できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「やはり、そうだったか」という感じ

2012-02-27 18:08:39 | ニュース

http://sankei.jp.msn.com/smp/politics/news/120227/stt12022700200000-s.htm (安倍元首相、維新・松井大阪府知事“エール交換” 教育で意気投合 保保連立も視野?:MSN産経ニュース2012年2月27日付け)

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120217/plc12021707180002-n1.htm (【金曜討論】「教育関連条例」八木秀次氏、高橋寛人氏:MSN産経ニュース2012年2月17日付け)

私にしてみれば「やはり、そうだったか」という感じですね、このどちらの記事も。

八木秀次氏らの「日本教育再生機構」(http://www.kyoiku-saisei.jp/index.html)は、わかりやすくまとめれば、イギリスのサッチャー政権期の教育改革の取り組みに学べ、アメリカのレーガン政権期以来の公教育への危機感や取り組みに学べ、という路線です。また、この団体、元首相の安倍晋三氏ともかかわりの深い団体でもあります。なにしろ安倍政権期にも「教育再生会議」が中心となって、教育改革をすすめようとしていましたしね。

一方、このブログで先日、「落ちこぼれゼロ」法以来、この何年かのアメリカ教育改革が何を学校にもたらしたかを特集した毎日放送VOICEの番組を紹介しました。そこでもサッチャー政権期の教育改革が「落ちこぼれゼロ」法のモデルだとか、大阪の「教育基本条例案」もサッチャー政権期の改革をモデルにしているという話がでていたかと思います。(毎日放送のVOICEの2012年2月17日の特集で、この話がでています。テキストバージョンですが、内容は次のページで確かめられます。http://www.mbs.jp/voice/special/201202/17_217-1.shtml )

こういうところで、「教育再生会議」以来の教育改革、教育運動の流れと、大阪の「教育基本条例案」制定を推進する流れは、きっとどこかで重なり合うあろうなと、私は前から思っていました。そのことは以前、このブログでも書いたかと思います。ワタミの会長と大阪府の教育委員・陰山英男氏をつなぐラインは、「教育再生会議」だ、といった形で。また、2月19日(日)の公教育計画学会の研究集会でも、私は「教育再生会議」の報告に盛り込まれている教育改革構想と、大阪の「教育基本条例案」や橋下教育改革の諸提案との類似性という話をしました。

上のMSN産経ニュースの記事を見ていると、まさに、その頃から感じてきた予感が当たった感じ。あらためて、「やっぱり、そうだったか」という思いを深めました。

それにしても、この手の発想で「教育再生」を追求すればするほど、日本の学校教育ってだんだんおかしな方向に進んでいるように思うのは、私だけですかね? 


教育基本条例の修正2案も法的には問題だらけ??

2012-02-24 12:16:50 | ニュース

「1.docx」をダウンロード

昨夜、公教育計画学会のメーリングリスト経由で、市川昭午さん(国立教育政策研究所名誉所員)がまとめられた、教育基本条例の修正2案(教育行政基本条例、学校基本条例)へのコメントが届きました。これを、ひとまず、このブログにアップしておきます。

ちなみに市川さんは、国立教育政策研究所などで長年、研究をつづけてこられた大ベテランの教育行政学者。また、市川さんは去年の暮れに、『大阪維新の会「教育基本条例案』何が問題か?」(教育開発研究所)を出版され、前の教育基本条例案を逐条解説的に検討し、「制定の必要がない」「適法性を欠く」「効率性も有効性も期待できない」など、厳しいコメントをしています。今回の文書は、その本の延長線上でのコメントにあたります。

中身は直接、市川さんの文章を読んでいただくのがいいのですが、たとえば今回の文書でも冒頭「はしがき」で、市川さんは次のように指摘しています。色を変えて表記しておきます。

〇教育二条例(案)は昨年秋の教育基本条例(案)と比べて簡単となり、また内容的にも国の法令が定めるところに近づいてきている。しかし見方を変えるならばそれだけ改めてこの二条例を制定する乏しくなったといえよう。このように教育二条例(案)は前案と比べれば若干穏当な内容になったものの、以下に指摘するようになお幾つかの問題点が残されている。

〇さらに見落とされてならないのは、職員基本条例(案)が相対評価について定めた第十五条を除き、府立学校教職員に全面的に適用されることになったことである。教育二条例(案)の内容が簡単となったのはそのためでもある。前案では職員条例(案)のうち学校教職員に適用されるのは、主に給与その他の勤務条件だけであり、任用、人事評価、懲戒処分・分限処分などは教育基本条例(案)で独自に規定されていた。

これ以降、市川さんは教育行政基本条例案・学校基本条例案の2条例案の内容について、各条文の内容をていねいに検討しながら、批判されています。このなかにはやはり、教育基本法や地方教育行政法等、現行の教育法例の趣旨にこの2条例案の中身が反しているとの指摘が多々見られます。

なお、詳しいことは、上記の市川さんの文書を直接、読んでご確認いただければ幸いです。


子どもたちの学ぶ権利を脅かしたいのか?

2012-02-22 16:43:27 | ニュース

本当は2月19日(日)の公教育計画学会の研究集会の報告ですとか、先日公表された「教育基本条例」「職員基本条例」の修正案のことですとか、いろいろと書きたいことがあります。ですが、ここ数日体調が思わしくないので、更新が途切れました。申し訳ないです。

それから、今日は急いで次のことだけコメントを書いておきたいと思ったので、まずは、そちらを優先します。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120222k0000e040179000c.html (橋下市長:小中学生に留年検討、大阪市教委に指示:毎日放送2012年2月22日付ネット配信記事)

まず、そもそも「強く要請・要望」というならさておき、市長が市教委に「指示」できるという見出しの付け方自体、教育委員会の独立性という観点から見て、この新聞記事、おかしいんですけどね。そこはツイッター上で誰も指摘していないので、そこを言っておきます。

次に、確かに現行の教育制度上も、学校教育法施行規則第57条(課程の修了・卒業の認定)や第58条(卒業証書の授与)の規定に即して考えれば、「平素の成績」がよくないゆえに学校長の判断で「原級留置」すなわち「留年」は可能です。このことは、教職課程の各科目の授業でよく話します。なお、この57条・58上のことは、次の54条・56条とともに、基本的に小学校教育にかかわる規定ですが、第79条で中学校にも準用されるので、小中学校両方あわせてのことと理解してください。

その一方で、本来であれば、学校は子どもたちの心身の状態に対して、第54条(履修困難な各教科の学習指導)や第56条(不登校児童を対象とする特別の教育課程)などの項目もあわせて適用して、学習指導要領の枠を離れてでも適切なカリキュラムを組み、学習指導を行っていく必要があります。場合によれば、「今はしばらく学習の進度なんて度外視しても、まずは心身の回復に努めるべき」だという子どもの状態だってあるからです。また、その場合は「学習の進度」よりも「心身の状況」を見て、学校として「進級」という判断をすることだってありうるのではないか、と考えます。

