できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

最近読んだ本をまとめて紹介(2649冊目~2660冊目)

2018-04-30 19:15:58 | 本と雑誌

気付いたらもう4月末ですよ。新学期がはじまってもう1か月、月日のたつのは早いものです。

さて、新学期がはじまり、おまけに学修支援センター長なんて役職に就いて、ますます仕事が忙しくなってきました。なかなか本を読む時間が思うように取れず、あんまりこの1か月間、読んだ冊数は増えませんでした。

それでもまぁ、何冊か読んでいるので…。いつものとおり、読んだ本のタイトルや著者名等々、まとめて紹介しておきます。

2649冊目:中島岳志『血盟団事件』文春文庫、2016年

2650冊目:沖守弘『マザーテレサ あふれる愛』講談社文庫、1984年

2651冊目:半藤一利『歴史と戦争』幻冬舎新書、2018年

2652冊目:仲正昌樹『悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える』NHK出版新書、2018年

2653冊目:金時鐘・佐高信『「在日」を生きる ある詩人の闘争史』集英社新書、2018年

2654冊目:山際素男『不可触民と現代インド』光文社新書、2003年

2655冊目:和田町子『マザーテレサ(人と思想44)』清水書院(新装版)、2015年

2656冊目:適菜収『問題は右でも左でもなく下である』KKベストセラーズ、2018年

2657冊目:布村育子『迷走・暴走・逆走ばかりのニッポンの教育』日本図書センター、2013年

2658冊目:森功『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』文芸春秋、2017年

2659冊目:矢守克也『アクションリサーチ・イン・アクション』新曜社、2018年

2660冊目:日本学生相談学会50周年記念誌編集委員会編『学生相談ハンドブック』学苑社、2010年



今日(4月29日)のプリキュアの話です。

2018-04-29 09:45:03 | プリキュア話

おはようございます。日曜日なんで、いつものとおり今朝のプリキュアの話から。

前回のラストで、プリキュアたちの敵・クライアス社のルールーちゃんが、はな(=キュアエール)の家に潜り込んで、プリキュアの秘密を探りにくることが明らかになりました。今回の話では、そのルールーちゃんとプリキュアたちとの関係、特にはなとの関係に焦点があたります。

今日の物語の大きな筋としては、まず、ルールーちゃんが海外からはなの家にホームスティしながら、はなたちと同じ中学校に通うところから話がはじまります。中学校での自己紹介のときに、RURU AMOUR(ルールー・アムール)と名乗ったことが、後でも書くように、いろいろ示唆的です。

また、ルールーちゃんは勉強もスポーツもよくできるのですが、なぜか人の感情だけはよく理解できない、そんな感じのキャラになっています。なので、はなたちが手巻き寿司でルールーちゃんの歓迎会をやろうとしても、つい「なんのためにやっているのか、意味不明」みたいなことを言ってしまいます。そして、ルールーちゃんを一生懸命歓迎しようとするわりには空回りするはなに対して、はなの父親は「家族みたいに接しよう」的な話をします。

そんななか、クライアス社の課長・パップルが彼氏らしき人と話をしている場面が突然入ってきて、「ルールーは機械仕掛けの人形だから…」なんてことを言います。また、ルールーちゃんもはなの行動や思考の原則が読めない、わからないと、クライアス社に報告をあげたりもしています。そして、ルールーちゃんははなの家を出て、街にオシマイダーを登場させて、オシマイダーにはなたちを攻撃させてデータを取ろうとします。

一方、オシマイダーが登場すれば、当然はな、さあや(キュアアンジュ)、ほまれ(キュアエトワール)は変身してプリキュアになります。また、はなはキュアエールになってもなお、ルールーちゃんがどこへ行ったのかを探そうとしています。そんな姿を見て、ルールーちゃんはお花畑のなかでキュアエールと対話をはじめます。「なぜそんなに一生懸命なのか、根拠がわからない」と問うルールーちゃんに対して、キュアエールは「ルールーちゃんが好きだから。それじゃだめ?」と問い返すわけですね。そう言われたとき、ルールーちゃんはなぜかドキッとします。まあ、このあとはオシマイダーを倒しておわるわけですが。

ラストの場面では、あらためてちらし寿司を、はなの家族といっしょに食べるルールーちゃんが描かれます。また、寝る前にいっぱい話がしたいと、ルールーちゃんの部屋にはながやってきて、結局、先に寝てしまうわけですが。そして、そんなはなの姿を見て、ルールーちゃんは「意味不明」と言ったり、機械仕掛けのからだの中身が透けて見えたりするわけですが、なぜかさっきドキッとした場面を思い出したりもする…という、そんな終わり方でした。

