できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学人文学部・住友剛のブログ。
関西圏に関することを中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「教育機会確保法案」は今の国会では審議されないけど、今後も要注意です。

2016-05-27 21:12:14 | 受験・学校

http://ftk.blog.jp/archives/60560040.html

「不登校対策法案」は今国会の衆議院文部科学委員会で審議されないことになりました

(2016年05月25日 不登校・ひきこもりを考える当事者と親の会 ネットワーク)

上記のブログでていねいに経過報告がなされているとおり、例の「教育機会確保法案」(このブログでは「不登校対策法案」と呼んでいますが)は、今の国会では審議されないことになりました。

ただですねえ・・・。

この法案が5月上旬に衆院に出され、一度、衆院の文部科学委員会での審議を先週17日あたりに見送ったあとも、法案推進派が巻き返しをはかろうと、あるフリースクール関係者の呼びかけに応じて連日、関係する国会議員のところにファックスを送ったりとか、いろんなゆさぶりをかけようとしていたようです。そんな噂話が、私のところにまで届いてきています。

なので、この法案が今国会で審議されないことになったとしても、法案成立を推進したい側は夏の参院選後、秋頃に開かれる臨時国会あたりで、再び何かしかけてくることが予想されます。

ですから、今後もこの法案については、要注意。

法案成立を強く推進する側が秋までの間に何をしかけてくるかをあらかじめ想定しつつ、こちらからブログやSNSなどを活用して、積極的に「こんなもん、いらない」ということを言い続けていく必要があるな、と思いました。

それにしても・・・・。

もはや不登校の子どもたちの「当事者」団体は、法案推進派の側の団体だけとは限りません。

そのことは、この間の法案成立阻止の取り組みのなかで、明確になったことです。

また、今、法案推進派の団体が「子どもの最善の利益」とか「子どもの人権の尊重」を「錦の御旗」のようにして、法案の成立を急ごうとしていますが、同じように「子どもの最善の利益」や「子どもの人権の尊重」という観点から、法案は不要、急いで成立させる必要はないと主張する団体も出てきているわけです。

ですから、従来の法案推進派の側の主張は、この間の法案阻止の取り組みのなかで批判され、相対化されてしまったものでしかありません。

なにしろ、この間の動きのなかで、法案推進派がいう不登校の子どもの「最善の利益」や「人権の尊重」ということだって、そもそも「複数の考え方がある」ということ自体が明確になってしまったわけですから。

だから法案推進派が従来と同じことを主張して、超党派議連というルートを使って法案を通そうとしても、もはや「それって一部の人の声(それも、議員と仲良しの「声の大きい人」の声)を取り上げただけでしょ?」と言われて終わりです。

これから変わらなければならないのは、法案推進派の不登校の問題への認識ではないでしょうか。

「あなたたちだけが、不登校の子どもたちの利益や、その子どもたちの人権の諸課題を論じているわけではない」

このことをあえて、ここで強調しておきたいと思います。





少なくとも、過去の施策の反省・総括くらいはしてほしいです。

2016-05-27 20:59:47 | 受験・学校

http://www.asahi.com/articles/ASJ5W440QJ5WUTIL01H.html

(「土日は部活の休養日に」 自民議連が中間まとめ 2016年5月27日19時35分 朝日新聞デジタル記事)

あの・・・。

1990年代末の『みんなでつくる運動部活動』という冊子のなかで、文部省(当時)は運動部活動の在り方に関する有識者会議の提言をうけるかたちで、すでに「学期中週2日の休養日確保」とか「土日のどちらかはできるだけ休養日」とか、いろいろ言うているんですけど。

それから、部活動外部指導者の活用、地域スポーツクラブの活用も、この冊子のなかで提案されていますしね。

だから「なにをいまさら言うてるねん?」というような提案でしかないし、「そもそも、それを今まで実現してこなかったのは、あんたら与党の無策のためとちがうんか?」と言いたくなりますね。

あと、事務職員の配置で教員の負担軽減・・・。

あの~。学校事務のセンター化とかいうて、各校配置の事務職員を引き上げていこう・・・なんて施策すすめてきたの、誰ですか? おたくら与党の政策とちがうんですか?

