できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学人文学部・住友剛のブログ。
関西圏に関することを中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

内閣府「青少年育成施策大綱」から(2)

2007-10-27 10:44:13 | 国際・政治

今回も前回に引き続き、内閣府「青少年育成施策大綱」(2003年12月)から、今後の大阪市の青少年施策を考える上で重要と思われる日本政府の方針を抜き出してみます。なお、参考にしたのは前回同様、内閣府政策統括官(総合企画調整担当)監修『青少年の育成を考える』(ぎょうせい、2004年)です。

<『青少年の育成を考える』p.389からの引用>

(地域等での多様な活動)

 集団や社会の一員としての自主的、実践的な態度を身に付けるため、若者が自分の興味や関心に基づいて、世代間交流、農林漁業体験や環境活動等の自然体験活動、スポーツ等の多様な活動が行えるよう、学校・社会教育施設、福祉施設、NPOなど地域の諸団体、起業施設等の様々な場における諸事業を支援する。

 思春期にある若者の父親・母親に対して、家庭教育に関する学習機会・情報の提供の充実や相談体制の整備を図るなどして、家庭教育の支援を行う。

 これは思春期を迎えた若者の「社会生活能力の習得」という観点から内閣府が打ち出している方針ですが、大阪市内で今までこれに近い取り組みをしてきたのが、まさにこの3月に条例廃止・事業「解体」を迎えた市立青少年会館12館ではないでしょうか。あるいは、他の社会教育施設や児童館・トモノス(勤労青少年ホーム)も含めて、大阪市の青少年施策全体を通じて、こういう方向性に沿った教育・学習活動や相談活動の充実が今、求められているのではないでしょうか。

 いずれにせよ、こうした日本政府レベルでの青少年施策の方向性からすると、児童館・トモノス廃止、青少年会館条例の廃止・事業「解体」という一連の大阪市の動向は、これまでもくり返し述べてきましたが、政府レベルの方向性とはまったく逆の方向に動き始めているように見えます。

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内閣府「青少年育成施策大綱」から(1)

2007-10-21 20:40:44 | 学問

いま、自分の勤務校での授業との関係で、内閣府「青少年育成施策大綱」(2003年12月)を読み直しています。ちなみに、この大綱の全文と、大綱作成の前段階ともいえる「青少年の青少年の育成に関する有識者懇談会」の報告は、内閣府政策統括官(総合企画調整担当)監修の『青少年の育成を考える』(ぎょうせい、2004年)で読むことができます。以下、ページ数だけ示しているときは、この本からの引用だとご理解ください。

さて、この「青少年育成施策大綱」の内容、もちろん何もかも両手を挙げて賛成というのではありません。内容的には「なんだこれ?」といいたい部分もあります。ですが、随所に今の青少年の抱えている諸課題について、地方自治体行政が何に、どのように取り組めばいいのかという方向性を、政府なりに一度、きちんと考えようとした形跡が伺えるところがあります。そういった部分をうまく読み込み、積極的に活かしていけば、大阪市のような地方自治体でも、青少年施策の充実に向けてできそうなことが多々あるような気がしています。

そこで今後、何度かにわけて、このブログでは内閣府「青少年育成施策大綱」の内容のなかから、私が興味を抱いた部分を紹介していこうと思います。ただし、途中、何度か途切れたり、あるいは、別の話を記事として書き込んだりすることもあるかと思いますが・・・・。

まず、この間、ずっと大阪市の青少年会館条例廃止の問題について、それに反対する立場から、このブログでは積極的に情報発信をしてきました。そのことに関連する「青少年育成施策大綱」の内容を1つだけ、今日は紹介しておきます(色を変えている部分です)。この④は、いずれも、学童期の子どもの育成に関して提案されている内容です。

<『青少年の育成を考える』p.385(一部略)>

④社会的自立につながる活動機会の保障

(集団遊びの機会の確保)

放課後児童クラブ、児童館・学校施設・公園等を活用し、集団遊びの場の確保を目指す。このほか、地域等における自発的・創造的な遊びの機会づくりを推進する。

(地域等での多様な活動)

子どもが自分の興味や関心に基づいて、楽しみながら、芸術文化・伝統文化体験、読書、科学技術体験、動物とのふれあい、農林漁業体験、環境活動等の自然体験活動、スポーツ等の多様な活動を自主的に行えるよう、学校・社会教育施設や地域の青少年団体、NPO等の様々な場における諸事業を支援する。

いかがでしょうか? 

こういう「青少年育成施策大綱」の内容からすると、例えば大阪市内の青少年会館だけでなく、児童館やトモノス(勤労青少年ホーム)を「廃止」したことの是非が、国の青少年施策との対応関係からも問われます。

また、一生懸命、大阪市内で子どもたちを相手に活動中のNPOにも、民間学童保育に対する積極的な支援策も、地方自治体としての大阪市として何ができるか問われるでしょうし、市内各小学校で実施中の「放課後いきいき事業」もより一層の充実が求められることになるでしょう。

さらに、大阪市内の他の社会教育・生涯学習施設や博物館・美術館、スポーツ施設、あるいは大阪市の所有する野外活動施設だって、その活動をより活性化させるための取り組みが求められる、ということになるでしょうか。

とすれば、私ならば今度、市長選挙に出る(現職を含む)4人の候補者には、当選後、こういった「社会的自立につながる活動機会の保障」について、どういった施策に取り組むつもりなのか、ぜひ聴いてみたいところです。

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市議会議事録を読んでみては?