さて、今回のこういう物語の流れは「機械仕掛けの人形のルールーちゃんは、人間のこころを理解できるようになるのか?」という、今後続く物語のテーマを暗示しますよね。ルールーちゃんがRURU AMOURだと名乗ったことも、愛情を意味するようなAMOURという言葉を使った点で、その今後続く物語のテーマと深く関係しそうです。そして、このテーマ、よく考えたら「AIは人間の感情を理解できるのか?」みたいな、そんな現代の哲学・思想的なテーマともつながっているようにも思われます。

そうそう、この敵のキャラがプリキュアに接近して人間らしい感情を取り戻す…という点では、かつて「フレッシュプリキュア」の敵キャラ・イースの存在を思い出させます。イースは、プリキュアの居る世界とはちがうパラレルワールドからやってきます。そのパラレルワールドでは、人間はホストコンピューター・メビウスのプログラムに生まれてから死ぬまで、自分の感情や思考も含めて支配・管理されています。イースはそのパラレルワールドから、プリキュアの秘密をさぐるために「東せつな」と名乗って、キュアピーチたちに接近してきます。でも、プリキュアたちとかかわるなかで、東せつなはだんだん、人間らしい気持ちを取り戻していきます。そしてプリキュアと対決して生まれ変わり、キュアパッションになって、メビウスの支配から人々を解き放とうとするわけです。

どうやらこのイース=東せつな=キュアパッションの流れを、このルールーちゃんもこの先、たどっていきそうな気がしているのですが。さてさて、どうなることやら…。

ちなみに来週は予告編を見る限り、プリキュアたちの職場体験の回。どうやら保育所に不思議な赤ちゃん・はぐたんを連れていくみたいです。


ご報告が遅れました。4月から「学修支援センター長」に就任しました。

2018-04-23 19:53:05 | 私の「仲間」たちへ

ここのところ、プリキュアの話を書く程度しか更新していなくて、申し訳ないです。

昨日は久々に「河北新報」のインタビュー記事の紹介で長めのブログを書きましたが…。

さて、ご報告が遅れました。

この4月1日付けで、勤務校・京都精華大学の「創造戦略機構学修支援センター長」なる役職に就任しました。

だから、内示の出た3月あたりからどたばたしておりまして、なかなかブログの更新ができなかったんですよね…。やっとここ数日、新学期&センター開設当初のドタバタした状況が落ち着いてきたので、ブログを書く余裕もでてきたところです。

ちなみにこのセンターですが…。

この4月から就任したウスビ・サコ新学長を機構長として、その機構長から与えられたミッションのもとで、これからの勤務校の将来構想等々を検討していく「特別プロジェクトチーム」のようなもの。

私は「学修支援センター長」として、勤務校で急増している留学生や、あるいは大学生活においてさまざまな課題に直面する学生(そのなかには障がいのある学生を含む)への生活・学修両面へのサポート体制のあり方について、事務方の関係部署や各学部と連携を取りながら、具体的な学生対応を日々行いつつ、将来構想を練っていく仕事に携わります。

特に、留学生へのサポートにあたる日本語学修支援室と、さまざまな悩みや課題のある学生へのサポートにあたる学生相談室。学修支援センターとしては、この2つの部屋にスタッフが常駐するかたちで日々、実際に学生や教職員への相談・支援にあたっていくことになっています(もうすでに、4月の新学期開始当初から相談・支援業務はスタートしています)。

実はこの2年ほど、障がい学生支援に関する学内研究プロジェクトのまとめ役をしていたのですが、その仕事がそっくりそのまま、この学修支援センターの仕事にスライドした感じでもあります。

