できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「いじめ防止対策推進法」は学校関係者にどれだけ読まれているのだろう?

2013-09-22 19:36:46 | ニュース
※以下の内容は、今朝、フェイスブックのほうに書き込んだことを、こちらのブログに転載したものです。このところフェイスブックに教育や子ども、大阪のこと等々を書き込んでいるので、適宜、内容を見て、これからこちらに転載するようにします。

おはようございます。広島・三原のホテルで迎えた朝。すでに朝食をとって、仮面ライダーウィザード見てます。これ終わったら、ドキドキ!プリキュアですから。
さて、昨夜は地元教組のみなさんとの「いじめ」問題の学習会。あらためて教組のみなさんと「いじめ防止対策推進法」を読んでみるということをやってみたのですが・・・。
今月末にはこの法律が施行されるし、それにそった国の基本方針も出る見込みなのに、まだ肝心の学校現場や地方教委レベルには、実は、この法律の趣旨や中身が十分に周知されていない現実があります。国の基本方針が出るのを待って動きを決めようとか思っているのかもしれませんが、でも、それではあまりにも動きが遅い・・・。やろうと思えばもっと早く7月や8月など夏休みに、こうした学習会だってできたはずですが、この法律への関心自体が学校現場や地方教委レベルでは、ほんとうに低いのが現状。施行目前に広島に私を呼んだ地元教組が「まし」に見えるくらいです。地元・大阪や兵庫、京都でも、この法律読んだことのある現場教員、教委関係者って、どのくらいいるんだろう??
だから、この法律の趣旨を積極的に評価して動くにせよ、問題点を感じてそれを是正するように動くにせよ、どちらにせよ、学校現場や地方教委レベルで肝心の法律そのものが知らされていない、読まれていないということでは、やっぱり、まずいのではないか。そんな話をしました。
やっぱりこの法律の中身以上に、与野党の事前協議で法案を修正、そのうえで各党の共同提出の形で今年6月国会で短期間に議論、可決成立・・・という政治手法そのものに、あらためて私、疑問を抱きました。この法律は議員立法でつくったものですが、ほんとうにこの法律の趣旨や中身に自信があるのなら、国会議員たちは堂々と、国民を相手に議論すればよかった、そうやってこの法律そのものへの国民の関心をもっと高めるべきだった・・・と思ってしまったのです。
それともうひとつ。この広島県では、廿日市市で起きた中学生の自殺など、いじめの深刻な事案がマスコミで報道されるケースが出てきています。そんな状況のなかで、学校現場や地元教組のレベルでは、遺族の願いを受け止めながら事実究明を行って、なんとか関係修復的に学校を立て直すことができないか・・・と考えている人もいます。でも、そういう良心的な人々の動きが、なかなか表面化してこない現状があります。そのことも、昨日の学習会でわかりました。
いずれにせよ、この法律が施行されると、学校単位や自治体レベルでのいじめ防止方針をつくる段階で、あるいは、実際にいじめ事案が生じたときの対応などで、このままいけば各地でいろんな混乱が生じてきます。その混乱状況をきちんと把握して、具体的に対処の仕方を提案していく(=そうやって日々、火消しに励む)とともに、法律自体や国レベルの基本方針にその「火種」があると考えられる場合には、その「火種」自体をなくしていく作業、さらには、「もっといい中身に変えていく」という作業が必要になる・・・と思いました。




文部科学省へ行ってきました。

2013-09-01 21:36:07 | ニュース
http://www.kobe-np.co.jp/news/kyouiku/201308/0006295690.shtml
(遺族の声聞き事後対応指針を いじめ防止法で国へ要望:神戸新聞NEXT2013年8月30日配信)


Photo

先週の金曜日、全国学校事故・事件を語る会としての要望書を提出するため、代表世話人の内海千春さん・宮脇勝哉さんといっしょに、文部科学省へ行ってきました。その要望書提出に際して、文部科学省からは初等中等教育局児童生徒課の方3人、大臣官房子ども安全対策推進室の方ひとり、スポーツ・青少年局の学校健康教育課の方ひとり、あわせて5人の担当者の方と面談をしました。
こちらの要望は主に、いじめ防止対策推進法第5章「重大事態への対処」の中身について、子どもが学校で亡くなるような深刻ないじめが起きたときの初期調査のあり方、首長などがつくる附属機関(調査委員会など。後期調査と要望書では表記しました)のあり方について、遺族の要望や意見を聴いた上で、文科省としてのガイドラインを適切につくってほしいということ。また、初期調査や後期調査に関するハウトゥの前に、「なぜ、このような調査を行わなければいけないのか?」という基本理念、方向性を、遺族と話し合いがなら具体的にガイドラインに盛り込んでほしいこと。こんなことを中心に、こちら側の要望したいことを伝えました。
その上で、文部科学省側から帰る間際に出てきたのが、上記の写真のような文書。これは次年度の概算要求事項のなかに盛り込んだと、学校健康教育課の方と子ども安全対策推進室の方が言ってました。「次年度、予算がつけば」という前提がありますが、今後、本格的に文部科学省として、学校で子どもが亡くなるような事故・事件が起きたときの調査のあり方や、遺族への説明・ケアのあり方などを研究して、何らかの施策を打ち出していきたいという、そういう方向性が出てきたわけですね。
ちなみにこの写真の文書、文部科学省のホームページにある「平成26年度」の概算要求事項のなかに盛り込まれているので、確認していただければ幸いです。
ようやく、文部科学省として少し、学校事故・事件発生後の対応のあり方について、何らかの手立てを講じようという動きが見えてきた・・・・ということですね。