できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

要請行動へのご協力のお願い

2015-01-26 10:22:12 | 私の「仲間」たちへ
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201501/0007681245.shtml

先週の金曜日、2007年に兵庫県の龍野市の高校で起きたテニス部員の熱中症事故について、原告勝訴の大阪高裁判決が出ました。
詳細は神戸新聞NEXTの記事をご参照ください。
事故被害にあった女性は今も重い後遺症を抱え、ご家族の介護なしには暮らしていけない状況にあります。
このような状況にある原告に対して、兵庫県教委が最高裁への上告を行いますと、原告のご苦労はますます増すことになります。
一日も早く裁判を終結させ、速やかに日常生活への支援体制を組むべく、別添(画像)の要請書をファックスにて兵庫県教委に送っていただける方を募っています。
お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いします。

なお、この件にかかわって2点、あらためて私が思ったことがあります。

1点目は、上記のとおり、大阪高裁訴訟で勝訴して多額の賠償金が支払われたとしても、このご家族は重い後遺症に苦しむ被害者を抱えながら、これから先、ずっと暮らしていくことになります。こういうご家族と被害当事者の両方をきちんとサポートしていく公的なしくみと、息の長い実践が必要です。
私の方からも文科省に対して、「こういう重い後遺症に苦しむ被害当事者とご家族に対して、どういう支援をするんだ?」という話をしていこうと思います。と同時に、このブログを見ている福祉系の方や障害のある方の人権の課題に取り組んでいる方、いいアイデアをください。そして、何かアクションを起こしてください。よろしくお願いします。

2点目は、こういうことを書いていて、今朝、あらためて自分自身で気づいたのは、私は学校での事故・事件防止にもそれ相応に関心は持っていますが、それと同等か、それ以上に「事故・事件の被害当事者及び家族・遺族の救済、権利擁護、支援のあり方」に関心が強いのだ、ということですね。で、実はこの点への関心の有無や強弱が、他の学校事故・事件の問題にかかわる研究者や諸領域の専門家と私との分岐点なのかもしれません。
まあ、それは要するに「自分に何ができるかわからないけど、とにかくその時々の自分にできる範囲で被害当事者やその家族・遺族とかかわって、失敗も成功も、喜びも悲しみも、笑顔も涙も含めて、まるごと引き受ける覚悟」を決めたかどうか、ということですが。
しかし、既存の学問領域での「成功」だとか、専門家や研究者の間などでの「相場感覚」みたいなものにこだわり続けていると、こんな覚悟はなかなか、出ないんじゃないかな。特に、今の大学を取り巻く「業績主義」的な研究環境では、こんな覚悟決めてとことんまで活動するのは、かえって不利かもしれません。なにしろ、こういうことやっているよりも、学会で評価されるような論文を1本書いているほうが、今の枠組みでは職にありつけたり学位とれたりして、有利かもしれないですから。

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2058冊目:吉田則昭『緒方竹虎とCIA』(平凡社新書)

2015-01-25 22:37:30 | 本と雑誌

2058冊目はこの本。
吉田則昭『緒方竹虎とCIA アメリカ公文書が語る保守政治家の実像』(平凡社新書、2012年)

タイトルにひかれて読んだけど、CIAが当時の保守系政治家・緒方竹虎にどう接触していたかという話は、最後の方に少し出てくる程度。その意味では、タイトルと本の内容にかなりかけ離れたところがある感じはした。
ただ、戦前の朝日新聞の敏腕記者だった緒方が、戦時体制下で情報局総裁になり、敗戦後は一時期公職追放にあったあと、再び政界に復帰して自民党の幹部になるまでのプロセスは、ていねいに描かれている。
政界及び新聞界の戦前・戦後の連続性と保守政治のあり方を考える上では、やはり重要な一冊だと思う。

緒方竹虎とCIA アメリカ公文書が語る保守政治家の実像 (平凡社新書)


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2057冊目:田村秀『自治体崩壊』(イースト新書)

2015-01-25 20:50:26 | 本と雑誌

2057冊目はこの本。
田村秀『自治体崩壊』(イースト新書、2014年)

テーマに関心をもって読んだものの、やっぱり「先々、展望がないなあ」という感じである。
これから先の人口減少社会の到来と、東京一極集中の傾向に何らかの歯止めをかけないと、やっぱり、地方自治体のなかにはコミュニティを維持しきれないところがでるんではないかな・・・。
ということまではみんな漠然と思うのだけど、「では、その傾向に何が有効な歯止め策になるのか?」が、まだ誰もわかっていないのではないか、と、この本を読んであらためて思った。

自治体崩壊 (イースト新書)