これからこの「学修支援センター」がどんな形で発展して、勤務校の学内にどう定着していくのか。

このブログでも折に触れて話をしていくことになると思います。

どうぞあたたかい気持ちで、「学修支援センター」の取り組みを見守ってください。

なお、現在「学修支援センター」では、学生相談室勤務の任期付教員(特任教員)の募集をしております。

社会福祉系の専攻領域の方を探しておりますので、お心当たりの方がおられましたら、「こんな公募がでているよ」とおすすめいただければ幸いです。

もちろん、ご自分が該当者なので応募したいというケース、大歓迎です。

詳しくは下記のホームページ上の告知をご覧ください。

http://www.kyoto-seika.ac.jp/info/info/topics/2018/04/03/48877/



大川小学校のことで河北新報のインタビュー記事が出ました。

2018-04-22 11:43:16 | 受験・学校

<大川小・止まった刻>専門家2氏に聞く/遺族の知る権利尊重を 京都精華大教授 住友剛氏

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201804/20180421_13005.html

<大川小・止まった刻>専門家2氏に聞く/事実認定、報告書が限度 前文部科学省事務次官・前川喜平氏

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201804/20180421_13005.html

先月末、大川小学校の控訴審判決を前に、新学期準備でおわれている最中に、河北新報社の取材を受けました。

そのとき2時間くらい話をした内容をコンパクトにまとめていただいた記事が、昨日付けで出ました(上記のリンクをクリックしてください)。

私が多くの学校事故・事件の被害者家族や遺族のかたわらにこの十数年居続けて、そのなかで見えてきたこと。また、その見えてきたことをふまえて、この大川小学校での検証委員会のあり方や、今の控訴審に対する被告側の動き等々を見ていて思うことを、かなり率直に語りました。

どれだけ大川小学校のご遺族のみなさん、そして他の学校事故・事件の被害者家族や遺族のみなさんの日頃感じていることに近い話ができたかはわかりませんが、ひとまず、記事が出たことをお知らせします。

それから、今日の河北新報には、この検証委員会の立ち上げに積極的に動いた前川前文部事務次官のコメントもでています(こちらも上記のリンクをクリックしてください)。ですが、私へのインタビュー記事の内容は、結果的におそらく、前川さんのコメントのひとつひとつにツッコミを入れるかたちになっていると思います。私に取材に来た記者さんから伺っている範囲だけでも、「あのさ~。そういう考え方だと、そりゃ前川さん、ご遺族から批判されても無理ないよ」と、前川さんの考えには違和感がありましたので。

ついでにいうと、昨今の前川さんに対するマスコミ等々での評価には、私、この件があるので、なにかと違和感がありました。

確かに対安倍政権、自民党という局面、そして森友・加計問題ということでいえば、前川さんの動きや思いは立派なものです。

でも、前川さんが文部官僚として対応してきたことの中身は、個々のケースを見て、もっと精査していかないといけないのではないかと。

だって「教職課程の再課程申請」という、この2か月近く私がしんどい思いをしてきた大学での業務も、また、最近あちこちから講演・研修で呼ばれる「道徳の教科化」も、あの前川さんたち文科省の官僚が、政権与党の教育政策を実行するプロセスで生まれたものですからね。

もちろん、たとえ前川さんご本人にとっては「上からの指示」や「他の審議会で決まったことだから」と言う面があって、不本意なことがあったかもしれない、「面従腹背」的に動いたかもしれないことにせよ、です(でも、喜々としてやったこともあるかもしれないなぁ…)。

もう少しツッコんでいいますと、私が前川さんの記事でいちばん「かちん!」と来たのは、無過失賠償の話のところ。その「かちん!」と来たのは、大きく次の2点です。

1つは、「いままで長年、そういう主張を教育法学関係者が続けてきたときに、文科省がどういう態度をとってきたのか? 無視してきたんじゃないのか?」という思い。

もう1つは、「賠償金なんかいらない。うちの子どもを返してくれ」と言われたときに、「文科省の元官僚としてのあなたはどう答えるのか?」という思い。

上記リンク先の私のインタビュー記事では、この「もう1つ」の思いの方を記事にしていただきました。

私としても、大川小のケースに対して、検証委員会を立ち上げてなんとか遺族の要望に応じていくべきだと考えたところ。そこまでの前川氏の文部官僚としての判断それ自体は、私は認めています。今までそんなこと考えた官僚、いませんでしたから。

でも、その判断にもとづいておこなったそのあとの前川さんをはじめ文科省の対応、あるいは検証委員会の対応等々は、実は「ぐだぐだ」で「行き当たりばったり」だったのではないかと。

その点についてはやはり、今の時点で何がダメだったのかをきっちり指摘して、今後に向けて改善していく必要があると思います。

あと、例の「無過失賠償」の話についても、あえて言いたい。この記事になったほうの「もう1つ」の方の思い、つまり「賠償金なんていらない。うちの子どもを返してくれ」という遺族たちの思いに、教育法学関係者も、文科省を含む教育行政関係者も、学校現場も、そして弁護士や裁判官も、学校事故・事件にかかわる各領域の専門家たちも、どう向き合うのか。そこを私は今、あらためて問いたいと思っています。