とすれば、この毎日新聞のネット配信記事にあるように、大阪市教委が橋下市長の「強い要請」に応えて公立小中学校で一律に目標を設定し、それに到達しなければ留年という方法をとることは、かえって学校現場で教員が子どもの状態を見ながら柔軟に対処することを妨げ、子どもにとっても教員・保護者にとってもマイナスにしかならないことがある、ということになるでしょう。なぜなら、今はとても心身の状態から見て学習できるような状況にない子どもにも、一律に目標を課し、達成を求めていくわけですからね。

このような橋下市長の要請や、それを受けての大阪市教委の対応は、今後、不登校状態や、何らかの形で学校不適応を起こし始めている子どもたちを、さらにどん底に突き落とすだけの施策にしかならないのではないでしょうか。

だから、このような施策は、今後、大きな子どもの人権侵害を引き起こす危険性のある施策だと、少なくとも私は思います。「こんなこと、やめてくれ。もう教育について何も言わない、何もしないで」と思うのは、私だけでしょうか。

ちなみに、満15歳に達した後の段階で原級留置になった子どもは、「満15歳に達した日の属する学年の終わり」までが保護者の就学義務の適用期間なので(学校教育法17条参照)、いわゆる「学齢生徒(児童)」の年齢を越えて義務教育を修了していない子どもになります。

このような「学齢生徒(児童)」の年齢を越えて義務教育を修了していない子どもについては、学校教育法11条の「児童・生徒・学生の懲戒」と、学校教育法施行規則26条の「懲戒」の規定に従って、学校長から「退学」を命じることが可能になります。

具体的にいうと、「学齢生徒(児童)」の年齢を越えて義務教育を修了していない子どもについては、たとえば「性行不良で改善の見込みがない」「学力劣等で成業の見込みがない」と認められる者や、「正当な理由がなくて出席常でない者」や「学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者」については、公立の小中学校在籍であっても、学校教育法施行規則26条の規定にもとづく「退学」が可能です。保護者の就学義務年齢を越えて在学している子どもだから、という説明になるでしょうか。

だから、この大阪市内の公立小中学校に「留年」をどんどん適用して行こうとする施策は、結果的に義務教育を修了しないまま、学校教育の場から「退学」等の形で姿を消すかもしれない子どもを増やしていくことにつながりかねない。子どもの学ぶ権利、教育を受ける権利を侵害する危険性のきわめて高い、乱暴な施策ではないかと思います。

一刻も早く、こうしたむちゃくちゃな要望は撤回してほしいですし、大阪市教委が冷静に判断して、こんな要望を受け入れることを拒否することを願っています。


昨日の毎日放送VOICEの特集を見て

2012-02-18 20:56:01 | ニュース

http://www.youtube.com/watch?v=kR5V2fn4Lws (2月16日、毎日放送)

http://www.youtube.com/watch?v=nFVTF0rRyXs (2月17日、毎日放送)

今週16日(木)夜に引き続き、昨日17日(金)も、毎日放送のニュース番組VOICEで、アメリカ教育改革の現状を特集した番組が放送されました。

16日の論調と同じく、基本的には「落ちこぼれゼロ」法以来のアメリカの教育改革は「失敗」であり、その「落ちこぼれゼロ」法と同じく、イギリス・サッチャー政権期の教育改革をモデルにした大阪の教育基本条例案には問題が多いということ。そのことを、17日(金)の放送でも指摘していました。

特に17日の特集でも、ダイアン・ラヴィッチ(動画では「ラビッチ」とテロップがでてたかと)という女性の教育学研究者に、あらためて大阪の教育基本条例案の英訳を読んでもらって、コメントをとっていました。こんな「罰・罰・罰」で教員を脅かすような改革では、まともな教員は逃げ出す、という趣旨のコメントだったかと思います。

ひとまず、詳しいことはユーチューブで実際に動画を見ていただく方がいいので、2日分、上記にURLを書いておきます。もしかしたら動画が削除されるかもしれないので、お早めに。

あと、大阪維新の会のなかでも堺の市議団は、下記のブログにあるとおり、今度の市議会に教育基本条例案を出すのをあきらめたようです。維新の会の大阪市の市議団と府議団も、ぜひ、そういう方向にもっていくよう、大阪市長と大阪府知事に働きかけてほしいものです。この毎日放送VOICEの伝えるところを見て、多少なりとも大阪維新の会の府議団・市議団に良識があるのならば、ですが。首長の言うことに賛同するだけの議員団でないことを願います。

http://blog.livedoor.jp/woodgate1313-sakaiappeal/archives/3104851.html


市職員アンケートは「凍結」ではなく「撤回・破棄」及び「謝罪」が必要

2012-02-17 19:25:01 | ニュース

いま、ツイッターを見ていたら、大阪市職員の組合活動や政治活動に関するアンケート調査の結果を封印・凍結して、市労連からの府労働委員会への救済申立ての結果を待つよう、橋下市長サイドの方針が変わったとか。具体的には、次のネット配信ニュースで見ることができます。

http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012021701001973.html (職員アンケート開封凍結、大阪市労連の申立てで:共同通信2012年2月17日付配信記事)

ただ、この記事からもわかるとおり、あくまでも調査の実務を担当する特別顧問のレベルで、データの開封や集計作業を凍結するというのみ。先日、この調査について自分に「全責任」があると言った橋下市長ご本人は、朝日新聞の「橋下番」ツイッターによると、このように答えているようです。

速報的につぶやきます。大阪市職員アンケート問題で、市側の調査担当の野村弁護士は調査を「凍結」することを明らかにしました。事態が大きく動きました。橋下氏は「僕自身は問題ないと思っているが、弁護士の判断に委ねる」と発言。(以上、朝日新聞・橋下番のツイート:2012年2月17日、18時22分)

ですから、このツイートからもわかるように、あれだけ憲法違反・違法などの指摘を日弁連や大阪弁護士会など各地の弁護士会から受けたり、市労連が救済申し立てを行ったり、各地の労働組合ほかさまざまな団体・市民から受けているにも関わらず、橋下市長そのものは、この調査は「問題ない」と思っているわけです。

ただ、この間、いろんな立場から声をあげて徹底的に批判・非難をすることが、彼らの動きを止める、方向転換する。そういうことだけは、この一件でも確かかと。なおかつ、彼らはやはり、理路整然と根拠を示しながら、法的なスジ道論で攻められるのが嫌なのだということも、この一件からわかります。なにしろ、弁護士会や労働組合を含め、いろんな人たちが声を上げていかなければ、このような「凍結」という動きすら出なかった危険性があります。

もっとも、こういう調査は「凍結」ではなくて、そもそも実施すること自体に問題があるというのが、この間の弁護士会や労働組合側の主張。私もそう思いますし、だとしたら、いまだにデータが特別顧問などの側にあるということ自体を早急に解消するとともに、関係者に多大な迷惑や心身の苦痛を与えたことを謝罪するよう求める必要があると思います。

ですから、引き続き、この調査の違法性や憲法違反などの問題を声を出して指摘し、調査結果の封印・凍結ではなくて、調査そのものの撤回・データの廃棄、そして市労連その他の市の職員労組、関係する人々への謝罪を橋下市長に求めていく必要があると思います。