もうそろそろ「自分らの教育改革が無残にも失敗した」ということを認めた上で、「できていないこと、とりあえず遅ればせながら、やらせていただきます」ということくらい、言うたらどないやねん?

・・・と、この記事を読んで思いました。

もうひとつ、ついでに言うておく。

こういう政権与党の動きを受けて、おそらく文科省もそこそこ動くと思うけど・・・。

「なんや、文科省も与党も、最近、ものわかりよくなってきた」と思いはったおたく、「大丈夫でっか、おたく? もうちょっと、しっかりしなはれ」と言いたい。

上記のような歴史的な経過を知っていたら、「今のむちゃくちゃな状態つくった連中が、そのむちゃくちゃな状態つくったことをごまかすために、ちょっとええことしたった・・・くらいな話」でしかないものを、喜んで受け止めてはるわけですからねぇ・・・。




少なくともあすは教育機会確保法案、衆院委員会採決はしないようです。

2016-05-17 22:26:42 | 受験・学校

下記の衆院議員のツイッターを参照してください。

少なくともあす5月18日(水)の衆院文教委員会では、「教育機会確保法案」の採決はしないようです。

なお、いま国会に上程されている「教育機会確保法案」の原文は、下記の衆院ホームページで確認できます。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19001034.htm

ですが、法案自体を読めばわかるように、ここに「フリースクール」という言葉は一切、登場していません。

ご参考までに、お知らせしておきます。

 


「教育機会確保法案」成立を急ぐ人びとのウラ事情が徐々に明らかに?

2016-05-17 21:25:56 | 受験・学校

インターネット上(特にツイッターなどのSNS上)でいろんな情報を見ておりますと、ふとこんな記事が目にとまりました。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/maeyatsuyoshi/20160517-00057748/

そんなに急いでどこへ行こうとしているのか、教育機会確保法案

前屋毅 | フリージャーナリスト 2016年5月17日 8時0分配信

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160512/plt1605121550001-n1.htm

「フリースクールで義務教育」国会提出 背後に経産省と文科省“霞が関の暗闘” (1/2ページ)

2016.05.12 (ZAKZAK 夕刊フジ)

「なんであんなに問題だらけの法案の成立を急ぐのか?」

そのウラには、子どもたちのこと以上に「おとなの事情」といいますか、いろんな政治・行政の思惑がやはり、絡んでいることだけは確かですね。

なお、あした衆院の委員会審議でこの法案が取り上げられるようですが・・・・。

どうやら法案を提出した会派間で、反対の声の高まりを受けて「仲間割れ」が起き始めているようです。

まだまだ法案成立・不成立がわかるまで状況は流動的。

引き続き「いらんもんは、いらん」とか、「ほんとうに大事な法案なら、充分な審議時間を確保し、拙速に決めるな」など、その「仲間割れ」がより拡大するように、情報発信を続けていきましょう。

 



子ども支援学研究会2016.6のお知らせ

2016-05-16 16:51:50 | 学問

子ども支援学研究会のお知らせ(チラシ)ができました。

以下、案内です。

案内文や申込書(チラシ)などは下記、子ども情報研究センターのホームページからダウンロードできます。

http://www.kojoken.jp/info/kodomosiengaku2016-6/

<案内>

日時:6月11日(土) 14時~17時(受付は13時半から)
場所:HRCビル5階ホール。

テーマ:
子どもの権利の視点から「子どもの貧困問題」を考える
―乳幼児期の子どもに保育を保障する取り組みを通して―

内容:
1.基調
 子どもの貧困を考える―解放保育と共同子育てに学んで―
 田中文子(子ども情報研究センター
2.指定討論
 保育実践者の立場から  堀井二実
 (社会福祉法人いきいきのびのび・わくわく保育園)
 保護者の立場から  鶴岡 妙(シングルマザー)
 子どもの権利の視点から 荒牧重人(山梨学院大学)
3.質疑と討論
 コーディネーター 
 浜田進士(子どもの権利条約総合研究所)
 住友 剛(京都精華大学)