そして、このような遺族からの問いかけこそ、まさしく人文学的な問い、哲学や思想、倫理的な問いかけです。また、そういう人文学的な問いに誠実に向き合おうとする専門家たちや行政関係者、法曹界の人々、そして学校現場の教職員が目の前に現れたときにはじめて、「自分たちの思いが届いた」と遺族たちは実感するんじゃないですかね。そういう関係者を遺族たちは信頼するんじゃないですか…。

ちなみに、前々から言っているように、本気で取材するマスコミ関係者は、私のコメントがどうしてもほしかったら、電話取材ではなく、京都のうちの大学であれ、西宮の我が家の近辺か、あるいは神戸や大阪など私が出やすい場所まで、必ずやってきます。

そういうマスコミ関係者の方が書く記事とか、つくる番組などは、やはり、私から見ていても好感が持てるものです。



今日(4月22日)のプリキュアの話です。

2018-04-22 09:34:17 | プリキュア話

おはようございます。いつもどおり日曜日の朝なんで、今日のプリキュアの話から。

基本的に今日はプリキュアたちの「パジャマ・パーティー」のお話なんで、全体的にのんびりした感じだったんですが…。でも、ラストの場面に、これから夏休み前までくらいの物語を左右する大きな出来事も盛り込まれてました。ということで、今日のお話のなかで重要な点をふりかえっておきましょう。

(1)パジャマ・パーティー自体はまぁ、プリキュアたち3人+はぐたん+ハリーがあつまって、夜遅くまで起きていてホラー映画見たりたこ焼き食べたり…という、たわいもない展開でした。
でもまぁ、普段はかっこいいほまれ(キュアエトワール)が実はこわがりで、お気に入りのぬいぐるみを抱っこしてないと寝られないとか。そういうエピソードも入ってましたね。このあたりはお子さま向けの展開でしょうか。

あと、3週くらい前にプリキュアたちが職場体験したわけですが、そのときにはな(=キュアエール)がたこ焼き屋で修業したこと。これが何気なくパジャマ・パーティーで、はながたこ焼きをつくる話につながっています。

(2)今日からはぐたん、離乳食を食べ始めました。歯もはぐたん、生え始めました。まずは今回、はなとさあや(=キュアアンジュ)がにんじんの裏ごしをつくって、それを食べさせていたんですけどね。で、何気なくほまれに「もう哺乳瓶でミルクのんでるはぐたんが見られない」と言わせたあと、イクメン風に変身していたハリーに「でも、いろんなことができるようになる姿も見られる」と言わせてました。

(3)そのハリーとはぐたんがいったい、どこから来たのか。それを夜、星空を見上げながら、ほまれが聞きます。ハリーは「遠い未来の世界から自分たちがやってきた。その未来の世界がクライアス社によってつぶされようとしていたので、逃げてきた」と語ります。これが今年のプリキュアの物語のスジですね。

あと、ハリーはプリキュアは4人いること、今の3人がちがった個性をもちながら、そのちがう個性が奏でる音を合わせることで強い力を発揮することも語ります。これはまぁ、先週から登場したメロディーソードをCMを通して売る話につながりますね(笑)

(4)一方、クライアス社は重役たちに呼び出されて叱られた課長・パップルが、休日返上でプリキュアを退治する…といって、小さなトゲパワワを集めて、缶ジュースの自動販売機からオシマイダーをつくりだします。で、ありったけの缶ジュースをつかってプリキュアを攻撃したのですが、缶がなくなって「おしまいだ…」というオチがつく展開でした。もちろん、あっけなくプリキュアに退治されています。

なお、先週プリキュアに倒された=癒された係長のチャラリートは、今週からクライアス社を辞めて、イケメンCMタレントになってました。

(5)そして、いよいよラストの場面です。クライアス社で情報分析を担当しているバイトのルールーちゃん。このルールーちゃんはプリキュアたちの情報が必要ということで、なんとまぁ、はなの家に忍び込むことに成功します。そしてはなの母親に何か仕掛けて、ルールーちゃんが親戚の子どもで、しばらく預かるって話になります。来週の予告編を見ると、ルールーちゃんはプリキュアたちの通う中学校の転校生になっていましたね。

それで、過去のプリキュアを思い出しますと…。なぞの転校生がプリキュアの様子を探る=でも実は敵だったという話は、何度か登場しています(初代のプリキュアのときからそういう話がありました)。また、そうやってプリキュアたちの世界に潜入した敵が、プリキュアたちとかかわるなかで改心して、夏休み前あたりに新たなプリキュアになったという展開も、過去には何度かありました(キュアパッション、キュアビート、キュアスカーレット)。

