遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

ミレニアム 2

2009年08月06日 15時40分22秒 | 読書
      ミレニアム 2
         火と戯れる女    
                 スティーグ・ラーソン(著)2009年4月発行

  待望の『ミレニアム2』を読みました。
  期待通りの面白さ!でした。
  『ドラゴンタトゥーの女』(ミレニアム1)は、孤島での少女失踪事件が中心
  となり、富豪一族の歴史(複雑な家庭の)、企業の倫理問題とジャーナリズムの
  責任、性の問題など、盛り沢山の内容が相互複雑に絡み合いつつ、スリリング
  なストーリーに驚いたものでした。
  が、『火と戯れる女』は、それに較べると登場人物もさほど多くはないし、
  ストーリーも複雑ではないので、一気に読んでしまった。
  今回は、なんといってもヒロイン「リスベット・サランデル」に尽きるのではないかな。
  前回から、強烈な個性で謎を秘めたヒロインとして描かれていたが、
  そのリスベットの出自が徐々に明らかになっていくのだ。
  彼女は12歳の時に何か?が起きて、その「最悪な出来事」がトラウマとなって
  いる。というのだが、それは何なのか?ずっと謎が明かされないまま話が続いて
  いた。
  「最悪な出来事」の後には児童精神科病院に収容され、父親が誰なのか不明、
  双子の妹がいる、12歳の少女の捜査資料が事件後15年たっても国家機密扱いに
  なっている・・・
  あらゆる資料に「精神を病んだ暴力的傾向のある女」として書かれるリスベット。
  話の中で語られる彼女のそんな断片に、謎が深まるばかりだったのだが、
  ようやく、下巻で彼女の過去の真実が明らかにされていく。
  無理解で暴力的な環境のなか、少女がたったひとり、いかに周囲と戦ってきた
  か、真実が語られ、その凄まじい生き方に、胸を打たれる。
  やっと、彼女の孤独と行動の源を知ることが出来たのだ。
  「頭がおかしく(無能力者)、すぐ暴力に走る女」と大勢から評価されている
  彼女だが、そんなリスベットを理解したり、理解しようとする大人が何人か
  登場、それぞれのやり方で彼女を助けようとする姿が印象的だった。
  『ミレニアム』編集長のミカエルは当然のこと、パルムグレン弁護士や
  アルマンスキー(セキュリティー会社社長、リスベットの元上司)、今回初めて
  登場した元ボクサーのロベルトなど、命がけでリスベットを救おうと活躍する
  場面には、ハラハラしながらも嬉しくなってしまう。
  これで、これからのリスベットの人生も変わってくるのではないか、と期待を
  してしまうが、、、。
  ともあれ、今回は、「彼女の過去、彼女が人生をどう歩んできたか」と
  いう真実が明らかになった。
  その事実に圧倒され、想像を絶する孤独に胸が痛んだりしつつも、
  凄腕のハッカーであり、すばしこい運動神経と頭脳の持ち主リスベットの
  魅力には敵わない。大人になっていく彼女の活躍が楽しみ。

   わがまま母
  
  
コメント
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