2007-10-21 19:59:05 | 国際・政治

もうすぐ大阪市長選挙。現職の市長も含め、4人の立候補予定者の顔ぶれがでてきたようで、これからいよいよ選挙戦がはじまるところです。

さて、私としては、誰がどの政党市議団の推薦等を受けるのかがはっきりしたら、その政党市議団の青少年会館条例廃止問題への対応がどうであったのか、大阪市議会ホームページで検索して、この1年間くらいの議事録をよく読んでみることをおすすめします。また、今の市長についても、市議会で青少年会館条例廃止問題について、どういう答弁・説明をしてきたのか、検索してよく読んでおくことをおすすめしたいと思います。

たとえば、これは以前もこのブログで書いたかもしれませんが、以下は大阪市議会のホームページから、昨年11月28日の財政総務常任委員会での市長の青少年会館条例廃止問題に関する答弁の内容を引用したものです。

◎市長 10月10日に大阪市としての方針案を取りまとめて公表して以降、市会で御議論をいただき、そして各施設の利用者あるいは市民の方からさまざまな要望や御意見をいただいてることは、もちろん私もそれをいただいてるわけでありますので承知しております。
 利用者あるいは市民の方からの主な御意見は、利用者、市民の立場に立った施設運営のあり方を示されたい、また利用者や市民への説明の場や意見を聞く場を持ってほしいといったものであるというふうに思っております。
 今後、方針案から方針にこれを確定しまして、具体に取り組むに当たりましては、各施設については、利用者や市民の声をお聞きしながら、基本的には市民の自主的な活動にこのような施設を積極的に活用していただきたいと思っておりますし、全市的な展開を図る事業の実施場所としても使用していただくなど、幅広い活用を図っていきたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、本市の考え方につきましては、市民の皆さんに十分御理解いただけるよう、市としての説明責任はきちっと果たしていきたいというふうに考えております。

さて、本当にこの答弁(説明)のとおり、今の市長が大阪市内の各青少年会館の利用者や市民に対して動いたかどうか? また、動いたとして、その動き方は利用者や市民の側から見て納得できるものであったのか? そのことは、各館利用者のみなさんが、一番よくご存知のことかと思います。

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大阪市の中学校給食のこと

2007-10-14 10:15:04 | ニュース

少し古い話になりますが、大阪市内の中学校給食の「廃止」問題について、次のような新聞記事が読売新聞系からネット配信されていました。

http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/kaikaku/oc70515a.htm (読売新聞「関西発」ニュース、2007年5月15日、「大阪市政改革どこへ」という特集記事のなかにあります)

これに対して、今年9月26日の大阪市議会文教経済委員会で、清水ただし市議のほうから、「中学校給食の全校実施」を求める立場からの質問が行われています。このことは、日本共産党大阪市議団のホームページ(http://www.jcp-osakasikai.jp/)で、「今年度新着情報」のところをクリックして、9月26日の記事を探せばわかります。

また、このページの記事では、清水議員が市教委に対して、「弁当を持参できない生徒が2割もいるではないか。肩身の狭い思いをして、昼食時間にはいつも教室からいなくなる生徒がいるのを知っているのか」と詰め寄ったこと、「同じ大阪市立の中学に通いながら、一部の生徒しか給食の恩恵を受けていないのは不公平だ。この不公平を是正するというのであれば、教育委員会のしめす中学校給食廃止ではなく、全校実施こそ問題解決の筋道であり、親と子どもの願いだ」「学校給食法にもとづいて全校実施に今こそ舵を切るべきだ」と指摘したことも紹介されています。

大阪市内の中学校給食「廃止」方針については、上記の「関西発」ニュースにあるとおり、「同和施策見直し」の一環として出されたものです。しかし、この清水議員の指摘にもあるとおり、市内の一部中学校で行われてきた給食については、今後、きちんと法令にもとづいて全市展開して実施するという、いわゆる「一般施策化・全市展開」という道筋だってあるはずなのです。

ということは、今まで「同和施策」として行われてきたもののなかに、本来は大阪市全体に広げ、一般的な施策として実施すべきであったのに、大阪市政が過去何年にもわたって全市展開を怠ってきたがゆえに、その結果、いわゆる「同和地区のみの施策」としてみなされてしまったものがある、ということではないでしょうか。

また、こういう観点から過去の大阪市のとりくみを見直せば、本来、全市的な子ども施策・青少年施策をリードするものになるべき大阪市の施策が、いわゆる「同和施策」のなかに詰まっている、あるいは閉じ込められている、という事例が他にも多々あるかもしれない、ということになるかと思います。そして、そのことはおそらく、青少年会館で取り組まれてきた数々の事業についてもいえることではないでしょうか。