そんなわけで、もしかするとこのルールーちゃん、4人目の紫のプリキュアになるかもしれませんねぇ。でもまあ、そのためには今の無表情キャラから、プリキュアたちとかかわっていくなかで、徐々に感情を取り戻していく必要があるかと思いますが…(笑)

以上、今日のプリキュアのお話の要点を整理しておきました。


昨日(4月15日)のプリキュアの話です。

2018-04-16 13:43:02 | プリキュア話

昨日は姫路の兵庫県立大学環境人間キャンパスで、いじめの重大事態の事後対応をテーマにした講演をして、夜は懇親会でした。その懇親会のときにもずいぶん、兵庫県立大学の学生さんたちにプリキュアの話をさせていただいたのですが…。でも、昨日は忙しくて、朝、プリキュアは一応見たんですけど、このブログにいつものとおりその感想等々を書くことができませんでした。そんなわけで、先ほど昨日朝のプリキュア、録画でもう一度見直して、コメントをさせていただきます。

いや~結論から先に言えば、今回はゴールデンウィークに不思議な赤ちゃん・はぐたんの人形と、プリキュアたちの新アイテム・メロディソードを売り込むための回になるわけですが。

でも、今回は2月から始まった新シリーズ「HUGっとプリキュア」がどんな物語なのか、ようやくその全体像がおぼろげながら見えてくるような、そんな回でもありました。

そこで、またいつものとおり、今回の放送分の内容を詳しく見ていきましょう。

○オープニング

冒頭は先週、プリキュアたちを守るためにすべてのアスパワワを使いつかいきって、熱出して寝込んでしまったはぐたんの様子から。「自分がプリキュアに変身できなかったせいでこうなった。もうプリキュアになれない」と、はな(キュアエール)は落ち込みます。

○前半
そういうはなを見て、ほまれ(キュアエトワール)は「マジ意味わかんない」と言います。ちょっと余談ですが、「マジ意味わかんない」は、初代プリキュアのうたにでてくる言葉でもありますねえ。

「自分ははぐたんにいっぱい元気をもらったのに、何も返せていない。自分には何もない。ほまれやさあや(キュアアンジュ)とはちがう。もっとプリキュアにいい子がいる。自分はプリキュア失格」というはなに対して、ハムスターみたいなかっこうの妖精ハリーが「それがお前のなりたい野乃はなか?」と言ってしまうわけですが。

「私のなりたい私ってなに? 私はさあやのようにかしこくもない。ほまれのように運動もできない」といって、夜も眠れないはな。そんなはなに母親が「あなたが生まれたとき、とてもうれしかった。あなたが笑うだけで幸せだった」と。でも、はなは「自分はめっちゃいけてるお姉さんになりたい。でもなれない」といって泣きます。そこで母親は「少しおとなになったね。フレフレはな。今をがんばれば、未来はやってくる」と声をかけます。

次の朝「フレフレ私、がんばれ」と自分に声をかけて家をでたはなの前に、ほまれとさあやがやってきます。さあやははなに「いつも頑張り屋で、誰かのためにがんばる。素直で見ているだけで元気になる。だから何もないって言わないで」と。ほまれははなにハグしようと、両腕をひろげます。そこに飛び込んでいくはな。これで3人、元通りですね。

もう、ここまでで放送1回分くらいの内容があるんですけど、まだ前半には話の続きが。

3人がはぐたんとハリーのところに行くと、プリキュアたちにいろんな情報を伝える「ミライパッド」が光ります。どうやらはぐたんの大好きな「のびのびタワー」へ行けというのです。それで、プリキュアたちははぐたんを抱っこして、のびのびタワーへ。

そこではプリキュアたちの学校の同級生・ひなせくんたちが、吹奏楽の演奏をしていました。ひなせくんは以前、はなに「楽器ひとつひとつの個性が合わさると、想像できない力がでる」と語っていました。これがどうも、メロディソードを出す伏線になるわけですねえ。

そして、のびのびタワー・音楽・だっこの3つが「はぐたんの好きなもの」だと気付いた3人。ここで自分たちの心の音を聞かせようと3人ではぐたんを抱っこしたとき、はぐたんは眠りから目覚めて、ミルクをほしがって泣きます。

