対損はしないはずです!

    わがまま母
   
   
コメント
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