ちなみに、橋下市長。昨日の毎日新聞VOICEの特集にはかなりいらだったようで、相当、そのことをツイッター上にぶちまけていた様子です。このことは、次の「堺からのアピール」のブログでわかります。

http://blog.livedoor.jp/woodgate1313-sakaiappeal/

しかし、いくら彼がいらだったところで、アメリカでの「落ちこぼれゼロ法」以来の教育改革が、短期的には学力向上等の成果を上げたように見えて、長期的に見れば教員不足など教育環境の崩壊を招き、かえって学校教育を混乱と荒廃に導いたことは明白。そして、そのアメリカの教育改革をモデルにしたように、学力向上策で効果をあげない学校を統廃合したり、教員を辞めさせるような仕組みを持ってきても、日本でもうまくいかないだろうということが、これではっきりとしてきたわけです。

要するに、今までは橋下市長サイドが、お得意のテレビをつかった情報発信によって、こういった問題点や批判を今まで隠してきただけ。マスメディアで流す情報を巧みに操ることによって、自分たちの主張をいかにもよきものに見せてきただけ。そのことが、だんだん事実が明るみにでることで、ここへきてもう、うまくいかなくなってきたのではないか。そんな風にも今の状況をみることができます。

やっぱり、徹底的に「だめなものはだめ」「おかしいものはおかしい」と言い続けること。また、理路整然と法的なスジ道で議論を組み立てたり、きちんと調査したり検証したりしたうえで、彼らの流す情報に対抗していけるような情報を発信すること。こういったことが大事かもしれませんね。あらためて、このことを今日は感じました。

あと、特別顧問という立場にせよ、維新の会の議員や支持者にせよ、市職員などの形で橋下市長をサポートする立場にいるにせよ、彼の打ちだす施策や政治的な手法に下手に「協力」をすることは、結果的に自分の立場を相当危うくすることもあるのではないでしょうか。特にこのアンケート調査を担当している特別顧問は、弁護士です。日弁連や各地の弁護士会から違法性や違憲の疑いという観点から、調査中止等を求める声明をぶつけられるということは、この特別顧問にとって、本来であれば相当、不名誉なことではないのでしょうか。そういうところを、この特別顧問はどう考えているのか。ぜひとも知りたいところですね。


今日の毎日放送VOICEの特集を見て

2012-02-16 19:08:19 | ニュース

今日の夕方6時15分から、大阪・毎日放送の番組VOICEで、アメリカの「落ちこぼれゼロ」法後の教育の状況を取材した特集が流れました。今日はワシントンDCの教育改革の状況、あしたはニューヨークの状況のようで、2日間続けてこの特集があるようです。

ちなみに、このワシントンDCの教育改革というのが、番組を見ると、まさに「学力向上」のために教育目標を設定し、学力テストなどでその達成度を測って、達成できていない学校を閉じたり、その達成に力を発揮できない教員を解雇するといったもの。「これって、大阪の教育基本条例案が目指そうとしている方向性と似ているのではないか?」というのが、おそらく、この番組の取材チームの意図でしょう。

それで、確かにこういう教育改革をするなかで、一時的には学校の雰囲気は変わって、学力は向上した面もあったようです。しかし長い目で見たときには、この教育改革、学校のリストラや教員の整理解雇にだんだん重点がシフトしていき、たとえばベテランの教員が辞めさされたあとに補充がうまくいかなくなり、教員不足が生じるなど、かえって教育環境が悪くなったとか。その結果、逆に学力低下を招いている面もあるようです。

この特集の最後のほうで、アメリカの教育学者であるダイアン・ラヴィッチに、大阪の教育基本条例案の英訳を読んでもらうシーンがありました。彼女はその英訳を読んで、「罰・罰・罰」で「自分が教員なら、ここから逃げ出す」という趣旨のコメントをしていました。また、「落ちこぼれゼロ」法以降の教育改革についても、結果的にそれが教育財政の削減などにつながり、失敗したのではないか、と彼女は述べていました。

この特集、少なくとも今日の分を見るだけでも、「なかなか、毎日放送、よくやったじゃん」と思いました。あしたの分も録画してみようと思っています。と同時に、今度は新聞や雑誌などの活字メディアで、このアメリカの教育改革が結果的にどうなったのかを紹介して、映像ではなくて文字媒体できっちりと記録に残していくこと。また、映像メディアで今日のVOICEのように流れたニュースも記録して、いろんな場で見ることができるようにすること。そのことが大事になってくるかと。少なくとも、今日、このVOICEの特集を見た人が、ブログやツイッター、フェイスブック、さらには口コミ等々、いろんな場面でこの大阪の教育基本条例案の問題にひきつけて、「アメリカで失敗した教育改革のマネしてもしょうがないよね!」ということが大事だろうな、と思います。

あらためて今日は、このVOICEの特集を見て、「落ちこぼれゼロ」法的な教育改革を目指す大阪の教育基本条例案がいかにダメか、いろんな観点から情報を発信していくことが大事だと思いました。


「違法な上司の命令」に部下は従う必要はあるのか?

2012-02-15 22:41:23 | ニュース

最近、このブログをツイッターやフェイスブックなどで紹介してくださった方がいるようで、ここ2~3日、アクセス数が急増しています。たいへんありがたいことです。この場をお借りして、あらためてアクセスしていただいたみなさんに、お礼を申し上げます。

さて、今日はやはり、例の大阪市職員の組合活動や政治活動に関するアンケート調査の件でしょうか。これについては、次のような記事が出ています。

http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK201202150019.html(橋下市長、職員調査「法の範囲で」質問の見直し示唆:朝日新聞ネット配信記事2012年2月15日付け)

http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK201202140023.html?ref=recc (「大阪市の職員調査は不当」労組、府労委に救済申し立て:朝日新聞ネット配信記事2012年2月14日付け)

いよいよ大阪市の職員労組側も、黙ってはいられないということで、抗議や救済申し立ての動きに本格的に動き始めたようですね。また、ツイッターなどを見ていますと、全国各地の弁護士会や労働組合などからも、このようなアンケート調査を実施しようとする橋下市長への批判、抗議などが相次いでいるようです。

さらに、大阪市教委は次の記事にあるとおり、このアンケート調査を市の教職員に実施することをいったん、見合わせたようです。(ただし、教育基本条例案の修正案は、この前の府の修正案を前提としたものを議会に出すようですが。)

http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK201202140054.html (事務局が教育基本条例素案を提出、大阪市教委:朝日新聞ネット配信記事2012年2月14日付け)

そして、今日の一番上に紹介した記事にあるように、「質問の見直し」ということに一応、橋下市長も話をもっていかざるをえない段階に来ているようです。また、この記事の最後にあるように、このアンケート調査について「全責任と全権限は僕にある」と橋下市長は言ったわけです。ということは、この調査に憲法違反その他の法令違反があるとすれば、それは市長の責任。なにしろ、この調査に関する「全責任と全権限」は市長にあると、マスメディアを通じて自ら言ったわけですから、もう逃げられませんね。