そのミルクの準備のためにはなが走り出したとき、不思議なオジサンにぶつかります。このオジサン、前にも本を持って現れたのですが。そしてそのオジサン、「あすがなくなろうという世界を守るために、何も持たない少女がたたかう」という話を、なぜかはなに聴かせます。この本の物語がどうやら、今年のプリキュアのストーリーになりそうですね。

一方、クライアス社の方では、暗くて冷たい左遷部屋に押しやられた係長・チャラリートに、パップルが上司の決裁を受けて、怪しげな計画を実行します。それは、チャラリート自体を怪物・オシマイダーにしてしまう計画。オシマイダーになったチャラリートは、のびのびタワーを攻撃しにやってきます。

○後半

チャラリートの攻撃を前に、はな・ほまれ・さあやの3人は変身。はなもキュアエールに無事変身することができて「めっちゃいけてる!」と喜びます。そんなプリキュアたちの様子を、ほまれのスケート仲間・アンリくんが見つめていたりします。

また、チャラリートが壊したビルの下敷きになろうとしたえみるちゃん(この子、前々回にあたりに登場したはず)を守るために、キュアエールはその壊れたビルをひとりで持ち上げてしまいます。そして、キュアエールが「大丈夫、私が守る。私は逃げない、プリキュだから」「みんなの笑顔が好き、みんなを元気にしたい。フレフレみんな、フレフレわたし」と言ったとき、プリキュアの剣が登場します。それを握ると力がプリキュアたちにみなぎるようで・・・。

その剣が出た場面のあと、先ほどの不思議な本のオジサンが出てきて、またまた「少女は剣に選ばれ、民衆と共にたたかう」と、なぞのせりふを語ります。

そして、キュアエールがチャラリートにその剣でとどめをさそうとするのですが…。でも、そのとき、キュアエールは怪物になったチャラリートの中に、悲しくてつらい気持ちの本物のチャラリートの姿を見てしまいます。ここからチャラリートは「苦しい、心が苦しい。いつも中途半端、何もできない。何もがんばれない。オシマイダー。何の才能もない、何ももってない…」と、心の叫びを訴えます。

それを聴いたキュアエールは剣を捨て、「これは私のなりたいプリキュアじゃない」と。そして、なんとキュアエール、チャラリートを抱きしめます。ハグですねえ。「敵とハグする」とか言うと、ここ最近の内田樹さん(うちの大学の客員教授ですが)の話を思い出します。

また、キュアエールはチャラリートをハグしながら、「心の苦しさはわかる。自分もそうだから。私もがんばればいことがある。大丈夫、その気持ち抱きしめるから」と語りかけます。このあたり、例年のプリキュア同様「敵を倒す」のではなくて、敵のなかにある良心を目覚めさせたり、敵のなかにある傷つきを癒してしまって、敵対的な行為をさせなくする。そんな流れで今年の物語も展開していく感じですね。

そういうはなの話を受け止めたのか、先ほどのプリキュアの剣は、エールタクト・アンジュハープ・エトワールフルートの3つの「メロディソード」になります。ここから先は「心のとげとげ飛んで行け」「トリニティコンサート」「エール、フォー・ユー」とか言って、そのメロディーソードで合奏をして(=ここでさっきのひなせくんの吹奏楽の話が効いてくるわけです)、チャラリートを癒してしまいます。

癒されたチャラリートは「あったけぇ、未来が見える…」とか言って、どこかへ行ってしまいます。その様子を見たクライアス社のバイト・ルールーちゃんは「プリキュア、理解不能」と。そしてアンリくんは「これが私の応援か。やるじゃないか」と一言。何回か前にはなに対して、アンリくんは応援するだけで何もできないって言ってしまいましたからねぇ…。

○ラストの場面

まあ、2回に分けて放送してもいいような内容を1回にまとめて放送したわけですが…。ラストははながはぐたんを抱っこして、「はぐたん大好き、大切だよ」「はぐたんのためならがんばれる」と言ったら、はぐたんが「んま~。まま~」と言ったところで終わりですね。

こんな感じで、たった1回30分(CM除くと実質25分)の物語のなかに、これまで2か月ちょっとの物語の総括と次の物語や今年の物語全体への伏線をはる作業、そして新アイテムの登場とそれに対応するプリキュアたちの成長等々、いろんな要素を詰め込んだのが今回のお話でした。