参加費:500円
申込:子ども情報研究センターまでFAXまたはメールで

 


2283冊目~2288冊目:最近読んだ本6冊、タイトル等だけメモです。

2016-05-15 18:34:43 | 本と雑誌

またまた、最近読んだ本6冊を、著者名やタイトル等々だけメモする形で下記のとおり綴っておきます。

まあ、ちょっと古い本が多いかと思いますが・・・。

それは学生たちの卒業論文・卒業プロジェクトの指導との関係で読んでいる本ですね。

あと、自分の趣味で読んでいるような本も混じっています。

黒野耐『参謀本部と陸軍大学校』(講談社現代新書、2004年)

香山リカ『貧乏クジ世代 この時代に生まれて損をした!?』(PHP新書、2006年)

香山リカ『就職がこわい』(講談社、2004年)⇒今は文庫本になっている様子。リンクは文庫本のもの。

小島貴子+斎藤環『子育てが終わらない 「30歳成人」時代の家族論』(青土社、2012年)

豊田ひさき『東井義雄の授業づくり 生活綴方的教育方法とESD』(風媒社、2016年)

村上陽一郎『安全と安心の科学』(集英社新書、2005年)

 

 


「教育機会確保法案」の徹底審議を求める請願署名が始まっています!

2016-05-15 12:05:15 | 受験・学校

http://150909.jimdo.com/%E8%AB%8B%E9%A1%98%E7%BD%B2%E5%90%8D%E5%8B%9F%E9%9B%86/

こちらのサイトで、「不登校・ひきこもりについて当事者と語り合ういけふくろうの会」が、<「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案」の徹底審議を求める請願>署名を求める活動を始めています。

例の「教育機会確保法案」の徹底審議を求める請願署名です。

5月22日に必着だそうなので、署名にご協力いただける方は、急いで集めて取扱い団体へ送ってください。

なお、用紙は上記のサイトからPDFファイルでダウンロードできるはずです。



「教育機会確保法案」の国会上程に関する公教育計画学会の緊急声明です。

2016-05-15 09:45:07 | 受験・学校

http://koukyouiku.la.coocan.jp/20160513seimeikyouikukikaikakuhohouanhaisi.pdf

<緊急声明>

国会上程された「教育機会確保法案」は一旦「廃案」の上で、一から再検討を

2016 年5月 13 日 公教育計画学会理事会

私のかかわっている公教育計画学会の理事会が、5月10日の「教育機会確保法案」の国会上程に対して、緊急声明を出しました。

今回の声明の内容は、これまで公教育計画学会としてこの法案について批判的にコメントしてきたわけですが、その法案の内容もさることながら、「決め方」の問題に絞ってのものです。

つまり、衆参両院の委員会・本会議で、反対意見や批判的な立場からの見解等を聴く機会もなく、充分な審議も行わないまま可決・成立を目指そうとする動きが生じています。

こういう決め方でほんとうにいいのか? いったん廃案にするか、せめて「継続審議」にするべきではないのか?

そういうことを訴えるための緊急声明です。

法案推進派のみなさん、特に推進派のフリースクール系や子どもの権利論者のみなさん、ほんとうにこういう決め方でいいんですか?

