自分の暮らす隣の街で起こった出来事ですので、ずっと気になってきたのが、宝塚市での中学生の自宅放火事件のこと。
そのことに関連して、再発防止に向けた外部委員らによる調査専門委員会が近々、発足するそうです。以下の記事は地方版ですし、毎日新聞のネット配信記事なので、ある時期が来るとリンクできなくなるかもしれませんが、一応、紹介しておきます。
http://mainichi.jp/area/hyogo/archive/news/2010/08/20/20100820ddlk28040258000c.html
ちなみにこの調査専門委員会ですが、精神科医・小児科医や福祉・心理などの研究者、少年事件に詳しい弁護士と、「子どもの虐待」問題に関する課題の検討という観点から見れば、とてもいい人選をされているとは思います。また、この5人うちのおふたりには、子どもの人権関連あるいは学校事故・事件関連のイベントで、確か、お会いしたこともあります。
ただ、この事件には、在日ブラジル人の子どもが日本社会で置かれている状況、特に家庭生活や学校生活の面で抱えている諸課題が、いろんな場面で影響を与えているのではないのでしょうか。そのことは、以下のネット配信記事からもわかります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100821-00000528-san-soci
だとすれば、このケースについては、「子どもの虐待」の防止や発生時の対応という観点から、児童福祉行政のあり方や、学校と児童相談所など福祉機関との連携のあり方「だけ」に的をしぼった検討をしていたのでは、見えてこないような諸課題があるのではないか・・・・という気もしています。
つまり、抜本的な再発防止策を考えようと思えば、事件を起こした子どもの家庭生活や学校生活の背景にある諸課題を考察しなければいけないはずなのですが、このケースの場合、そこには日本に暮らす外国籍の子どもたち、特にニューカマーの子どもたちに関する諸課題があるのではないか、と私などは思うわけです。その外国籍の子どもたちに関する諸課題について、この調査専門委員会でどこまで対応できるのか。そこに私、ひっかかりを感じています。
そこで、私としては先述の5人の方に加えて、できれば在日外国人の子どもの権利保障の諸課題について詳しい研究者の方や、ニューカマーの子どもの支援にかかわるNPO団体の方が検討委員会に入るとか、あるいは、せめて今後の会合のなかで、こうした在日外国人の子どもに関する諸課題に詳しい方の話を聴く機会を設けるとか、何か、そういう取り組みをしてほしい・・・・、そう願っています。きっとこの5人の方なら、そういう取り組みを考えられるのではないか・・・・と思うのですが。
ちなみに、いわゆる「人権教育」の関係者のなかで、在日外国人の子どもの諸課題について取り組んできた研究者や実践者の人は、今回の宝塚市での子どもの事件について、どんな思いを持っているのでしょうか。今こそ、あなたたちが何か言わなければいけないときなのではないでしょうか。「人権教育」の関係者独自で調査チームをつくって、自分たちなりの観点で検討をすすめてもいいくらいです。
それから、このような事件は、悲しいかな、「他の自治体でも起こりうるのでは?」と思えてなりません。あらためて今、このことを書いておきます。
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