今日(4月8日)のプリキュアの話です。

2018-04-08 09:31:36 | プリキュア話

おはようございます。

日曜日朝ですので、今日もいつものとおりプリキュアの話から。

いや~。今朝のプリキュアは奥が深い。

というか、来週から新アイテム登場=はな(キュアエール)、さあや(キュアアンジュ)、ほまれ(キュアエトワール)の3人の合体技を登場させるために、こういう展開をしたんですね~。そのことはCMと次週予告でわかりましたが(笑)

さて、今年のプリキュアたちは「職場体験」が1年間の大きな物語の柱になっています。なにしろ、プリキュアたちの職場体験レポートを、はなちゃんの母親=タウン誌記者が取材をして、雑誌の連載にするということが、2月中旬あたりの回ですでに示されていましたので。

そんなわけで、今回はその連載初回のネタとして、プリキュアたちの暮らす街のフードフェスティバルで、出店している食べ物のお店を3人が手伝って、それを雑誌の記事にするというお話です。

ただ、ミライパッドという道具をつかって3人が衣装チェンジをするんですが、さあや・ほまれはかわいらしいウェイトレスの衣装になれたのに、なぜかはなちゃんだけがたこ焼き屋の衣装に。このとき、ハムスターみたいなかっこうからイクメン風に変身した妖精のハリーは、「ミライパッドには何か考えがある」と言います。

その後も、さあやはすべての店のデータをミライパッドに入力して、それを見せながらお客さんの誘導を。ほまれは得意のスケートを活かして、ローラースケートを履いてお客さんに注文された料理を届けることを。それぞれ、自分の特徴を活かした働き方をします。

その一方で、たこ焼き屋の手伝いをはじめたはなちゃんは、頑固一徹の店のおじさんに「黙っていろ」と言われ、することなくてしょげています。途中で出会った吹奏楽部の男の子に、吹奏楽の楽器がそれぞれちがった音を出して、ひとつのハーモニーをつくるみたいに、はなちゃんにははなちゃんにしかできないことがあるってはげまされるんですが・・・。それでも、自分はさあや・ほまれのようにはなれないといって、落ち込んでいきます。

ただ、はなちゃんは「ためしに一個食ってみろ」とたこ焼き屋のおじさんに言われて食べてみたとき、アツアツのたこ焼きたべてハフハフしながら、大声で「おいしい、おいしい」と連呼してしまいます。その様子を見て、どっと周囲の人から笑いが起こります。そのあと「たこ焼きください」とお客さんが来るんですが…。でも、はなちゃんはますます自信喪失して、その場から走り去ってしまいます。

そんなはなちゃんを、不思議な赤ちゃん・はぐたんをつれてハリーがはげまそうとしたとき…。敵・クライアス社のパップル課長がやってきます。パップルはなかなかプリキュアを倒せず、部長に叱られて左遷の危機にあります。今度こそ自分が倒すとやってきたパップルは、たこ焼き屋のおじさんから出たトゲパワワ、それも、もっとはなちゃんにやさしい声をかけてやればよかった…みたいな思いから、怪物オシマイダーをつくります。

そのオシマイダーを倒そうとはなちゃんはプリキュアに変身しようとするのですが、でも、何度試みてもアイテムが反応せず、なぜか変身できません。また、さあやがキュアアンジュ、ほまれがキュアエトワールに変身してオシマイダーを倒そうとするのですが、2人だけではなかなか倒せません。

そして、オシマイダーがプリキュアに変身できたふたりだけでなく、はなちゃんやハリーまで圧倒的な力で倒しにかかろうとしたとき・・・。なんと、ハリーに抱っこされていたはぐたんのおでこが光って、そこから強い力が生まれて、オシマイダーを倒してしまいます。

でも、その強い光の力を放ったはぐたんは、そのあとぐったりしてしまいます。プリキュアたちがいくら声をかけても、何も反応しません。そして、はなちゃんはまたまた、はぐたんを守れなかった…と落ち込んでいくわけですね。

今回の物語は、なんとまあ、ここで終わっています。

これ、お子さまたちが見たら「来週どうなるんだろう?」「プリキュアたち、大丈夫なの?」「はなちゃん、どうするんだろう?」って、ちょっと不安になる展開ですよねえ。

ただ、ここ2~3回の物語のなかで、さあや・ほまれだけが自分のよさや本当の思いに気づいて、新しい「ミライクリスタル」(=これがないと変身できない)を手にしているなかで、はなちゃんだけがそれを手に入れることができない。では、はなちゃんはどうすれば新しいミライクリスタルに出会えるんだろう…という流れが作られていたように思います。なのでおそらく、次週はその新しいミライクリスタルをはなちゃんも手に入れるし、そこでさらに新しいアイテムが登場してプリキュアたちがパワーアップという流れになるんでしょうね。

