できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「ひとりにさせへん!」「オール大阪」への道は、いま、ここから始まる!

2015-11-22 21:01:43 | 私の「仲間」たちへ

大阪首長W選の結果について、さっそくテレビが「当確」を打ってきたので、以下のとおり、ツイッターでコメントをしておきました。○印1つ分が、ツイート1回分です。また、同じ内容はフェイスブックにも掲載しています。

○8時ですね。さっそく関テレ系は「当確」を松井・吉村両候補に打ってきました。ではこれから、その「当確」情報をもとに、今回の大阪首長W選に関して、私なりのコメントをしはじめます。

○まず、今回の大阪首長W選で、維新側の両候補が使った各種のビラ、宣伝用の動画その他の情報などは、できるかぎり速やかに「オール大阪」や「ひとりにさせへん!」陣営で集めて、どこかに保存してください。これは今後、両候補が市長・知事になったときに「追及」の材料につかえます。

○次に、実は維新の両候補が首長になったということは、特に大阪市において、吉村氏が今後、市政運営のまずさの追及を一手に引き受けざるをえない、ということになります。これまでの数々の悪政を引き起こした張本人は一応「政界引退」をするわけですから。どんどんこの際、文句を言うていきましょう。

○さらに、今後一応「政界引退」をする方が大阪市政や府政に首ツッコんで発言してきても、「関係ないやんおたく」と言いまくりましょう。また、「答弁するのは松井・吉村両氏やで」「維新の首長は二人羽織しかできんのか?」と言いましょう。

○そして「オール大阪」や「ひとりにさせへん」陣営の人々は、ここでめげてる場合じゃない。「うろたえるな!」です。今後長くて4年間じっくりと、維新の悪政を地道に「追及」し、ちがう道がありうることを地道に大阪市内・府内で訴える作業をやり続けていくこと。その覚悟をここで決めましょう。

○首長がどういう人であれ、首長に悪政をさせず、もっといい施策をやらせる方向に持っていくためには、地道にこつこつ、粘り強く、地元でいろんな取り組みをやり続けなければいけません。そのためには「オール大阪」や「ひとりにさせへん!」という側の営みが、ますます大事になります。

○残念ながら今はこの数年の諸改革に疲れて、「もう、どうなってもええわ」という層が、この大阪の府内・市内にかなりいるのだろうと思います。また、「政治的な争いに自分は巻き込まれたくない」という層も、数多くいるのだろうと思います。そういう層を癒し回復していくのは「オール大阪」の人々かと。

○最終的に大阪の現状を回復し、それをいい方向にむけることができるのは、「オール大阪」で「ひとりにさせへん!」と言ってきた人々の側です。私はそのことを信じています。今の開票速報の「当確」情報は大変残念ではありますが、まだまだ私たちの力が足りなかったということ。力をつけていきましょう。

○今こそ「オール大阪」で「ひとりにさせへん!」と言うてきた側が、ふんばるときです。「こんなところで私たち、あきらめるわけにはいかないのよ!」です。日々の維新の政治に批判的にものを言いながら、仲間を増やし、地道に地元を耕して、ほんとうに「ひとりにさせへん!」を実現しましょう。

※なお、実はこのコメントは1週間ほど前、劣勢が伝えられたときから、選挙結果で向こうの「当確」が出たら出そうと思っていたことです。

それでも、このコメントを出さない方向でがんばろうと思っていたんですが・・・。

実際、柳本さんや栗原さんの街頭演説聴きましたが、やっぱり、人物的には当選したふたりよりはるかにいいな、と思いますし。

ただ、よく考えると、あの扇動家市長が政界引退を表明している今、「現職や現職の推す候補優位」の「どこの自治体でもよくある市長・知事選挙」にもどっただけかもしれません。

そんなわけで「こんなところで私たち、あきらめるわけにはいかないのよ!」のプリキュアの美しいたましいで、今後も引き続き、がんばりましょう。


大阪首長W選の結果が出る前に(2)