内容について十分に吟味することなく、「なんでもいいから、この法案、早く決めて!」という、そういう発想がもしもあなたたちにあるのなら、とても危ないです。



全国学校事故・事件を語る会大集会が6月4日・5日、神戸で開催されます。

2016-05-09 19:51:30 | 受験・学校

今年もまた6月4日(土)・5日(日)に、全国学校事故・事件を語る会の大集会(全国集会)が神戸で開催されます。

学校事故・事件でお子さんを亡くされた遺族や、重い後遺症を負ったお子さんと暮らす家族、そして被害当事者である子ども・若者。

あるいは、その「支援者」である市民の方や弁護士、研究者のみなさんが、この集会には多数参加されます。

私は今年もまた2日目・シンポジウムの前半で、この3月末にできあがったばかりの文科省「学校事故対応に関する指針」の解説や、有識者会議での議論の様子等について、「基調提案」という形で報告をします。

参加ご希望の方など、詳しくは別添の画像2枚、あるいは全国学校事故・事件を語る会のホームページで内容を確認してください。

※特に報道関係者の方につきましては、被害当事者やその家族・遺族の方などから、取材に関して「お願い」がありますので、事前に語る会の世話人の方と連絡をとってから参加するようにしてください。よろしくお願いします。

全国学校事故・事件を語る会のホームページ:http://katarukai.jimdo.com/


「子どもの日」にあえて言っておきたいこと③ ご本人は「善意」のつもりなんでしょうけど・・・。

2016-05-05 13:25:26 | 受験・学校

http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20160505-00057361/

(「逃げる」という選択肢 中学生の自殺 17年ぶりの年間100件超に向き合う
内田良 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授
2016年5月5日 9時30分配信)

書いているご本人はいたって「善意」のつもりなんでしょうし、また、自分もこれに近いことはすでに別のところで書いていたりもするのですが・・・・。

たとえば、国民教育文化総合研究所・子どもの権利検討委員会『いじめ防止のチェックポイント―その考え方と活用方法―』(アドバンテージサーバー)の28~33ページに「地域に居場所・逃げ場をつくる」と題した私の文章が載っています。

ここで私は、今の子どもたちの多くが(さらには教職員などのおとなの多くが)「学校的なもの」に時間・空間・仲間が拘束されていること、そこから「解き放たれる」場面をどういう形でつくるのか・・・・という観点から、NPOなど学校外の人々に接触し、「外の風」に触れ、「自分を解き放つ」機会を増やすことなどについて述べました。

また、そういう観点から、いじめ防止対策推進法の「体験活動の充実」等々に関する規定を読み込んで、積極的に活用する必要もあるのではないか・・・ということも、この文章で書きました。

そして、そういう自分の主張の背景には・・・・。

自分がかつて1990年代半ばに大阪市内で不登校・ひきこもり経験者の居場所づくり活動をしたり、その当時の仲間が今、大阪府内のいくつかの高校で「中退」防止の観点から居場所カフェづくりの活動をしていること。

あるいは、兵庫県川西市・子どもの人権オンブズパーソンの調査相談専門員として、実際にいじめ問題等々に悩む子どもの相談等に関わったり、あるいは、チャイルドラインのスタッフ研修等に関わったりした経験などが反映しています。

なにより、私自身が1984年、中3の5月の連休明けから「不登校」になった者でして・・・・。

そういう「実務」及び「実体験」をやった経験からこの記事について言わせていただきますと・・・・。

「長期休み明けに子どもの自殺が多い・・・。こんなもん、前々からわかってるわ!」

「学校からの逃げ道を・・・・なんて話、私ら不登校関係の市民活動やってきた人ら、90年代半ばから言うてるわ!」

「それでもなお、この現状。この実情や。ほんとうに苦しい状況にある子どもにどないしたら、私らから彼ら彼女らに必要なメッセージが届くのか。そこの部分で私ら四苦八苦してるねん。そこについてどないしたらええんか、いっぺん、あんた具体的に言うてみい!」

