できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

大阪市の学校状況と教員による「体罰・暴言」の関係を検証する作業の必要性

2013-04-27 00:52:14 | ニュース
http://mainichi.jp/area/news/20130426ddf001040003000c.html
(体罰・暴言:被害5000人、生徒・児童の3%、教員申告の6倍―大阪市教委アンケ 毎日新聞大阪夕刊2013年4月26日)

こちらの記事、紹介します。4月26日の毎日新聞夕刊に出ていました。
この調査が実際にどういう形で進められたのか、まずは詳細が知りたいところです。
それとともに、実際に教育行政に申告された教員の体罰・暴言等の1件の背後に、少なく見積もっても5~6倍の申告されていないケースがある、ということも、この結果からは見えてきます。
このところ子どもの人権に関する教員研修などでは、私は教員などのおとなが「よかれ」と思ってしていることでも、子どもの側から見たらまた違って見える、ということに気づけるかどうか、という話をしています。
そういうおとなと子どもの認識のズレに、教員の想像力が及ぶかどうかということを、今後も積極的に言う必要があるなあと、あらためてこの記事を読んで思いました。
と同時に、やはりこれだけの数の教員から子どもへの体罰・暴言等の問題が出てくるというのは、そういうことをする方向に教員が追いやられていくような形で、大阪市の学校教育になんらかの構造的な矛盾がる積もり積もっているとも考えられます。
つまり、「教員がますますキレやすくなる」ような構造に、大阪市の学校はどんどん追いこまれているのではないか。あるいは、「教員が学校で子どもにキレまくっている」状況を「隠す、表面的に取り繕う」ような状況が創られているのでないか。そういうことも考えられるのです。はてまた、「教員が学校で子どもにキレまくっている」ことによって、「とにかく、学校がなんとか表面的にでも落ち着いていれば、それでよし」というような、そんな雰囲気になっていないかどうか・・・。
とすれば、やはりこの間の大阪市の教育改革、特に橋下市政以降の教育改革が持つ抑圧的な性格などを、体罰・暴言等の問題と関連づけながら、あらためて問題にしなければいけないのではないか・・・と思えてなりません。なにしろ、ついこの前までは、体罰容認、何かあったら殴ってでも言うこときかせると言っていた方が、市長をされているのですから。


5月19日、札幌市で講演をします。

2013-04-25 20:04:10 | ニュース

「2013.pdf」をダウンロード

http://kodoken-sapporo.jimdo.com/2013/04/23/%E8%AC%9B%E6%BC%94%E4%BC%9A%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/

来月19日(日)の午後、札幌市子どもの権利条例市民会議(こどけん)の8周年記念講演会で、またまた去年の暮れに引き続き、講演をすることになりました。
チラシや案内などは、上記のPDFファイルや、「こどけん」のホームページをご覧ください。
ちなみに、今回のテーマは、下記のとおりです。

<講演テーマなど>
ほっとけない!! 子どもの自殺

    ―札幌市の報告書(2012年12月14日)から考える―
子どもの権利条例があるにもかかわらず続いてしまった「子どもの自殺」を止めるために、私たち札幌市民は何を為すべきか?「子どもの人権オンブズパーソン条例」を制定し、子どもの救済制度を作った兵庫県川西市で「調査相談専門員」として救済の実務に携わってこられた住友剛さんに、大津のいじめ自殺の報告書 などにも言及いただきながらお話をうかがいます。

 




ひとまず、全国学校事故事件を語る会・6月の大集会のお知らせを

2013-04-20 10:53:37 | インポート
このところ、なかなかこちらのブログにまで手が回らず、更新が遅れていて申し訳ありません。
ひとまず、全国学校事故事件を語る会の6月の大集会の案内、こちらを掲載します。
できるだけ多くのみなさんにご参加いただきたいです。
特に、教育学や心理学、法学、行政学、保育学や体育学、社会福祉学、医学など、子どもに関するあらゆる領域の研究者のみなさんには、ぜひ、2日目のシンポジウムだけでも参加していただければ・・・と思っています。
ちなみに、私も2日目のシンポジウムに出ます。
といっても、シンポジウムの最後で、全体の「まとめ」みたいな話をする役ですが。

<以下、案内文>
「全国学校事故・事件を語る会」第58回(大)集会のご案内

学校事故・事件における様々な問題の改善には、「事実解明」が必須の条件です。昨年7月の大津市いじめ自殺事件の報道では、いじめの実態だけでなく、事実に向き合う学校・教育委員会の姿勢が大きな問題となり、その後、各自治体で「第三者委員会」の設置が急速に進められています。しかし、「第三者委員会」は事実を明らかにすることもできれば、事実を隠蔽し事態を鎮静化させることもできます。今回のシンポジウムでは「事実解明」に向けた「第三者委員会」のあり方についてみんなで考えていこうと思います。つきましては、下記日程で、「全国学校事故・事件を語る会」第58回(大)集会を開催します。ご参加くださいますようお願いします。

日 時 6月1日(土)13時半~2日(日)16時
会 場 兵庫県学校厚生会館 7F大集会室 神戸市中央区北長狭通4-7-34  TEL078-331-9955

日 程
1日13:30~ 交流会、18:30~懇親会(食事)費用4000円、
2日 9:30~ シンポジウム「第三者委員会のあるべき姿を問う」

備 考 一部だけのご参加も可能です。交流会、シンポジウムは参加費(500円)を集めさせていただきます。ご宿泊はパレス神戸に部屋を用意しております。(宿泊費は6000円程度) 

お問い合わせは「語る会代表世話人」 宮脇勝哉、(携帯090-4908-6844 FAX 0797-57-9640 e-mail miyawaki-katuya@mtc.biglobe.ne.jp)まで

<以上、案内文の転載終わり>

全国学校事故・事件を語る会のHP
http://homepage3.nifty.com/Hyogo-GGG-Izokunokai/index.htm