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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

これまでの大阪の青少年施策の誤りを認めるわけですね?

2012-01-10 06:08:43 | いま・むかし

http://www.asahi.com/national/update/0109/OSK201201090036.html  (橋下市長に新成人が要望「公営施設、安く開放して」:朝日新聞ネット配信記事2012年1月9日)

この記事を読むと、橋下市長が成人の日の意見交換会で、新成人側の「公営施設安く開放して」という要望に対して、「学校など使われていない場所はいっぱいある。安く開放できるようにすぐに検討する」と答えたとか。

ということは、橋下市長、あなたはこの数年間の大阪市、大阪府の青少年施策は「誤り」であったということを認めることになるんですが、それでまちがいないでしょうか?

それでまちがいなければ、私としては、過去の青少年施策の誤りを認める公式見解を出すとともに、いま、使われていない青少年施設の利用促進策の導入、これを早急にやっていただきたいです。

というのも、このブログをずっと見ておられるみなさんはおわかりかと思うのですが、それこそ2007年3月末に、当時の関市長が大阪市の青少年会館条例を廃止したこと。また、その後3年近く市民利用施設として暫定利用したあと、各地区の人権文化センターなどと統合し、市民交流センターとなったこと。そのことによって、大阪市内の各地区に、多数の使われていないもと人権文化センター・もと青少年会館の建物・土地などが生まれていること。それをどう考えるのか、ということです。

あるいは、府知事時代の橋下市長が、真っ先に大阪国際児童文学館の廃止、府立青少年会館の廃止などを打ち出したこと。あるいは、大阪府内の青少年会館に対する府の助成金の打ち切りを決めたこと。そのことも、私はけっして忘れたわけではありません。(ましてや、府立青少年会館の跡地はもう更地になって、転売されたという話すら聞いています)

私などはずっと、大阪市の青少年会館条例の廃止はまちがっている、こんな青少年施策はおかしい、ということをこのブログや論文などで言い続けてきました。また、施設統廃合のあと、余った施設などはどう有効活用するのか、ということも言い続けてきました。府立青少年会館や府内の他自治体の青少年会館等の施設、国際児童文学館のことについても、同様です。

そして、地元の住民やNPO、あるいは、かつての利用者である子どもや若者、保護者などからも、「ここを使いたい」「ここを残してほしい」という声が出ていたはずです。そういった声をさんざん切り捨て、相手にしてこなかったのは、これまでの大阪市の行政ではないのでしょうか。あるいは、橋下知事時代の府政ではなかったのでしょうか?

そして、こんな形で青少年施設や地域にあるコミュニティ施設などを次々に閉じていく路線を、大阪市では関市長期に引いたのですが、その路線をひくときの市政改革のブレーンは、ほかならぬ、上山信一氏だったはず。彼は今、橋下市長のブレーンでもありますよね。今までの路線が誤りであったことをお認めになるんでしょうか、彼らは? 

もしも彼らが、過去の青少年施策の誤りを認めて、軌道修正をして、今使われてない施設を再活用する方針に転換されるということであれば、どうぞ、そのことをマスメディアにきちんと伝えて、議会にも報告して、転換をしていただければと思います。私としても、そうしていただけるのであれば、これまでの主張が認められたと考え、この点だけは評価します。

そうではなくて、もしも過去をごまかし、なにかうやむやにしたまま、ただ今使われていない青少年施設の利用促進策導入をさも自分たちの手柄のように勝ち誇ってマスメディアにアピールするのであれば、私はその方向性を歓迎するコメントはしつつも、過去の青少年施策の誤りについては今後もきっちりと批判をするつもりです。


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