というのが、上記の記事に対する私の率直なコメントです。

言うているご本人は「善意」のつもりで、みなさんに注意を呼びかけるつもりなんだろうと思いますが・・・。

呼びかけられた側は「ほな、どないしたらええねん?」と思うしかない。

特に、まじめにこの問題について考え、それを防ぎたいと最前線で苦闘している人々にとってみれば、「ただ、プレッシャーを強めただけ」。

そういう一文だと思いました。

<追記> このネット配信記事って「何かに似てる文体だな」と思ったら、この文体って、何か子どもの重大事故・事件が起きたときに官公庁が学校や保育所等々の現場や保護者などに注意を呼びかける文体に似ているな~って。「私たちは注意を呼びかけましたよ。あとはあなたたち、気をつけてくださいね」と言っているだけのような気がして・・・・。「書いたご本人は善意でそう言っているのかもしれないけど、中身的にはあまりたいしたことないような、こういう文体での重大事故・事件の防止の呼びかけに、私はもう、いい加減、うんざりしている。ほんとうに現場でどうすればいいのか、そこを考えたいのだ」というのを、あらためて感じました。

 


「子どもの日」にあえて言っておきたいこと② 議論の「賞味期限切れ」が来た「組体操」問題

2016-05-05 09:41:14 | 受験・学校

「子どもの日」にあえて言っておきたいことの2つめは、例の「組体操」(正確に言えば「組立体操」なんだそうですが)問題については、<議論の「賞味期限切れ」の時期が来たな>ということですね。

というのも、下記のようなツイッター上のつぶやき(「組体操」問題に関するネット配信記事の紹介のつぶやき)を見たからです。

正直のところ、「賛成・反対はもう古い」なんていう記事のタイトルと、3人の方の写真をを見て、私は「あのさあ・・・」って言いたくなりました。

それこそこの間、ある意味インターネット上で、あるいはそれと連動する形でマスメディアを動かし、「組体操=すべて危険」みたいなイメージでものを語り、徹底的に「反対」「批判」的な側の声を煽って、政治や行政まで動かしてきたのはいったい、誰なのか?

その同じご本人が、ここへきて、体育学の領域で「組体操」の指導法の研究をしてきた人々と組んで、「安全な組体操の指導法はある」ということをいま、ネット上で語ろうとしているわけでしょう?

そして、そういうご本人は、今度は「安全な組体操の指導法はある」という話をする側にまわって、今「組体操=すべて危険」みたいなまなざしで「一律、禁止」的なことを言う人や、そういう取り組みを開始した各地の教育行政にも、「自分は批判的な立場なんですよ」アピールをしているかのようです。

<これを「マッチポンプ」と言わずして、何を言うのか?>ですね。

もっとついでにいうならば、最初に「組体操」の危険性についてインターネット上やマスメディアなどで指摘するときに、もう少し「リスク管理論」的な視点からだけでなく、実際に「安全な組体操の指導法」を研究している側の主張や実践にも目を向けて、「こういう危険性はあるが、こういう方法でやっている限りは比較的安全」という情報の出し方もあったはず。

なぜ、それをその時はしなかったのか?

「結局、その時その時で、議論の状況を見ながら、自分に有利な方へ有利な方へ、特にインターネット空間上で議論を構築して、自らをそこに位置づけたかっただけなのでは?」と思えてしまいます。

そして、私は当初から、十段ピラミッドのような危険度の高い技はやめた方がいいけど、でも、あまり高さを競わない技もあるわけだし、「組体操」が比較的安全にやれるラインもあるのだから、そこを見極めて議論をすべきだと、このブログやツイッター等々で語ってきたかと思います。

そのことは、うちの娘の通う学校での「組体操」の取り組みを見ていれば、比較的早く気づけたこと。

要は「組体操」に関する学校現場の実践的な議論、それも、子どもの安全確保とチャレンジの両立を図ろうと言う観点からの比較的「まとも」な議論をしっかりと追っていれば、比較的早く気付けたことだと思います。