それと、プリキュアたちがすんなりと何事もうまくいくのではなくて、それぞれがそれぞれの形で、挫折や劣等感、自分のダメさ加減と向き合いながら成長していくということ。これは初代のプリキュア以来続いている物語の流れでもあります。でも「思うように変身できないプリキュア。それも主役ともいうべきピンクのプリキュアが変身できない」展開というのは、けっこう珍しい流れのような気もします。

そんなわけで「奥が深いな~」と今回も思った次第です。


昨日(4月1日)のプリキュアの話です。

2018-04-02 16:33:19 | プリキュア話

昨日はうちの大学の入学式。朝から大学に行ってました。

なので、プリキュアを見ることができませんでした。

今日は一日休みなので家にいるんですけど、原稿書いているのにつかれてきたんで、さっき昨日のプリキュアの録画を見ました。

さて、今回のプリキュアは、はなちゃん(=キュアエール)たち3人のプリキュアが不思議な赤ちゃん・はぐたんを連れて、山へハイキングに行くというお話。そのハイキングに行った山で、はなちゃんの妹たち小学校6年生の子どもたちや、はなちゃんの同級生で吹奏楽部の男の子(=山のなかでトランペット吹きたかった子)も合流します。で、山のなかでいっしょに歌をうたったりしているわけです。

さて、その6年生の子どものなかに、えみるちゃんというとても心配性の子どもがいまして・・・。この子がハイキングに行くのが不安で、リュックのなかに「何かあったときに使えそうなもの」をいっぱい詰めているので荷物が重くなったり、「石橋をたたいて渡る」といって、ほんとうにリュックからハンマーだして壊してしまったり、という展開でした。

ただ、そんなえみるちゃんを見ていて、はなちゃんはふと気づくことがありました。それは、トゲの多い花を見て他の子にさわらせようとしなかったり、結局たたき壊した橋はもともと「危険」なところで、別ルートを調べていたりもするわけですね。それはどうやら、えみるちゃんが「みんなで楽しくハイキングを」と願ってのことだと、はなちゃんは気付いた次第です。後述するように、えみるちゃんとはなちゃんは穴のなかに落ちるのですが、そこではなちゃんは、えみるちゃんは「隠れたヒーロー」なんだと言います。

一方、山のなかでうたっているときに、はぐたんを喜ばせようと、はなちゃんがタンバリンをとり出したのはいいものの、そのタンバリンがどこかへ飛んでいき、結局、サルたちがどこかへ持って行きます。そのサルを追いかけているうちにはなちゃん、えみるちゃんは迷子になります。そして、はぐたんが大きな穴のふちにある白い花を触ろうとしているのを「あぶない!」と言って止めようとしたとき、はな・えみる・はぐたんの3人で、大きな穴に落ちます。

その穴のなかで、えみるちゃんは「誰も助けに来ない・・・」と不安になります。でも、はぐたんがおなかをすかせて大声で泣き出したときに、えみるちゃんが美しい歌声でうたいはじめます。その声ではぐたんは泣きやみ、さあや(=キュアアンジュ)・ほまれ(=キュアエトワール)も歌声を聴いて、ふたりの落ちた穴を見つけて助け出します。

そんなプリキュアたち3人とはぐたん、えみるちゃんのところへ、今回もクライアス社のパップルがオシマイダーを発注してやってきます。なんと今回のオシマイダーは、サルたちがタンバリンの取り合いをしているときのトゲパワワからつくられます。

そのオシマイダーを退治するために、プリキュアたちははぐたんをえみるちゃんにあずけて、オシマイダーとたたかいます。その様子をえみるちゃんはしっかりと見ているわけですね。ここで特にキュアエールのたたかっている姿を見て、えみるちゃんはなにか、感じとったようです。そしてオシマイダーが去ったあと、えみるちゃんは普段の姿にもどったはなちゃんに、「はな先輩」と声をかけてましたね。

あと、ラストの場面で、タンバリンを持って行ったサルが、はなちゃんのところにそれを返しにやってきました。どうやらはなちゃんとサルの間で、何か気持ちが通じ合ったようです。そうそう、今回はオープニングで先週の内容をふりかえるとき、はぐたんがいつもの「はぐ~はぐ~」という赤ちゃん言葉で説明しておりました。

まあ、こんな感じで、今回はおだやかというか、のんびりというか、そういう展開の回でしたね。