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これからの情報発信

2007-10-13 20:07:30 | 新たな検討課題

このところ、もうひとつのブログでもこちらのブログでも書いてきたとおり、連日、仕事が忙しくてなかなか更新ができませんでした。その点は、大変申し訳ないです。

ただ、ここで今、大阪市内の青少年会館の問題、大阪市の子ども施策・青少年施策の問題について、私がインターネット上で発言をやめようというような、そんな意図はまったくありません。というよりも、インターネット中心の情報発信だけでなく、例えば前回も書いたように、雑誌に原稿を書いてみたり、講演依頼を受けてこの話を伝えたりと、インターネット以外の方法も活用して、いろんな回路から「このたびの条例廃止・事業解体はおかしい」ということを言ってみよう、というだけのことです。特にインターネットよりも文字媒体になじんでいる、という人もまだまだ多いので、その人たちへの情報提供や抗議活動などへの協力の呼びかけには、雑誌記事や手紙、チラシなどの文字媒体のほうが有効だ、ということもあります。

また、私だけがこのたびの大阪市の青少年会館条例廃止・事業解体のおかしさを訴えているのではなくて、インターネット上で他の人たちもそのことを訴えてくださるようになったこと。このことも、私にとっては「ありがたいことだなぁ」と感じております。

たとえば、「その理由」というブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/reasons_hm)のように、条例廃止前のご自身や周囲の人々の状況を批判的に検証しつつ、子どもたちとともに反対運動に取り組んだ経過や、これから地元の子どもたちの居場所を復活させるために、どのような取り組みをしていくべきなのかを考えていくような、そんなブログも現われました。

あるいは、あえてここではブログのアドレスなどを明かしませんが、大阪市の社会教育・生涯学習のあり方が青少年会館条例廃止・事業解体によって大きく揺らいでいることをふまえて、これから先の社会教育・生涯学習が保障すべきものが何なのかを、ブログの文章のなかで考察しているものもあります。

他にも、部落解放運動の関係者で、飛鳥会事件以後の運動のあり方について、定期的にご自身の意見を発信しているようなブログもいくつか見られます。こういった人たちのとりくみと、自分のとりくみをどうインターネット上でリンクさせていくのか、それも考えていく必要がありそうです。

というような次第で、これから先は、大阪市内の青少年会館の問題や大阪市の子ども施策・青少年施策などについて、ブログなども含め、他にもいろんな形で情報発信をしてくださる方がいることを前提にした動き方ができるように思っています。また、私自身が、例えばブログ以外にも雑誌、講演活動等、多様な情報発信のルートを活用できるようになってきています。

したがって、このような状況を前に、例えば私のブログの役割をどうするか、今後はどんな情報を誰に向けて発信するのか等々、そろそろじっくりと考える時期に来ているように思います。ただ当面、このブログでは、例えば青少年施策に関する研究動向とか、他自治体での子ども施策の動向とか、あるいは、過去の部落解放教育・人権教育などの取り組みの参考例など、研究者としての立場から発信できる情報を出していこうかな、とは思っていますが。

しかし、そのためにも、もう少し勉強というか、情報集めの時間が必要ですね。先日、講演でも言いましたが、「まずは研究者が変わらないかん」というところでしょうか。

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しばらくごぶさたしておりました(笑)

2007-10-11 23:00:24 | 悩み

久々の更新ですね、約2週間ぶりでしょうか。ほんと、本業の大学の仕事が忙しくて、なかなかこっちのブログの更新にまで手が回らず、困っております。これは、今学期は週4日、朝1限~夕方5限まで授業科目が入る日が続く上に、この週末は学会があって、休みの日に共同での研究報告をするための準備等々も行っているためです。

まぁ少なくとも、今週末の学会が終わればある程度、時間がとれますので、そうなると引き続き、このブログでも情報発信が出来るかと思います。今しばらくお待ちください。

それはさておき、お気づきの方もいるかと思いますが、先日、豊中市の人権文化まちづくり協会主催の「人権サロン」で、この約1年近くの大阪市の青少年会館条例「廃止」・事業「解体」にまつわる諸問題について、相当、好き放題、私の意見を言わせていただきました。そのときの様子や話した内容は、どこかでブログを検索すればでてくると思いますので、興味ある方は探してみてください(笑)

また、今、この間、大阪市内のもと青少年会館の条例廃止後の様子などを、何人かの仲間と手分けして確認する作業を行ってきましたが、その内容を今、ある雑誌の原稿にまとめる作業もしております。これも近々、その原稿が記事になって某雑誌に出ると思うので、興味ある方は探してみてください(笑)

とりあえず、このブログ以外のところでも、私、いろんなルートで情報発信を続けております。興味関心のある方は、お手数をおかけして申し訳ありませんが、ぜひ、他のルートでの情報発信にもあたってみてください。よろしくお願いします。

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