2015-11-22 19:04:11 | 私の「仲間」たちへ

※こちらも今日の夕方、フェイスブックに書き込んだものです。こちらにも若干の修正を施して、転載しておきます。

大阪W選、最終的な投票率はどうなるかわかりませんが、大阪市内でいうと5.17住民投票はもちろんのこと、2011年のW選よりも低い数字になりそうですね。

ただこれ、ものは考えようかと。ある意味、マスメディアを通じた猛烈な世論誘導がなければ、いまの大阪市民の政治的な課題に関する関心というのは、「こんなもの」なのかと。

たとえば最終的な投票率が5割前後であれば、投票に行かなかった人々がその反対の5割前後あることになります。5.17住民投票には7割くらい投票に行ったとすれば、猛烈な世論誘導で動く層は大阪市内で2割程度いるということになりますね。また、大阪市内の2~3割の市民は、「政治や行政がどうなろうが、投票には行かない」という層なんだということかと。そして、残る5割の市民のなかで、維新が半分、オール大阪が半分・・・という争いをしているのではないか、ということになります。

そう考えると、維新のコアな支持層が2~3割、オール大阪のコアな支持層が2~3割、世論誘導で動く層が2~3割、そして何があっても「無関心」層が2~3割と、大阪市民は割合の差こそあれ、4分されていると見ることができるのではないか、と思います。そして実は世論誘導次第で動く層や「無関心」層にも支えられるような形で、維新がなんとか安定しているということになりますね。

とすれば今後、オール大阪のコアな支持層を一方で固めつつ、「寝た子を起こす」ような地道な取り組みが大事になっていきますね。つまり「無関心」層や世論誘導次第で動く層をオール大阪の支持層に向けていくような、そういう取り組みがいるということかと。

ついでにいえば、これって学級崩壊が起きたクラスを立て直すときに、まじめに授業を受けたい子どもたちを軸に、無関心層やクラスの雰囲気次第でどっちにも転ぶ層の子どもたちを固めて、クラスをぐちゃぐちゃにしてる層と拮抗できるようにしていく作業と似ているな~って思いますね。


大阪首長W選の結果が出る前に(1)

2015-11-22 18:59:29 | 私の「仲間」たちへ

※下記の内容は今日、お昼頃に、フェイスブックに書き込んだことです。それに若干手を加えて、こちらにも掲載します。

大阪首長W選の特定候補への投票呼びかけじゃないから、まあ、今から書いてもいいか、と思って書きます。

ここからあとに書くことは、「今夜8時以降に、「オール大阪」や「ひとりにさせへん」陣営にいた市民としてやるべきだ」と、あくまでも私が思うコトです。

(1)まずは開票結果が出たら、即、その結果について、「オール大阪」や「ひとりにさせへん」陣営に居た人、一人一人の実感に即して、思いつくことをいろんな媒体で発信してください。たとえよくない結果であっても、いつもいうプリキュアのように「わたしたち、こんなことくらいで、あきらめるわけにはいかないのよ!」という意思表示が必要かと思います。まずは、結果の如何を問わず「沈黙しないこと」が大事かと思います。

(2)次に、5.17住民投票後にお願いしたのと同じく、各候補者の陣営や、各陣営を応援する市民団体などが配付したビラ、ネット配信した動画等々は、できるかぎり「保存」をしてください。たとえばウソ、デマ、誇大表現等々、こうした各種媒体で配信された情報は、後日、選挙結果の如何を問わず、いろんな批判的検討の「材料」として活用可能です。私たちの側は、市民と専門家、そして政治家の連携によって、こうした情報収集とその検討、それをふまえた議論と実践の地道な積み上げが可能です。その場限りのウソやデマ、ごまかしで「選挙さえしのげればいい」陣営には、こういう地道な作業はできませんから。