ちなみに、大阪弁護士会は下記のとおり、このアンケート調査の実施について、職員の「思想信条の自由」「政治活動の自由」「労働組合活動の自由」の侵害の危険性を指摘しています。つまり、憲法違反の疑いが濃い調査だと、大阪弁護士会は言うわけです。

http://www.osakaben.or.jp/web/03_speak/02_seimei.php (大阪弁護士会会長声明:大阪市職員に対する労使関係に関するアンケート調査の中止を求める会長声明)

これに対して、下記のスポーツニッポンの記事にあるように、橋下市長は弁護士会の言うことはあてにならないといった趣旨のことを述べているようですが、はたして、そんな言い逃れは通用するのでしょうか? この際、橋下市長は率直に自分の非を認め、関係者にマスメディアを通じて謝罪し、調査を中止するべきではないのか、と私は思います。

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/02/14/kiji/K20120214002635640.html (大阪弁護士会が反対声明も・・・橋下市長「弁護士会、あてにならない」:スポーツニッポンネット配信記事2012年2月14日付け)

なお、前にも紹介しましたが、大阪市役所に対して、私は以前、下記のとおり、「違法な上司の命令に対して職員は従う義務はあるのか?」ということを問い合わせ、大阪市総務局側の回答とともにこのブログに掲載しました。あらためて、ここでそのことを紹介しておきます。

<2006年9月26日のこのブログの記事より>

前略、いつも私の「市民の声」からの質問に対して、ごていねいにお返事をいただきありがとうございます。昨日も、市民局長名でお返事をいただきました。その内容についてあらためてご質問したいこともあるのですが、それは別途連絡することとして、今回は昨今流行のようになった「コンプライアンス(法令順守)」についてお伺いしたいと思います。
 さて、私の手元にある『解説教育六法(2006年版)』(三省堂)では、地方公務員法第32条で、「法令等及び上司の職務上の命令に従う義務」が定められています。これがいわゆる「コンプライアンス」の地方公務員法上の根拠になるものと思われます。
 と同時に、この条文を読んでいて、ふと疑問に思ったことがあります。
 それは、もしも上司が、地方公務員法第32条にいう「法令・条例・地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程」を「逸脱」あるいは「無視」する職務命令を出した場合、はたして、大阪市職員に「上司の命令に従う義務」は生じるのかどうか、というところです。
 地方公務員法の建前からすると「上司の命令」に従う必要はあるが、その「上司の命令」がそもそも「法令等の趣旨を逸脱あるいは無視している場合」はどうなるかという問題は、かなりコンプライアンス論の根幹にかかわる問題だとは思います。
 なかなかそう簡単には答えが出せないと思いますが、この点について、大阪市当局としてはどのように考えておられるのか、お聞かせいただければ幸いです。
 お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。 草々

<2006年10月26日のこのブログの記事より。大阪市総務局からの回答>

 違法な職務命令については、当該職務命令に重大かつ明白な瑕疵がある場合には従う義務がないと考えております。もし、上司が違法な指示をしたときには、部下は意見を述べ上司の再考を促すことができます。しかしながら、通常の業務遂行においては、そのような事態は少ないと思われます。
 本市では、コンプライアンスの観点から、違法な命令が発せられるといった事態に陥らないよう、普段からコンプライアンス意識を養い、法令の知識を習得し、また、いつでも上司と部下が相談できる風通しの良い職場づくりを心がけるなどの日常の取り組みが大切と考えております。
 そこで、本市では本年9月から、職員のコンプライアンス意識の向上等を目指して「コンプライアンス研修」を実施しています。

ところで先日、テレビでスクープとして取り上げられた市の職員労組の一件、あれはどうなったのでしょうか? 大阪維新の会の市議がテレビに出て、内部告発から出たこの件を取り上げていたそうですが、続報がでませんね。どうなっているのかな?

それと、大阪都構想のほうですが、あれも今、どうなっているのでしょうかね? なんか、いろんなことが「言いっぱなし」になっていて、「その後どうなったか?」が全然伝わってこないのは、なぜでしょうかね?


都合のいいところだけ「子どもの声を聴く」と言わないで。

2012-02-13 17:46:00 | ニュース

http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK201202130070.html (橋下市長、教員の懲戒処分「生徒の声、反映を」:朝日新聞関西ネット配信記事、2012年2月13日付け)

「生徒を中心に考える価値観への転換」が本当に大事ならば、そもそも、「教育基本条例」や「職員基本条例」「君が代条例」等々、この間、橋下氏ら大阪維新の会が作ってきた数々の条例や、この間行ってきた数々の教育・子どもに関連する施策自体、一から問い直しが必要なのではないでしょうか。

この間、一度でも、子どもたちにこうした条例の趣旨など、彼らがきちんと説明したことあるのでしょうかね? そのうえで、子どもの意見を聴いたことなど、あったのでしょうかね?

自分たちの都合のいいところだけ、「子どもの声を聴く」という話を持ち出してほしくない。

それこそ、本当に「生徒を中心に考える価値観への転換」が大事ならば、教員の懲戒処分等の場面だけでなく、日常的な学校運営のあらゆる場面において、子どもの側の意見を聴き、その要望などをできるだけ尊重する取り組みが必要なのではないでしょうか。

また、そのような運営をする学校をできるだけ支えるべく、学校の現場サイドからあがってくる声を教育委員会や首長として聴き取って、その要望を実現するべく全力で動かなければいけないのではないでしょうか。

このような「子どもの意見を尊重する」学校の姿、現場教職員の動きと、それをささえる教育行政や首長の動きというのは、いま、教育基本条例案や職員基本条例案に反映されようとしている「トップダウン」「政治決定」を現場に押し付ける動きとは正反対のはずです。

さらに、本気になって「子どもを中心に考える価値観への転換」が大事なのであれば、これはただ単に学校教育の領域だけでなく、福祉・社会保障や保育、社会教育等々、あらゆる子どもに関わる領域にまでそれを貫く施策が必要になるはずです。だとしたら、教育基本条例や職員基本条例をつくるまえに、日本の一部自治体で先行的に行われている「子どもの権利条例」制定のほうが重要です。

そして、本当に「子どもを中心に考える価値観への転換」が大事なのであれば、橋下市長・松井知事が本当にその視点・その価値観に立って施策を行っているのかどうかを、子どもの意見を聴きながらモニタリングする第三者機関が必要になるはず。

つまり、子どものオンブズパーソンを大阪府・大阪市に置いて、事と次第によっては、府知事にも市長にも施策などの是正を求める「勧告」「意見表明」を出して、府知事や市長がその勧告・意見表明の趣旨に沿った対応をするようなシステムをつくる。そのことの提起が必要なはずです。

なぜ、そこは言わないのでしょうか? 自分に刃が向いてくるような子どもの意見の尊重はしたくない、という彼らのホンネが、このことを言わない点に見え隠れしているのではないでしょうか。

「そもそも、本当に生徒を中心と考える価値観への転換を目指すのなら、そもそも、教育基本条例案・職員基本条例案の趣旨を子どもに説明して、子どもの意見を聴くべきだろう?」

あらためて、そのことを、今日はここで書いておきます。


みんな集まって、声出していこう!