逆に言えば、そういう「まとも」な議論があることを知ろうとしなかったか、知っていて「隠ぺい」するか、あえて危険性を語ることを最優先したか・・・。

いずれにせよ、研究者としてのこの間の情報発信のあり方について、きっちりふりかえりをしていただきたいところです。

それにしても、この「組体操」に関する話って、上述のとおり、ようやく当初から私が言い続けてきたことのラインに話が落ち着いただけなんですけどね、今の議論って(レベル低いわ・・・)。

ということで、少なくとも学校生活に潜むリスクとか、危険性を煽るための議論の素材として「組体操」を語ることは、もはや「賞味期限切れ」です。



 


「子どもの日」にあえて言っておきたいこと① いいかげん、気付かなければ・・・・??

2016-05-05 09:35:36 | 受験・学校

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160504-00010000-asiap-soci

(橋下維新の8年間を振り返る(4) 母校が廃校になる! 府立高定員割れは誰の責任か 矢野宏/新聞うずみ火
アジアプレス・ネットワーク 5月4日(水)11時19分配信)

おとといの大阪市政調査会の研究会でも報告したとおり、例の「大阪府立学校条例」や府立学校の再編整備計画それ自体を修正あるいは廃止しない限り、橋下・松井府政期の教育改革の諸問題は今後もますます、大阪府内の各地に広がっていきます。

その典型的な例が、定員割れの続く府立高校の募集停止問題です。

そのことがわかる記事がインターネット上で配信されていたので、「子どもの日」ということで、上記のとおり紹介しておきます。

ところで・・・。

「たとえある時期に何らかの理由で一度決めたことであっても、不都合が生じたら、立ち止まって検討し直す」

これができないと、ほんとうに危ない。

大阪府内に暮らす子どもの最善の利益が損なわれる危険性があることはもちろんんこと、めぐりめぐって、府内のおとなたちのくらしにもさまざまな悪影響を及ぼすことにつながります。

この記事を読んだ大阪府教委関係者、さらには大阪府庁・府議会関係者のみなさん、そろそろ「立ち止まって検討し直す」に入ってくださいね。

あと、あれだけ2012年頃の大阪府・市での教育基本条例等々の制定時、いろんなところで反対の意思表明をしてくださった教育学系研究者のみなさん、その他、関連諸領域の研究者のみなさん、そろそろ「目覚める」時期ですよ。

あの条例制定前後の頃に比べてみると、私の同業者のみなさんはこの3~4年ほど、ほんと、表に出てもの言う人が少なかったですからねぇ・・・。

去年の「5.17住民投票」のときなんて、小野田さんと石上さんと私くらいしか、関西の教育学系研究者で藤井聡さん(京大)の呼びかけに応じて、声明出してなかったような・・・。

ほんとみなさん、どこへ行ってたんですかねえ??

※昨夜、フェイスブックに書き込んだ記事に加筆訂正して、転載しました。

 


とてもこのような発想にはついていけない・・・・。

2016-05-04 10:37:19 | 受験・学校

前にもどこかで書いたかと思いますが(このブログかも?)、私は学校での子どもの重大事故・事件を防ぐためにいろんな取り組みをするべきだとは考えています。

ただし、その営みが同時に、たとえば「リスク管理」や「危機管理」あるいは「未然防止」の大義名分の下に、政治・行政権力による子どもや保護者、教職員、地域住民等々への監視強化などのいわゆる「監視社会化」を招くことに対しても、強い警戒心を抱いています。

あるいは、あらかじめ重大事故・事件が起きる「危険性が高い」とか、そういう事故・事件に巻き込まれる・引き起こす「リスクがある」とされる人々、行為などを全面的に「排除」するような、そういう「排除型社会」の成立に対しても、強い警戒感を抱いています。