(3)そして、「オール大阪」や「ひとりにさせへん」陣営で動かれたみなさんは、開票結果の如何を問わず、まずは大阪市内及び府内で「市民活動」の領域で、それを具体的な実践として取り組み始めてください。これが「次」への備えをつくります。
開票結果がよかったらよかったで、よくない結果ならそれはそれで、こうした地道な「市民活動」の継続が、今後、この大阪のまちを変えていく営みの土台になるかと思います。また、そういう「ほんものの市民」の姿を見せ、そうした「ほんものの市民」が応援する政治家を育てていくことが、「まがいもの」の政治家を徐々に出しづらくしていくと思います。
また、その地道な実践は、たとえば学校教育や保育、学校外の子ども家庭支援、高齢者や障がいのある人々、生活困窮者などへのさまざまな支援、医療・保健のとりくみの充実、中小企業やNPO、商店街への支援、まちづくりに関するさまざまな市民学習等々、あらゆる領域で、「できることを、できる人が、できるかたち」でやり始めてください。
そして、そのときのキーワードは「いっしょにやりましょ」「ひとりにさせへん」「次いこ、次」です。

以上、思いつくままに書きました。今後の取り組みの参考にしてください。

<追記>
結局「人々の生活に根ざした政治、地方自治」って結局、こういうことなんだろうな~って思うんですよ。もちろん、首長や議員にいい人がいるかどうかでその取り組みに差がでるので大きいのではありますが、でも「地道に地元でしつこく、自分たちの暮らしの課題の改善に取り組む市民」あって、はじめて「人々の生活に根ざした政治、地方自治」ってなりたつんだろうな・・・って、このごろよく思います。まずは「大阪の再生」って、ここから始まるんじゃないか、と思います。「自分たちの暮らしを見つめ、何が課題かを考え、それを地道にこつこつ改善しようと動き始める市民が育つこと」って。


2202冊目:中村和己『コンサルは会社の害毒である』

2015-11-09 20:48:25 | 本と雑誌

2202冊目はこの本。

中村和己『コンサルは会社の害毒である』(角川新書、2015年)

いや~この本はなかなか、面白かった。要点をひとことでいえば、「企業が人々の生活共同体として、ある程度の長期存続が求められるような日本において、アメリカ流の経営コンサルティングはまったく歯が立たない」ということ。

なぜかといえば、「企業というものを支える思想的・文化的な風土が異なるから」という話になるだろうか。

逆に言えば、「3年くらいの短期的スパンで企業は利益を上げていかなければいけない、できなければすぐに解散の危機」「企業トップも経営コンサルも、済んだことは早く忘れる」「すぐに起業するがすぐに廃業する」「利益を上げる事への株主の圧力が強い」「トップダウン的な経営が大好き」「トップが高額な報酬を得ている」みたいな形の企業を支える思想的・文化的風土が、アメリカ流の経営コンサルティングを支えている、ということでもある。

コンサルは会社の害毒である (角川新書)


2201冊目:宮田律『中東がわかる8つのキーワード』

2015-11-09 11:14:22 | 本と雑誌

2201冊目はこの本。

宮田律『中東がわかる8つのキーワード』(平凡社新書、2005年)

もう10年前に出た新書だけど、いまだにイスラム文化圏というのか、中東諸国の政治情勢を理解する上ではとても参考になる本。

それはこの10年間、この本が書かれた時点から中東諸国の政治情勢がより悪くなることはあっても、劇的によくなったということがないからだと思うのだが・・・。

中東がわかる8つのキーワード (平凡社新書)


2200冊目:東賢太朗・市野澤潤平・木村周平・飯田卓『リスクの人類学』

2015-11-08 23:04:09 | 本と雑誌

2200冊目はこの本。

東賢太朗・市野澤潤平・木村周平・飯田卓『リスクの人類学 不確実な世界を生きる』(世界思想社、2014年)

この本も久々に「おもしろい!」と感じた人文・社会系の本の一冊。昨今、子どもの事故防止などで流行りの学校のリスク管理論に対して何か批判的なまなざしを向けるヒントがほしかったところなので、この本の各章で指摘されていることはたいへん参考になった。