2012-02-12 21:44:19 | 受験・学校

今日2月12日(日)の午後、教育基本条例案・職員基本条例案に反対とか、橋下市政の今の在り方に反対とか、いろんな方たちが集まって、大阪市役所をヒューマンチェーンで取り囲む抗議活動がありました。

ツイッターなどでささやかれている話では、600人近くの人が集まったとか。この件、ネット上では毎日放送(テレビ)がニュースで伝えているのを確認したのですが、他局はどんな動きでしょうか?

また、そのヒューマンチェーンの前には、エル大阪で<「教育基本条例」に反対を!ホットライン大阪集会>が開かれていて、こちらのほうも、主催の方の話では、300部用意した資料が足りなくなるくらい人が集まったそうです。会場には立ち見の方もいたようですしね。この集会の参加者たちが、天満橋のエル大阪から大阪市役所前までデモ行進をして、先ほどの抗議行動に合流しました。

その一方で、大阪市役所前では今日の午後2時ごろから、「橋下さんにひとこと言いたいプロジェクト」のみなさんが中心になって、子育て中の保護者の立場、市内で働いている人の立場などなど、いろんな人たちが今の橋下市政に対して思っていることを述べていくイベントが行われていました。こちらの参加者の方と、上記のデモ行進に参加した方とが合流して、約600人近くになったようです。

私もこの抗議行動に参加して、いっしょにヒューマンチェーンをつくっていたのですが、やはりこうやって集まってみると、なかなか、大きな勇気がわいてきますね。こんなにも、いろんな立場の方が、「橋下市政、なんかおかしいやないか!」とか「教育基本条例はいらん!」とか、「あの市職員アンケートはひどすぎる!」等々、ひとことふたこと・・・・とにかく、言いたいことがあるのだと思っていたのだということ。いっしょに集まって、何か思うことを声を出して、そのことが確認できたわけです。集まった人たちみんなで整然と市役所をとりかこんで、合図のもとに、一斉に思うことを言う。ただそれだけの活動ですが、参加した私がとっても元気になった感じです。

今はネット上での情報発信も大事なのですが、同時にこれがやっぱり、大事なんでしょうね・・・・。

「いっしょに集まって、何か思うことを声に出す」ということ。

「みんな集まって、声出していこう!」ということ。

まるで少年野球か少年サッカーか、なんだか子どもたちのスポーツ活動のようではありますが、でも、ひとりひとりが声をあげるだけでなくて、人数が少ない単位から今日のような数百という単位まで、いろんな形で集まりをつくって、声をあげていくことが大事なのではないか。そんなことを今日は実感しました。

私も、集まったみなさんに勇気づけられた思いでいっぱいです。普段はネットやツイッター上でしか出会わなかったような方とも、集会や抗議行動の場で実際に出会うこともできましたしね。とっても、うれしかったです。集会や抗議行動を企画・運営された方、参加された方、みなさんほんとうにありがとうございました。それから、警備のおまわりさんも、いろんな意味で、ごくろうさまでした(笑)


いまこそ批判・反対の声を絶やしてはいけない

2012-02-12 11:08:26 | ニュース

昨日は子連れでスキーに出かけていて、ツイッターを携帯電話経由で確認するのみで終わったのですが、ツイッターを見ていると、もう、次々に橋下市政に関するひどい話が出てきますね。フォローさせていただいているみなさんから、次々に橋下市長から出される方針のひどさが伝わってきます。

昨日、「これはとんでもない!」と思ったのは、橋下市長が市職員に出したアンケート調査の一件。市の職員労組の政治活動に関する調査をアンケートでするそうですが、「これはいったい、なんですか? 市職員の思想調査ですか? 自分に敵対する市職員をひとりひとりあぶりだすための調査ですか?」としかいいようのない代物。この橋下市長のやっていること、ほんとうにひどいとしか言いようがないです。

就任からまだ2か月もたたないのに、このひどさ。前代未聞というしかありません。なぜこんなことをする人を新しい政治の担い手として持ち上げることができるのか、私には理解できません。マスメディアもどうして徹底的に批判・反対することができないのか、不思議です。

だいたい、この調査、アンケートといいながら、名前と職員番号を書かせる形の書式になっているようです。だから、これは事実上、誰がどのような回答したかを特定可能な形で行う調査です。なおかつ、これを各部局の長の職務命令を出して、回答させるような形になっているようです。これではまるで「踏み絵」ではないですか。また、特別顧問がかかわっている弁護士事務所を「通報窓口」にして、市の職員労組の政治活動に関する情報を伝えることを求めている。これじゃ「密告奨励」のようなものですよね。

さらに、特別顧問を中心とした外部の人によるチームがその情報を扱う、それ以外の人がこの調査結果を扱うことはまかりならぬ、ということも一応、文書にはでているようです。でも、だからといって、その調査結果をあとあと個人を特定して攻撃する材料に使わないなんて、誰が信じますか。

つい先日、市職員労組の政治活動に関する内部告発情報が、大阪維新の会の市議経由で、テレビのニュースなどで流れたところではないですか。この特別顧問経由で市長にアンケートの結果が流れ、その結果を市長が特定の市職員の攻撃材料に使う危険性があることなど、きわめて明白です。

そして、すべての市職員に回答をもとめる調査を行う以上、今までは単に市の職員労組に対する攻撃だったかもしれませんが、この調査は反対派の市職員だけでなく、ひそかに橋下市長や大阪維新の会を支持している市職員も含めて、すべての市職員を潜在的な「敵」として、その「敵」に対する攻撃をしかけたということができます。

それこそ平松氏の支持に回った市職員もいるかもしれませんが、維新の会の集会に参加した市職員もいるかもしれないし、W選挙のときに橋下市長の選挙チラシを配布した市職員も、選挙演説を聴きに行った市職員もいるかもしれません。そういう人にも調査をしているわけですよね。そして、無党派だという層、選挙に行かなかった層だって、市職員のなかにはいる。こういう人も全部ひっくるめて、この調査、市職員の思想や政治行動を調査するものではないんですかね? ここを、市長は、特別顧問は、いったいどう考えるんですか? だから、なぜこんなことをするのか。こんなやり方ばかりしていたのでは、本来、味方になるはずの市職員ですら敵に回すのではないか。そうとしか私には思えません。

一方、この調査結果、特別顧問を中心とする外部の人のチームで扱うとのことですが、いったい、特別顧問や外部の人たちはどんな法的な位置づけでこんな作業に従事することが認められているのでしょうか。

また、この件を扱う特別顧問も橋下市長と同じく弁護士ですが、いったい、こういう作業を市長に求められて行うことに、弁護士としての良心は何もとがめないのでしょうか。あなたの法的な知識やスキルは、こんな市長のもとで、こんな作業をするために磨かれ、蓄積されてきたものなのでしょうか。

特別顧問等の肩書で橋下市政に協力している専門家の方々、こんな市長を止めることができないような、こんな市長に批判や反対の声をあげることすらできないような、あなたたちの思想や良心、見識もまた、今、問われているのです。

あなた方は、市長のそばについていて、いったい、何をしたいのですか? あなた方はいったい、だれのために、なんのために大阪府市の改革に携わっているのですか? 