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2056冊目:島沢優子『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実』(朝日新聞出版)

2015-01-25 20:42:15 | 本と雑誌
2056冊目はこの本。
島沢優子『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実―そして少年は死ぬことに決めた―』(朝日新聞出版、2014年)

2012年の年末に起きた大阪市の桜宮高校バスケットボール部主将の自死事件について、遺族側へのていねいな取材をもとに書かれたと思われる本。
このご遺族と亡くなった子どもがバスケットボールにどのように向き合って暮らしてきたのか。
また、亡くなる直前のお子さんや部活のあり方の問題点など、ていねいに書かれているように思った。
ただ、それだけにこの本を読むとよく見えてきたのだが、スポーツ部活動中における顧問教師の暴力(体罰)・暴言と、これを容認・支持する学校の土壌などを背景にした、いわゆる「指導死」事件としてやはり、このケースはみなければいけないと思う。
とすれば、この本の著者にもう少し「指導死」に関する理解があれば、記述のし方も変わってきたのではないか・・・というところも、なきにしもあらず。

桜宮高校バスケット部体罰事件の真実―そして少年は死ぬことに決めた―

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2055冊目:斎藤貴男『民主主義はいかにして劣化するか』(ベスト新書)

2015-01-25 20:32:21 | 本と雑誌
2055冊目はこの本。
斎藤貴男『民主主義はいかにして劣化するか』(ベスト新書、2014年)

集団的自衛権容認の方針を打ち出した安倍政権を、国民が嬉々として受け入れているという、この構図。
国民が憲法改正、民主主義の否定の方向へ歩むことを容認している。
だから、この国の民主主義がいかに劣化しているのか・・・というのが、この本の著者のおおまかな主張。
それはそのとおりだと思うし、「そんなことではいかん」とは私も思う。
でも、今、必要とされているのは、その劣化をいかにして食い止め、反転させていく取り組みをどのようにすすめていくのか、ということ。
こうした著者のような現状批判の「その次」に、「具体的にどのような取り組みを、誰が、どのような形で始めるのか?」という、ある種の社会運動論的な話がいったい、いつになったら出てくるのだろうか?

民主主義はいかにして劣化するか (ベスト新書)

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2054冊目:竹信三恵子『ピケティ入門 『21世紀の資本』の読み方』(金曜日)

2015-01-25 20:19:58 | 本と雑誌
2054冊目はこの本。
竹信三恵子『ピケティ入門 『21世紀の資本』の読み方』(金曜日、2014年)

この本の著者・竹信氏自体の主張(格差社会批判やアベノミクス批判など)は、私も同感。
ただ、タイトルが『ピケティ入門』とあるから、それに期待して読んだ分には、かなりがっかり。
もっともっと、ピケティの著作そのものの解説をしていると思ったのだが・・・。

ピケティ入門 (『21世紀の資本』の読み方)

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2053冊目:出河雅彦『ルポ医療事故』(朝日新書)

2015-01-25 20:12:47 | 本と雑誌
20092053冊目はこの本。
出河雅彦『ルポ医療事故』(朝日新書、2009年)

私は学校事故・事件の事後対応、特に重大事態発生後の調査・検証作業のあり方や被害者家族・遺族救済、支援のあり方に関心を持ってきた。
その関心にひきつけてこの本を読むことができた。
医療現場における死亡事故発生後の事実隠しや真相を明らかにするための遺族の苦闘、医学関係者の調査委員会等による事実究明の苦労等々、学校事故・事件が抱えているのとよく似た構図が医療の現場にもあることがわかる一冊。

ルポ医療事故 (朝日新書)

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2052冊目:内藤正典『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』(集英社新書)

2015-01-25 20:09:25 | 本と雑誌
2052冊目はこの本。
内藤正典『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』(集英社新書、2014年)

今のIS(いわゆる「イスラム国」)をめぐる情勢に限らず、中東諸国というか、イスラム文化圏で起きている政治・社会情勢を理解するうえで、おそらくいちばんいいコメントをしているのではないか、と思われる一冊。
欧米諸国のイスラム文化圏諸国に対する理解に安易に日本が追従していると、えらいめにあわされる。
そのことの理由が、この本を読むと見えてきます。

イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北 (集英社新書)

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2015年の元旦を迎えました。本年もよろしくお願いします。

2015-01-01 00:41:31 | 雑感
2015年の元旦を迎えました。本年もよろしくお願いします。
2015年も基本的にツイッター、フェイスブックでの情報発信をメインとしつつ、こちらのブログはイベントの告知や、読んだ本の紹介などを中心に活用していきたいと思います。

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