だから、一方で「監視社会化」や「排除型社会」につながる危険性を回避しつつ、同時に重大事故・事件を防ぐことのできるような、そういう教育実践(保育関係者を前にすれば保育実践となるでしょうけど)のあり方、さらにはこれを支える教育(保育)の条件整備のあり方に、私としては当然、目が向くことになります。

また、重大事故・事件の防止という観点から見た場合の、たとえば学校の教職員や保育士などの現場実践者の子どもの成長段階やその時々の状態を見守る「目」のあり方、つまり子ども理解やこれをささえる教育(保育)観、教育(保育)思想・理論などにも、私としては当然、関心があります。

つまり、重大事故・事件の防止や発生後の対応に関しては、「本来の教育学(保育学)の研究に立ち返って、何ができるか?」という次元から、ていねいにものを考えていきたい・・・・と思うわけですね。

その一方で、最近、ツイッターを見ていると、ある社会学者の次のようなつぶやきを目にしました。

大変残念ですが、私としてはこのような発想はいくら子どもの重大事故・事件防止の可能性が高まるとはいえ、併せて上記のとおりの「監視社会化」や「排除型社会」を招きかねない危険性があるので、とても同意しかねます。

というか、ほんとうに社会学者として多面的に現代社会のありようをふまえて、子どもの重大事故・事件の防止のあり方を考察される方であるならば、このようなことを書くことにもう少し「ためらい」や「自らの発想への疑念」みたいなものを示してほしい・・・・とも感じました。なお、社会学者としての彼のコメントに対して、すでに海外在住経験のあるスポーツジャーナリストの方から「たいした効果はない」的な批判がでているので、それも併せてご紹介しておきます。


公務員削減や「官から民へ」のやり過ぎは、かえって私たちを後々苦しめる?

2016-05-03 23:22:54 | 国際・政治

先程の研究会の話の続きを書きます。

今度は夜、研究会のメンバーでビールを飲んでいるときに出た話で、主に自治体間の災害時の応援、連携の話です。

まあ、公務員労組の方や行政学・政治学の研究者の方からお聞きした話しですけどね。

詳しいことをすっ飛ばして書きますが・・・。

まず、たとえば「自治体の窓口業務のアウトソーシング」とか、「公園や公共施設の指定管理」とか、あるいは「公共交通の民営化」とか、「公務員の削減」とかをやりすぎると、今回の熊本・大分での大地震のような災害が起きたときに、「自治体間で職員や車両、機材等の派遣・応援」などの連携が「だんだん、やりづらくなる」のだそうです。

たとえば、ゴミ収集業務を「民間委託」するときに、たいがい災害時の応援なんてことは民間業者と契約していないし、そんなことを契約条項に入れること自体「いいのか?」という疑義がでるかもしれない。

となると、自治体直営でゴミ収集業務をやっていたなら、予備車両と運転手等々を被災地に派遣して、現地自治体を支援するなんてことも可能だけど、民営化しすぎると「なにもできなくなる」ということ。

これは公共交通、特に公営バスも同様だとか。

あるいは住民票や罹災証明等々の窓口業務だって、民間企業に窓口サービス業務を委託して、正規採用の自治体公務員を削減してばかりいると、「こういう災害時に被災自治体に派遣する要員が誰もいない」なんてことになるとか。

「公園や公共施設の指定管理」にも似たような課題があって、たとえば民間業者に指定管理で任せることばかりしていると、自治体職員の側にそういう施設や公園の管理運営やメンテナンスのノウハウがないから、災害であちこち痛んでも「どないしていいのかわからん」とか、民間業者に「どこを、どう直せ」とか言えないとか、そういう問題が起きてくるのだそうです。

で、そもそも「指定管理」のプロセスに併せて職員削減などを行うと、被災自治体の公園や公共施設の修復等々に派遣できるような、そういう職員自体が他の自治体に居なくなってるし・・・。

まあ、こんなことをしていると、そのうちに災害復旧(復興)プロセスにも大手企業などが進出して、デベロッパー的な感覚で「ここは一から更地にしてマンション建てましょ」みたいなプランをつくって、それを行政・議会が丸のみするだけのようになるだろうなあ・・・。

で、そういう大手企業は丸儲けして、きれいな街はできあがるかもしれないけど、住民が望んでもいなかったような、そんな復旧(復興)が行われるんだろうな・・・と思ってしまいました。

そんなんでみなさん、ほんまにええんですかね?