あらためて私は、このことを言っておきたいと思います。自分の思いこみで突っ走る首長だけでなく、それをとめることすらしない、できない「側近たちの責任」。この両方を、今後は問う必要があると思います。

そして、ここ最近、ツイッターやインターネットの情報を見てると、国旗国歌問題に過剰に反応すると橋下陣営の思うつぼになるから、そこはやりすごして反橋下の動きを作るべきだ、というような主張をする人を見かけました。

しかし、私がその人たちに言いたいのは、「この思想調査、反対派のあぶり出しのような市職員へのアンケート記入強制の動きを見て、まだそんなこと言うのですか?」「この調査、国旗国歌の問題とは別の次元でしかけられてますが、それでもまだ同じこと言いますか?」ということ。

私の考えでは、橋下氏側は、あるテーマで自分らの動きに反対する人を抑圧したら、次は別の観点から自分らを反対する人を抑圧しにかかります。きっと、橋下氏側は、とにかく「敵」と名指しできる勢力を見つけて、それを攻撃することで自派を固めていく。そういう動き方をするるのでしょう。だから、ひとつの「敵」を見つけてつぶせば、次を探すことなど、容易に想像できます。その「敵」の対象は、彼らの目指す方向が変われば、いくらでも見つけ出せるはずです。

そう考えれば、できるだけ早い段階で、彼らに対して、ある問題で反対の声、抗議の声を上げた人を大事に守ることが、別の立場から反対や抗議の声を上げる人を守ることにもつながるのではないのでしょうか? なぜそうは考えないのでしょうか?

結局のところ、「あの人らといっしょに自分は攻撃を受けたくない」「自分らはあの人らといっしょに見られたくない」ということが潜在的に意識のなかにあるからこそ、向こうから仕掛けてくる「分断」の策略に、先ほど書いたような意見の人たちが一番「はまってしまう」のではないかと思うのですが。

このような次第で、こういうときこそ、「これはおかしいのではないか?」「こんなこと、やってはいけない!」と、立場の違いを越えて、いろんな層から声をあげていくべき時ではないかと思います。いまこそ、私たちは、橋下市政や大阪維新の会の動きなどに対する批判や反対の声を絶やしてはいけません。


あれ?いつから「都構想」は「大阪にふさわしい大都市制度」の話になったの?

2012-02-09 17:14:21 | ニュース

「5shiryo2.pdf」をダウンロード

今日は新聞各紙ともに、昨日の府市統合本部で出された職員基本条例の修正案の話でもちきり。そのことも重要な課題なので何かコメントしたいところですが、その前に、上記のPDFファイルの話をしておきたいと思います。これも昨日の府市統合本部で出された資料なのですが。

これ、今後の「大阪にふさわしい大都市制度」の推進に関して、大阪府・大阪市による協議会の設置に関する条例案のPDFファイルです。

読んですぐに気づいたのですが、この条例案、この協議会で「都構想」を審議してもいいし、無理に「都構想」ができなくても、基礎自治体と広域自治体の関係などを検討し、「大阪にふさわしい大都市制度」であればそれでいいというような、「逃げ」が打てるような条例案になっています。

堺市が協議会に入るのを拒否したので、きっとこういう条例案になったのではないか、と思われるわけですが。あるいは、「都構想」に拒否的な議会各会派に協議会参加を呼びかけやすくするためでしょうか?

いずれにせよ、「都構想」は府市統合本部や橋下市長、松井知事、大阪維新の会にとっては、「もう、どうでもいい」ということなのでしょうかね? そもそもこの協議会、「都構想」の中身を検討しないのであれば、いったい何を議論するために設置するんですかね??? 「都構想」を協議するとも、協議しないとも読めるような、なんともあいまいな協議会設置の条例案ですね。

ちなみに、ある方が先ほどツイッター経由で教えてくださったのですが、1月12日あたりに、すでにこういう協議会を設置する構想が出ていたようです。ということは、あれだけ「都構想」を掲げてダブル選挙に臨んだ割には、いとも簡単に大阪維新の会や橋下市長・松井知事は、その看板を取り下げるわけですね・・・・。そう考えたら、やっぱりダブル選挙前にいろんな方が「都構想」を「内実がない」などと批判していたほうが当たっている、ということになるのではないでしょうか。いや、それとも、やはりほかの「都構想」に批判的な議会各会派を取り込みやすくするために、あえて「都構想」の看板を引っ込めたのでしょうか・・・・?

ちなみに、今日はこんな新聞のネット配信記事を見つけました。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120209-OYT1T00761.htm?from=tw (橋下市長変身、歩道橋計画立ち往生・・・知事は督促:読売新聞ネット配信記事、2012年2月9日)

この記事からは、地下鉄の駅と咲洲庁舎間の歩道橋整備を、自分が知事時代には積極的に市でやるように求めていたのに、橋下氏は市長になったらとたんにそれをしぶるようになった、ということがわかります。

要するに、彼は知事のときはそのときの自分に都合のいい要求をだし、市長になればなったで、今度はそのときの自分に都合のいい要求をする、ということ。知事としての過去の自分と、市長としての今の自分との間に、政策面や政治的な主張などの面で論理的な整合性がなくても、その時その時の自分の都合のほうを優先していく、ということですね。

おそらく探し出せば、こういうことは今後もいろいろと出てくるでしょうし、場合によれば、市長になってからあとも、その在任期間が長くなればなるほど、こういうことが出てくるのではないでしょうか。そろそろ、彼の今までの政治的主張や、知事時代に実施してきた施策の中身を、ち密に検証していく時期が来たように思います。


この条例案が成立すれば現場がどうなるか、シミュレーションはできているのか?

2012-02-08 12:11:40 | ニュース

あと十日ほどで橋下市長が就任して2か月になりますが、さて、この間、大阪都構想について何か具体的な進展はあったのでしょうか?

府市統合本部からは、大阪都構想の具体的な姿については何も提案がでてきませんし、だいた先月の府市統合本部の会合では、特別顧問の堺屋太一氏自らが、都構想といってもどういう都市像になるかはまだ明らかではないという趣旨のレジュメを配っていたとか。おまけに先日は、橋下市長・松井知事はともに、堺市長に都構想への協議参加を断られていますしね。

結局のところ、華々しく大阪都構想を打ち上げたものの、具体案はまとまらないうえ、堺市からの協議拒否にあって、実質的には都構想は頓挫しつつあるのではないでしょうか。

その一方で、今週に入って、市の職員労組が行った選挙活動について、マスメディアで「スクープ」と称して、いろんな報道がありました。ですがそれも内部告発情報をもとに、維新の会の市議が出してきた話とか。となれば、「これは堺市の協議拒否で都構想が頓挫しつつあることを、公務員バッシング報道で隠す作戦なのか?」という見方ができます。さらに、内部告発情報がこのような形で維新の会の市議に伝わり、マスメディアに流れるということから見ると、「やっぱりこのシステムは、維新の会の市職員労組攻撃のための仕掛けだったのか?」という見方すらできます。

