できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

2103冊目:青木貞茂『キャラクター・パワー』

2015-05-27 09:56:03 | 本と雑誌

2103冊目はこの本。

青木貞茂『キャラクター・パワー ゆるキャラから国家ブランディングまで』(NHK出版新書、2014年)

おそらくある学生が自分のやりたい調査のテーマに「ゆるキャラ」とか、「リラックマ」とか、そういうことを出してこなければ、きっと読まなかったであろう本。

キャラクター・パワー―ゆるキャラから国家ブランディングまで (NHK出版新書 426)


全国学校事故・事件を語る会の大集会、来週土日に京都精華大学にて行います。

2015-05-23 18:31:27 | 受験・学校

今年も全国学校事故・事件を語る会の大集会(全国集会)の時期がやってきました。

今年は会場を例年の神戸から京都精華大学、つまりうちの大学に移して、5月30日(土)・31日(日)の2日間行われます。

詳しくはチラシの画像を見ていただくか、もしくは全国学校事故・事件を語る会のホームページでご確認ください。

全国学校事故・事件を語る会のホームページ http://katarukai.jimdo.com/


大阪市解体・特別区設置の住民投票の結果がどうであろうとも

2015-05-17 21:52:49 | 学問

住民投票の結果が出てからいうのは私、嫌なので、今のうちに書いておきます。結果がどのようになっても、私はやっぱりこの間の政治的な動きによってどのような変化が生じたのか、大阪市内の子どもの様子が気になります。また、地域コミュニティの変容によって、さまざまな影響が出るであろう学校、保育所・幼稚園のことが気になります。なので、ここから先、選挙結果がどのようなものであっても、私、この先何年か、大阪市内の子どもの暮らす現場、学校や保育所、幼稚園をまわりたいと思います。
こういうときに思い出すのは、哲学者・林竹二がかつて描いた「谷中村の田中正造」の姿です。足尾銅山鉱毒問題の天皇直訴事件で知られる田中正造ですが、国会での鉱毒の問題化、天皇直訴に失敗したあと、彼は鉱毒の沈澱池として壊される谷中村に入り込み、そこの住民としていっしょに暮らそうとする道を選びました。また、その谷中村の住民有志などとともに、足尾銅山の鉱毒が川の流れとともにどのように広がっていくのかを、ひとつひとつ支流まで訪ね歩いて、調べました。そして、それを記録に残す作業を亡くなるまでやり続けました。
今度の住民投票の一件で、本当にいまとこれからの大阪市内の子どもたちや、学校、保育所・幼稚園のことが気になるのなら、やはり、投票結果がどうなろうと、私はそこに入り続けて、そこで暮らす人々とともに様子を見守るしかない。そのことを林竹二の本を通じて読んだ「谷中村の田中正造」のことを思い出しながら、いま、あらためて感じています。
ちなみにこの本を最初に読んだのは、大学生の頃なんですけどね。もう25年も前だなあ・・・。
<追記>何をどう考えても、私、この「困難を抱える当事者のそばにいて、もみくちゃになりながらものを考える」という以外、これから先の道がわからなくて・・・。もっと器用に我が身を安全地帯に置きながら、評論家みたいにクールにものが言えたら、楽なんでしょうけどねえ・・・。とにかく、自分がどうしていいのかわからなくなったら、いちばん考えたい課題が起きているその場所に我が身を置いて、そこで誰かと話したこと、見聞きしたこと、実感したことをベースにしながら、古い本を読み漁る。そして、わかったことを発信する。今の私にできることは、今まで続けてきたことの延長にしかありません。

※以上は先ほどフェイスブックに書き込んだことからの転載です。

林竹二著作集 3 田中正造


2102冊目:半藤一利ほか『「昭和天皇実録」の謎を解く』

2015-05-02 11:39:26 | 本と雑誌

2102冊目はこの本。

半藤一利・保阪正康・御厨貴・磯田道史『「昭和天皇実録」の謎を解く』(文春新書、2015年)