昨日「大阪の子ども施策・教育施策」の動向について、ある研究会で話したこと

2016-05-03 23:17:36 | 受験・学校

昨日(5月2日)、大阪市内で開かれたある研究会で(公務員労組系のシンクタンクですが)、橋下市政・松井府政期の大阪の子ども施策・教育施策の動向について話をしてきました。その概要をまずは以下のとおり、まとめておきます。また、この研究会のなかで話したことも大事なんですが、そのあとの懇親会でお聞きしたことも大事なので、2回に分けてブログに書いておきます(なお、以下の内容の大部分は、今朝、フェイスブックに書き込んだこととほぼ同内容です)。

まず、研究会のほうでは、ちょうど子ども情報研究センターの『はらっぱ』2015年10月号に「大阪の子ども施策関連年表2006‐2015」なんてものを作って、載せていただいたんで、それを使いました。

その年表見るだけで、橋下・松井府政や橋下市政期に、どれだけ大阪府・市の子ども施策・教育施策がいろんなものをぶちこわしてきたかがわかるので。他にも、日本教育政策学会の課題研究プロジェクトの冊子に書いた原稿とか、まあ、いろいろコピーしてもらって使ったわけですが。

また、その「ぶちこわし」は条例制定や「財政再建プラン」等の行政計画の策定という形をとって進行しているので、たとえ首長が交代しても地方議会の構成が変わっても、その条例を改廃したり行政計画を作り直したりしない限り進行する、ということ。

特にその条例や行政計画の効果はつくってから数年後、現れるということ。その典型的なものが府立高校の「再編」つまり定員割れした高校から募集停止になっていく・・・というアレだ、ということ。

にもかかわらず、教育学系の研究は教育基本条例等々を「つくる」ときには熱心に「反対」等の意思表示をしたけど、「その後」どうなっているのかにはあまり目を向けていない、ということ。

そんななかで、最近、私を含む一部の研究者が大阪市内の学校にべったりはりついて、現状がどうなっているのか、把握しようとしていること。

さらに、こうした「ぶちこわし」的改革を支持する方向に人々を動員するために、人びとの「お客様」的あるいは「消費者主権」的な意識、ネット世論やSNSというツール、「劇場型」の政治が活用されている・・・ということ。

いわば「マーケティング」の手法が活用されているのではないかとか、あるいは役所の窓口対応や学校とのかかわりなどで不愉快な思いをした人々のうらみつらみ、さらには桜宮高校事件のような悲しい事件に「あえて火をつける」方法がとられているのではないか、とか。

そして、そうやって何もかもが「ぶちこわし」にあい、「廃墟」と化した地域社会や学校にも、たんぽぽの花くらいは咲いている、ということ。そういう小さな花の芽を見つけて、きっちり育てていく。

あるいは「廃墟」と化したところを更地にして、もう一度一から「戦後教育改革」をやるくらいの覚悟をもって、大阪の教育や子ども施策の「再建」に誰かが取り組まなきゃいけない。

そのためにも、我々研究者がもっと町のなかにでて住民と対話したり、現場でふみとどまって働いている教員と話をしたりしなくちゃいけない・・・ということ(私として、その町のなかに出ていくとりくみのひとつに「体罰をみんなで考えるネットワーク」や「発言する保護者ネットワークfrom大阪」とのかかわり、あるいは西成区内の中学校に出入りする活動がある)。まあ、そんなことを話しました。

長くなりそうなんで、いったんここでこの話は終わります。