リスクの人類学 不確実な世界を生きる


2199冊目:鈴木智之『「心の闇」と動機の語彙』

2015-11-08 22:55:21 | 本と雑誌

2199冊目はこの本。

鈴木智之『「心の闇」と動機の語彙』(青弓社、2013年)

久々に社会学系で「まとも」な本に出会った印象。少年事件報道など1990年代~2000年代初めごろの新聞記事の検討を軸に、「心の闇」というキーワードがどのように用いられ、どのような人々の意識を駆り立てていったのかについて考察を加えている。そこで中心となっているのは、犯行動機などを理解するために私たちが使う「動機の語彙」の問題。この本の内容は、「心の闇」ということばが、私たちが手持ちの「動機の語彙」を増やして、「凶悪」な犯罪を引き起こした少年らの背景を理解しようとするのではなく、むしろその拒絶や断念、あきらめの上になりたっている・・・・という見方もできることを示している。

「心の闇」と動機の語彙: 犯罪報道の一九九〇年代 (青弓社ライブラリー)


2198冊目:嘉田由紀子『生活世界の環境学』

2015-11-08 22:48:48 | 本と雑誌

2198冊目はこの本。

嘉田由紀子『生活世界の環境学 琵琶湖からのメッセージ』(農文協、1995年)

もう20年前に書かれた本であり、かつてはうちの大学に勤務し、のちに滋賀県知事になった嘉田さんの本でもある。

琵琶湖の水辺で生活する人々の意識やその生活の歴史的な変遷をていねいにたどるところから、水と人との関係を問い、そこから水を中心とした環境問題へアプローチしていこうという「生活環境主義」の発想。この「生活環境主義」の発想は、実は教育や学校の問題を考える上でも大事なのではないか・・・と気づかされた。

生活世界の環境学―琵琶湖からのメッセージ


2197冊目:白井聡『「戦後」の墓碑銘』

2015-11-08 22:44:06 | 本と雑誌

2197冊目はこの本。

白井聡『「戦後」の墓碑銘』(金曜日、2015年)

同じ大学に勤務する政治思想・社会思想研究者の時事評論集。安倍政権に典型的に見られる対米追従外交・内政など、戦後日本政治を動かしてきた「永続敗戦レジーム」からの脱却という著者の代表的な主張のように、賛同する内容は多々ありますが、問題は「左派の立場から、それをどうやって実現するか?」ですね。

「戦後」の墓碑銘


2195冊目:鈴木伸元『反骨の知将』

2015-11-08 20:09:07 | 本と雑誌

2195冊目はこの本。

鈴木伸元『反骨の知将 帝国陸軍少将・小沼治夫』(平凡社新書、2015年)

精神力重視の戦術を強調したアジア太平洋戦争当時の帝国陸軍のなかに、「それではだめだ」と火力重視を主張した高級将校がいたということ。また、その高級将校の主張がなかなか受け入れられず、理解が深まった頃には敗戦間際に至っていたということ。そのことが、この本からよくわかる。

反骨の知将: 帝国陸軍少将・小沼治夫 (平凡社新書)


2192冊目:高嶋博視『武人の本懐』

2015-11-07 20:11:26 | 本と雑誌

2192冊目はこの本。

高嶋博視『武人の本懐 FROM THA SEA 東日本大震災における海上自衛隊の活動記録』(講談社、2014年)

先程の『指揮官の条件』を書いた海上自衛隊の元・横須賀地方総監(海将)の、東日本大震災発生直後から退官までのあいだのメモをもとに書かれた本。それだけに、海上自衛隊の災害派遣活動がどのように進められたか、ライブ感&緊迫感のある文章になっている。ほんとうに海上自衛隊、東日本大震災では海からの活動、よくがんばったのだと思う。と同時に、日米の防衛協力が海上自衛隊ではどのような形で進んでいるかも、この本を読めばよくわかる。「ここまで一体的な運用が可能になっているのか・・・」という感じでもある。

武人の本懐 FROM THE SEA 東日本大震災における海上自衛隊の活動記録