さらに、昨日あたりからのマスメディアの報道では、大阪市教委と橋下市長の交渉で、「教育基本条例案」の修正にあたって、前々から伝わっているとおり、教員評価が2年連続D判定だと免職という規定を取り下げるかわりに、保護者などからの不適格教員の申し立て権を認めるという方向に動くのだとか。

これもまた、教育委員会側との「共同」作成とはいえ、首長の「教育目標」設定権との対応関係で考えればいいかと。たとえば、首長が教育振興計画に「学習指導要領の完全実施」とか「各学校とも〇年度の学力テストの結果にプラス〇点」といった教育目標を、教育委員会側の承認の上に盛り込むことができたとします。これだけで、たとえば卒業式の国旗掲揚・国歌斉唱に反対する教員が居れば、「府(または市)の定める教育目標に反して、うちの学校には、学習指導要領の実施に反対する教員がいる」と、保護者などから「不適格」の申し立てができます。また、学校の教育条件の整備がよくないなどの不利な環境にあっても、ある年度の学力テストの結果が府(または市)の定める目標を達成していなければ、保護者側から「この学校の教員、資質がないのでは?」と「不適格」の申し立てができます。

つまり、首長が教委と共同で教育目標を設定する権限は、この保護者側の「不適格」教員申し立て権とセットにすれば、前の案の一律5%にとらわれず、場合によればもっと多くの教員を「不適格」ということすらできる仕組みをつくった、ともいえるわけです。

しかしながら、このような修正案を出すことで、見かけ上橋下市長は市教委との協議によって案を修正したという印象を与えたり、従来の厳しい方針を修正したように見せかけることが可能。しかも、学校の教員の対応に関して不満を持つ保護者層を一定味方につけることもできるわけですよね。

それにしても、なんという狡猾なやり方なんでしょうか。だから「教育基本条例案」などいらないというしかないですし、「教育基本条例案」をたとえ「教育行政」「学校」「職員」の3基本条例案に分割して出してきたとしても、それもやっぱりいらないというしかありません。

ただ、このように維新の会や橋下市長・松井知事、あるいは府市統合本部が、早く実績を出そうとあせって動けば動くほど、たとえば「ハシズム」という言葉で表現されるように、「敵」をつくってそれをたたくようなマスメディア報道を通じて自分たちへの支持を動員する政治手法や、あるいは、「仮想の利益」のようなものを描き出して人々を巻き込む交渉術みたいな、そういう彼らの動き方のボロも見えてきます。そうなると、今まで彼らの動きを批判してきた側の言い分のほうが正しかったのではないか、彼らに対する批判のほうが当たっているのではないか。そんな思いも、大阪府内・市内に暮らす人々の間からは出てくると思います。

それはそうと、私はふと思うのですが、もしもほんとうに保護者からの「不適格」教員申し立て権を条例で定めて、それを本格的に実施したとき、どのような事態が学校や教育行政当局に押し寄せるのか。府市統合本部や府教委・市教委、あるいは維新の会や橋下市長・松井知事は、シミュレーションできているんですかね? たぶん、以下のようなシミュレーションなどまったく行わずに、ただ「思いつき」が先行しているのではないかと思われてなりません。 

それこそ、たとえば大阪府教委に年間100件の「不適格」教員の申し立てがあったとします(とりあえず大阪市教委でも同じことがいえますが、府教委を例にします)。

その申し立てをそのまま真に受けて全部処分対象にするわけにはいかないだろうから、1件1件について、申立者たる保護者と、校長などの管理職、申し立てられた教員などに、府教委の誰かが事情聴取をすることになります。しかもその1件1件について正確に事実認定をして処分をするためには、1回だけの事情聴取で終わらず、何度も繰り返し行うケースもでてきます。そういうケースが年間100件近くも起きたら、府教委のこの対応窓口、パンクします。府教委の対応スタッフのバーンアウトが懸念されます。

また、その対応窓口がパンクしないように、窓口段階で保護者からの申し立てを「水際作戦」とばかりに排除しようとしたら、今度は府教委へのクレームとして保護者は動き回るでしょう。そうするとますます、府教委は進退窮まるようになります。

さらに、ていねいな事情聴取をして府教委が動き、出した処分の内容について、被処分者たる教員側からも、申し立てた保護者側からも、「この処分内容に納得がいかない」という形でクレームが出たり、場合に寄れば訴訟を起こされることもでてくるでしょう。

そして、こうした訴訟対応、クレーム対応や、「不適格」教員への申し立て対応に府教委職員が終われることによって、本来、学校現場の教育実践の改善や課題のある子どもへの支援等々に振り向けるべき府教委の労力がそがれ、結果的に学校の活力がなくなり、現場が混乱し、子どもたちの学習活動にとってマイナスの結果しか生まないのではないでしょうか。

逆説的に言えば、この保護者の「不適格」教員申立て権を設定しても学校や教育行政がうまくまわるのは、そのような申立てを受けるくらいの「不適格」な教員が「ごく少数」でしかない、という場合に限ってでしょうね。だとしたら、「校長などの学校の管理職の服務監督さえきっちりしていれば、わざわざこんな制度を作る意味はないのでは?」という話になるわけです。

府市統合本部や橋下市長・松井知事、大阪維新の会、あるいは大阪市教委・大阪府教委には、ぜひとも、このように、自分たちのつくった条例案が本当に実施されたときに、学校現場や教育行政がどのような状態に陥るのか、適切なシミュレーションをしていただきたいものです。また、マスメディアもぜひ今後の報道に際しては、このようなシミュレーションをして、彼らの言いっぱなし情報の検証にまで手を広げていただきたいものです。


もっと批判的なコメントがほしい。

2012-02-07 20:45:48 | ニュース

http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK201202070053.html (首長が教育目標設定「容認」委員、橋下市長に伝達:朝日新聞関西ネット配信記事、2012年2月7日づけ)

この首長が設定してよいのは「現行法の定める教育の方向性に反せず」、なおかつ「予算の執行の上での目標」という大阪市教委側の話、これ、よくわからない話ですね。

というか、およそ公教育において地方自治体の「予算」が絡まない(学校の)教育活動って、あるんでしょうか? あるいは、もしも橋下市長が「教職員の定数削減」や「公立学校数の削減」を「予算事項だ」といって「数値目標」で設定したら、大阪市教委、どうするんですかね?

