※下記は「体罰をみんなで考えるネットワーク春のつどい2016」のフェイスブックページに書き込んだ内容を転載したものです。昨日のつどいのご報告を兼ねて、こちらにも掲載しておきます。
・・・・以下、転載部分・・・・
<まずはみなさま、お礼申し上げます>
本日の体罰をみんなで考えるネットワーク・春のつどい2016にご参加いただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。
また、フェイスブックのこのイベントページのシェア等々で広報にご協力いただいたみなさま、感謝いたします。
当初は都合がつかないという方が多くなりそうで、人数がどの程度になるのか、20名前後かな・・・とか思ったりもしたのですが、今日、飛び込みで参加された方がかなり多くて、30名近くの参加者がありました。また、高知県や愛知県など、遠方からご参加いただいた方もありました。このテーマへの関心の高さをあらためて実感した次第です。
そして、懇親会まで残られたみなさんの間では、体罰を考える海外文献の翻訳や、大阪以外の場所での「つどい」開催の提案など、活発に「今後、どうしたいのか」についての意見が出されました。とてもありがたいことだと思います。
あらためまして、この場をお借りして、お礼申し上げます。
<ひとまず、今回の佐子さんのご報告から>
さて、今日は佐子さんから近畿圏のソフトボール界での体罰防止の取り組みや、佐子さんがソフトボール指導者の研修で行った体罰容認意識の実情等についてのアンケート調査の結果等について、約1時間程度して報告していただきました。
そのあと、休憩をはさんで約1時間40分、活発にみなさんからご意見・ご質問等が出て、こちらからなかなかコメントをさしはさむのが難しいくらいでした。たいへんありがたい悲鳴です。
ただ、前回の冬のつどいの論点整理でいいますと・・・。
〇学校のスポーツ部活動だけでなく、学校外のスポーツ活動でも体罰を容認・肯定する指導者層や、保護者層がいるということ。
〇指導者の「王国」的になっているところは、体罰が根強く残る傾向があること。
〇子どもの成長にとって安心できる環境とは何か?
〇文科省や各種スポーツ団体から配布される体罰防止の文書等が浸透しない背景になにがあるのか?
〇日頃の指導をあらためて指導者側が見直す機会をどのように創り出すのか?
こういったことが今回、あらためて議論になったかと思います。
<今回の住友の論点整理>
その上で、佐子さんのご報告を受けての質疑応答・意見交換のなかで、私が気づいたことは、だいたい以下の7点です。
(1)まず、たとえばスポーツの種目や競技団体のあり方、小中学校と高校、大学など学校種のちがい等によって、「スポーツ部活」や「体育会系」といっても、簡単にひとくくりにできないくらい、多様性があるのではないか、ということ。
(2)別の言い方をすると、比較的「科学的な練習方法」等の重要性について意識が浸透しているスポーツと、そうでないところのちがいもあるのではないか、ということ。
(3)そういう意味では、実は体罰を容認・肯定しない側からこの問題に関心を持っている側も、最近のスポーツ科学の成果から何が適切な子どもへのかかわり、指導方法なのか等、あまりよくわかっていないところがあるのではないか。もしも私たちがもう少し、そこが理解できるようになれば、より積極的に「体罰に頼らなくても、こんなことができる」と、具体的に情報発信ができるのではないか、ということ。
(4)その一方で、(1)~(3)のことを前提してもなお、ベテランのスポーツ指導者だけでなく、若い指導者や女性指導者のなかにも、体罰を容認・肯定する意識の持ち主は居るのではないか、ということ。
(5)また、そのような容認・肯定意識は、体罰を受ける側の苦悩に意識を向けるよりも、「事故のないように気を付ければ」「熱意のあまり荒い言葉になるのはやむを得ない」等、体罰を行使する側からの見方に強くこだわりを持つ傾向が見られること。
(6)その一方で、高校以上の段階のスポーツ部活には、個々の子ども側の「進路」形成や、その学校の知名度向上や生徒募集等「経営」の問題も、何らかの形で深くかかわっているのではないか。学校スポーツの「指導者」の意識や指導方法にこだわる場合も、その「指導者」がどのような構造・背景のなかにおかれているのかも、よく見ておく必要がある。
(7)日本の近代のスポーツ文化のなかには、欧米から輸入され、定着した側面も確かにあるのだろうが、その定着のプロセスのなかで、これまでの日本の伝統文化(たとえば宗教的なもの)と入り混じったものもあるのかもしれない。この点は検討すべき大きな課題である。
<最後に・・・>
以上のとおり、今回も私の方から、論点整理をさせていただきました。また、次の「つどい」は7月後半~末頃を予定しております。上記7つの論点+前回「冬のつどい」の10の論点をふまえて、さらに新たな論点が出てくることを期待しております。
その上で・・・。
今日、懇親会で私の方から伝えましたが、次年度に向けて、そろそろ「世話人やってもいいよ~」という方を少しずつ、募っていけたらいいな、と思っております。ネットワークの発展とともに、代表・事務局そして世話人会にかかる負担も増えて来ておりますので。このネットワークの運営のお手伝いをしていただける方、いませんか? 今後ともぜひぜひ、ご協力のほど、よろしくお願いします。
(以上、体罰をみんなで考えるネットワーク代表 住友 剛)
・・・・以上で転載おわり・・・・