私の散歩道（３）

８月３日（木）
今朝は4時半に起きて散歩に出かけた。
早起きの早起きは１０文の得、素晴らしい景色にめぐり合った。
今日は住宅地口から陶器山へ入りました。
いつもの通り体操場へ向かって歩いていると目の前の道に大きな亀がいる。
しゃがんで見ると首を出して向こうもこっちを見ている。どこから来たのか、今すぐ先の所で住宅地の開発が行われていて山がドンドン削られている。
人間の住宅地開発で亀が自分の棲家を追い出されてしまったのか？
そこへ同じく散歩中の婦人が通りかかり「その亀生きていますか？」と聞くので「生きているよ」と言うと「誰が捨てていったのかしらね、このままだと暑さで死んでしまうわね、どこか水のある所まで連れて行ってやってください」と言う。
女性に頼まれると断れない晋ちゃんとしては「よっしゃ、何とかするわ」と言って亀を片手で持ち上げた。途端に亀は首を縮めてしまった。
しかしこの散歩道に水がありそうなところはかなり先になる。亀は草食動物だからどこか草叢を見つけてそこへ放してやろうかとも考えたがとにかく水のありそうなところを探すことにした。
私の体操場からは泉北ニュータウンが見下ろせ、その先には堺の臨海工業地帯の煙突が見渡せるが、すぐ足元は５０ｍほど下には鬱蒼と木や草が茂ったところがありその中に池が見える。そして近くにそっちの方向へ下る細い道がある。以前その道を下りて行く人を見かけたことはあったがどこへ通じているのか分からず、余り気色のいい道でもないので行こうとも思ったことは無かった。
しかし冒険心旺盛な晋ちゃんはこれはチャンスかもしれない、人が下りていったという事はどこかに出られる筈だと思い直しその道を下りてみることにした。
幅５０cmほどの道はかなり急でドンドン下ってゆく、少し上ったり、下ったりを繰り返し１０分余り歩いただろうか右手に池らしいものが見えた。
近づいてみると矢張り池だ。しかし道に面したところは金網が張ってあって近づけない。仕方が無いので水辺に近い草叢に亀を放してやった。
辺りは森の中で池に金網がなければ河童が出て来そうな濃いブルー色の池だ。
亀を放したら引き返すつもりであったが急な道をかなり進んだので引き返すのを止め前に進むことにした。
しばらく歩くと道一杯にミニトラックが停まっていておじさんがチェーンソーで雑草刈りをしているのに出会った。
この道は進めるのか、どこへ出られるのか訊いたら泉北ニュータウンの槙塚台の方に出る筈だと余り自信のない返事。
ここまで来たら前に進むしかないと思い歩き始めたが道は狭くなり、肩の辺りまで雑草が茂っているところがあったりでさらに１５分余り歩いただろうか左手に住宅の裏が見えてきた。やっと抜けられたと思った時右手の谷間に蓮田が広がっていてピンク掛かった蓮の花が沢山咲いている景色に出会った。
こんなところにこんな素晴らしい景色があったのかと暫く見とれてしまった。
そのあと水がチョロチョロ音を立てて流れる蓮田に入り込み写真を撮りまくった。
蓮田のすぐ横は槙塚台の住宅地、こんな近くにこんないい所があったのか、これは亀の恩返しだなと思いながら泉北側からトンネルを通って7時前に帰宅した。
蓮の花の写真続けて送ります。