こう言ってはなんですが、大阪市教委として、市長側の意向を突っぱねるなら突っぱねるで、きっぱりした態度をとらないとダメでしょう。むしろ市教委として、市長側の意向に応じられないものには徹底的に反対したほうが、市教委への世論の支持も一定でてくると思うのですが。

それから、この記事の最後にある橋下市長の「少年犯罪が多く、大阪特有の教育課題がある」というコメントです。仮に橋下市長の言うような状況があるからといって、はたして「政治が一定の方向性を示す」ことが妥当なのかどうか。そもそも、政治がこのような社会情勢を作り出し、子どもや若者たちの荒れやさまざまな教育課題を作り出してきたとするならば、まずは自らを省みて、自分達を総点検して出直すべきではないのでしょうか。

特に橋下市長は前・大阪府知事として大阪の地方自治に責任を負う立場であった方であり、府知事として何度も教育施策の在り方についてマスメディアで発信するとともに、具体的な施策については府教委の幹部とともに、府議会でさまざまな答弁を行ってきた人です。そのことは、彼の府知事としての任期中の府議会議事録を見れば、いろいろわかると思います。だとすれば、今の大阪府内の子どもや若者たちのさまざまな課題を、府の施策を通じて生み出してしまった責任の一端は、この間の彼が主導した府の施策にもあるのではないか。少なくとも、私などはそう思ってしまいます。

今日は特に午前中、大阪府内の青少年会館等の諸施設の職員の方の実践報告を聴く機会があったのですが、たとえばこのような施設を市町村が運営するにあたっての府からの補助金、これを橋下府政はカットしました。また、府立青少年会館を廃止して、跡地を売却しました。国際児童文学館は今や府立図書館と同じ場所にあります。ほかにも、府教委が実施してきた数々のマイノリティの人たちを教育・学習面から支援するための事業、これが縮小されたり廃止されたりしてきたかと思います。大阪府内の公立学校の教職員だって、正規採用の教員はおそらくこの何年かでかなり減っていることかと思います。そういうことの「しわよせ」がすべて、子どもや若者の諸課題として、数年後に社会的に浮上していると考えることもできるわけですが、そのような視点は橋下市長にはないのですかね。あるいは、彼にコメントをとってくるマスメディアにはないんですかね。

私としては、やっぱり、もっと橋下市長・松井知事及び大阪市教委、大阪府教委、府市統合本部や大阪維新の会、その他の大阪市議会や大阪府議会の各会派など、今の大阪の教育を動かそうとしている人々に対して、いろんな観点から批判的なコメントがほしいし、これらの関係者間での相互批判、検証の作業がもっとほしいと思います。でなければ、これらの人々の誤った判断や間違った前提に立つ考え方によって、大阪の教育のあり方が歪められてしまったら、その失敗や歪みの「つけ」は、すべて子どもや若者たちが負っていくことになるからです。

そして、マスメディアももっと、これらの人々の動きに対して、批判的なコメントを出してほしい。これらの人々が言ったことを整理して、ただ紙面等の範囲内で伝えるだけではなくて、です。

他にもまだまだ言いたいことはたくさんあるのですが、今日はここでいったん置きます。

 


もう一度、確認しておきたいこと

2012-02-06 23:56:42 | ニュース

1.敵をつくる。2.ワンフレーズをばらまく。3.内容をぼかす。4.議論させない。5.マスコミは一部しか伝えない。

この5つのことは、去年11月、堤未果さんの講演を聴きに行ったときに、アメリカの教育や福祉などの領域に「市場化」が入ったときのマスメディアの伝え方について、彼女が語ったこと。それを私なりに整理したものです。

今日、ツイッターを見ていた限りの話ですが、大阪市の職員労組の選挙活動に対して内部告発があったようで、そのことに関する情報がテレビなどで流れたようです。しかも、一部のツイッター情報では、どうやら大阪維新の会の市議経由でこの話が出たようなことも伝わっています。もしもこれが本当だとするならば、職員基本条例の制定を前に、その方向に世論を誘導していこうと、ここぞとばかりに内部告発情報が出てきたという見方も出てきますね。

もちろん、選挙に際して職員労組側のとった動き方も問題かとは思います。ですが、今、ここへきて、なぜこの話が出ているのか、ということ。そこにも注意が必要です。その際には、大阪市政や大阪府政に関することについて、上で書いたような5つの特徴がマスメディアの伝えている中身にはあるのかどうか、そこを注意深く見ていくといいかと思います。このことを、今日はもう一度、確認しておきます。もしかしたらマスメディアの流す情報に沿って、私たちが職員労組けしからんと調子に乗って言えば言うほど、「しめしめ」と誰かが喜んでいるのかもしれませんので。

ところで、今日の朝日新聞夕刊では、大阪府の「教育基本条例案」に「有形力の行使」に関する規定があることが出ておりました。この「有形力の行使」ってなんなのでしょうか? どうやら「体罰」ではないけれども、子どもに対して力づくで言うことを聞かせる行為、それを指しているようですね。また、文部科学省自体がここ数年、生徒指導関係の行政文書などでこうした「有形力の行使」を認める方向で動いている節もあります。

でも、子どもの側から見れば、教職員による「有形力の行使」と「体罰」との間に、どのような線引きが可能なのでしょうか? それはしょせん「力づくで子どもにいうことをきかせたい」とする側が、自分たちが罰せられない範囲で都合よく、言葉を言い換えて逃げ道をつくろうとしているだけに見えたりはしないのでしょうか? こういう部分にも、「教育基本条例案」の問題点がありますね。

 


結局、教育改革の諸提案は、関西経済同友会の提言がもとなのか??

2012-02-05 00:16:18 | 受験・学校

http://www.kansaidoyukai.or.jp/tabid/57/Default.aspx

ツイッターってほんとうにありがたいですね。フォローしている方からの情報で、関西経済同友会の上記のホームページのことを知りました。上記のページは関西経済同友会の政策提言・意見をまとめたページで、ここ数年の提言・意見がPDFファイルなどで読めます。

そのなかに、「橋下徹次期大阪市長に望む」というPDFファイルがあります。下記から閲覧可能です。

http://www.kansaidoyukai.or.jp/LinkClick.aspx?fileticket=NfVVRhrQ%2bVo%3d&tabid=57&mid=528

ここを読むと、大阪府市全域の教育特区構想が打ち出されています。具体的には小学校1年生からの英語教育、小学校の教科担任制、中学校版の大阪での学力テストの実施、小中高校の公設民営化、といったことです。

そのことを前提にして、次の記事を読んでください。

http://mainichi.jp/kansai/news/20120131ddf001010013000c.html (橋下・大阪市長:学区撤廃で、「全府で学テ」中学生を対象:毎日新聞関西ネット配信記事、2012年1月31日付け)

これを読めば、橋下市長が大阪府全域で中学生の学力テストの導入を求めていることがわかります。まさに、上記のとおり、関西経済同友会の提言の中身と同じです。彼は「民意」と何かにつけていうわけですが、その「民意」は彼や松井知事など大阪維新の会の候補者に選挙で投票した人々の意思だけでなく、どうやら関西経済同友会のような団体の意思も含まれているようですね。

ちなみに、前にも書きましたが、上記の毎日新聞の記事、橋下「市長」と書いていますが、この場合の彼の発言は、大阪維新の会代表としての発言ではないのでしょうか? もしくは、府市統合本部副本部長としての発言ですよね? でなければ、「市長」が「府教委」で取り組むべき教育施策に属する「中学生の学力テスト実施」について、あれこれ意見を述べるのは「筋違い」かと思うのですが。また、大阪維新の会代表としての発言であれ、府市統合本部副本部長としての発言であれ、中学生の学力テスト実施という提案をすること自体は否定しないまでも、それを現実化するかどうかは、今の制度上、府教委の側の主体的な判断にゆだねられるのではないか・・・・。どうもこのあたりの関係があいまいになるような、そういう装置として府市統合本部というものが機能しているように思われてなりません。