昭和天皇の死後、最近まで編纂作業が行われ、2014年秋に公開された「昭和天皇実録」。これを昭和史を長年扱ってきたノンフィクション作家や歴史学者、政治学者の立場から読み解いたのが、この本。なかなか、おもしろかった。

「昭和天皇実録」の謎を解く (文春新書)


2101冊目:御厨貴『安倍政権は本当に強いのか』

2015-05-02 11:28:02 | 本と雑誌

2101冊目はこの本。

御厨貴『安倍政権は本当に強いのか 盤石ゆえに脆い政権運営の正体』(PHP新書、2015年)

この十何年かの間に強化された自民党総裁としての党内での権力・権限、また、首相のリーダーシップ強化に向けてすすめられてきた諸改革の結果、おそらく、安倍首相でなくても、自民党総裁から首相になると、強力な権力・権限を掌握することになると思う。そこにさらにメディアへのコントロールが加わると、日本国内では一応「盤石」なように見えるだろう。でも、少し考えるとわかるが、外交、つまり諸外国には日本国内で通用しているような権力・権限の行使は、当然ながら通用しない。とすれば、安倍政権は外交と国際的な経済問題でつまづくし、そこから日本国内の政治・経済情勢が悪化していけば、ますますつまづくであろう・・・・と、私などは思うのですが。

安倍政権は本当に強いのか (PHP新書)


2100冊目:鷲田清一『しんがりの思想』

2015-05-02 11:22:07 | 本と雑誌

2100冊目はこの本。

鷲田清一『しんがりの思想―反リーダーシップ論―』(角川新書、2015年)

最近、鷲田清一の書く「専門職論(というか専門職批判)」には、何かハッとさせられるものがある。学校事故・事件の事後対応のプロセスで現れる弁護士や医者、大学の教育学・心理学等の諸領域の研究者と、被害者家族・遺族との関係が、鷲田さんの言葉でくっきりと見えてくることがあるから。この本にも第3章で「専門性と市民性との間の壁」について述べられているが、ここで述べられていることが、ほんとうに自分がかかわってきた学校事故・事件の問題にもかなりの部分、あてはまっている。

しんがりの思想 ―反リーダーシップ論― (角川新書)


2099冊目:古川美穂『東北ショック・ドクトリン』

2015-05-02 11:15:20 | 本と雑誌

2099冊目はこの本。

古川美穂『東北ショック・ドクトリン』(岩波書店、2015年)

東京の中央省庁、あるいは東北三県の県庁あたりと企業とがつるんで考える「復興」と、被災した東北三県の基礎自治体レベルで考える「復興」とでは、ずいぶん、いろいろと発想も取り組んでいきたいこともちがうのだろうなあ・・・・。少なくとも、中央省庁や県庁あたりだと、復興計画たてるといっても、どの被災地域を整理して、そこにどの企業などを誘致して・・・というようなデベロッパーみたいな発想になりがち。でも、地元の人々にしてみれば、持続可能な生活がどのようにして被災後、速やかに構築できるか・・・ということが重要だろうし。

東北ショック・ドクトリン


2098冊目:内田樹・鈴木邦男『慨世の遠吠え』

2015-05-02 10:46:29 | 本と雑誌

2098冊目はこの本。

内田樹・鈴木邦男『慨世の遠吠え 強い国になりたい症候群』(鹿砦社、2015年)

最近自分の思想的なスタンスが徐々に変わってきたのか、それとも世の中の流れが変わりすぎてしまったのか、この内田さんや鈴木さんの書いているものが妙に自分の心身によくなじむ。

慨世の遠吠え


2097冊目:谷口真由美『日本国憲法 大阪おばちゃん語訳』

2015-05-02 10:35:24 | 本と雑誌

2097冊目はこの本。

谷口真由美『日本国憲法 大阪おばちゃん語訳』文芸春秋、2014年

うちの娘がこの本を音読して、おもしろがって読んでいました。すでに日本国憲法を原文で読み慣れている人にしてみると「なんや、これ?」なんでしょうけど、でも、子どもからでも読める日本国憲法の取組みという点では、やはり、いい試みなんだと思います。

日本国憲法 大阪おばちゃん語訳