ということで昨日の会見を受けて、怒濤の如く、ネット上見るだけでも記事が溢れています。
もう、どれを取り上げようか迷うくらいですね。
ひとつ取り上げるとしたらこれですかね。
試合はESPN+などで世界各国に配信される、という情報と共に、本田会長のコメントとして、那須川天心デビュー戦は、興行のトリ、最後の順番、メイン扱いにはならない、ということですね。
そりゃ、日本国内向けの話だけなら、那須川をメインにという発想も当然あり、実際ポスターなんかは那須川がど真ん中です。
あーあ、こういうことするか...誰も得せえへんのになあ、と溜息が出ますが、試合順が最後ということにはならない。
そりゃ、世界中に配信するんですから、さすがにそんな馬鹿なことしたら笑われる、という判断でもあったのでしょうね。
さて、一番気になっていた会場は、有明アリーナ。
これは嬉しくないですね。立地が良いとは到底言えない上に、前回同様の「体制」で興行されるのだとしたら、メモは取れんわ見にくいわ、会場の出入りに異様なほど時間食われるわで、ええことは何も無いです。
正直、ここでやるなら、会場行かずに家でライブ配信見る方が楽か、と思うほどです。
さいたま新都心よりは近いことだけがプラス材料ですが、そんなもの、私にしたら、言えば誤差の範囲内。
正直、都内のもうちょっとマシな会場なかったんか、と思いますが、まあ無かったんでしょうね。
この会場が「常打ち」的な存在になってしまうのは、どうにもありがたくない話です。まあ、改善される部分もある、と信じたいですが。
那須川の相手は、勝手な思い込みで外国人かと思っていたら、ヨナッパーと称する右アッパーでお馴染み、真正ジムの与那覇勇気。
今、日本バンタム級4位。ある意味、先に発表された賞金トーナメントに匹敵する、或いはそれ以上の大チャンスですね。
那須川からしたら、デビュー戦から一定以上の力があり、しかも多少変わり種?なボクシングをする相手で、難しい部分もあり、かもしれません。
しかし、この相手選びを見るに、ひょっとしたらこの先、日本タイトル、ないしはタイトルホルダーへの挑戦もあり得るかもしれませんね。
そういう、然るべき道を那須川のようなスターに通らせ、勝ち抜く過程をしっかり見せるというキャリア構築が実現したら、それはボクシング界に対する、那須川天心の大きな貢献と言えるでしょう。
かつてはカメダみたいな「スカ」にそれを期待するという、愚か極まりない過ちを犯したボクシング界ですが、那須川がその実力でもって、期待に応えてくれたら、ボクシングファンとしてはひたすら感謝あるのみ、です。
で、おそらくメインに据えられるのは、寺地拳四朗vsジョナサン・ゴンサレス。
これはもう既報通りという感じですが、意外だったのが井上拓真vsリボリオ・ソリス戦、ですね。
てっきり井上尚弥の次戦と一緒に、と思い込んでいたんですが、考えたらチーフトレーナー井上真吾氏にとっては、別の日にした方が、負担が分散されて良いのでしょうね。そこに考えが及んでいませんでした。
そして、これも海外では既報のキコ・マルチネスvs阿部麗也に加え、ウェルター級国内頂上対決の小原佳太、佐々木尽戦。
これまたAmazonPrime配信試合ならではの、ええとこ取りの好カードですね。
従来の枠組みでは、簡単には組まれない試合のひとつでしょう。
しかし佐々木尽、もちろん彼自身が強く、強打の魅力を秘めたボクサーであるのも事実ですが、よくここまでキャリアを立て直してきたなあ、とも思いますね。
あの計量失格の件で、普通なら失速、転落の一途、となっていても不思議ではないですが...もちろん運もありましょうが、何より本人が辛い状況でも投げやりにならず、前向きな姿勢を取り直して、ボクシングに取り組んできたからこその再浮上なのだ、と思います。
歴戦の小原佳太は強敵ですが、もし彼の強打が、若干脆い?ところもある小原を捉えたら、というスリル溢れる想像もしてしまいます。
これもまた、世界各国に配信されるに足るグレードがある、良いカードです。楽しみですね。
ケンシロウさんはもちろん、阿部さんや小原さんに佐々木くん、こりゃ楽しみです。拓真くんは…相手しぶとい選手ですが、失礼ながらまだ世界戦線にいたのかと。この相手にはさすがに勝つ、しかも苦戦もダメでないと、単なるおこぼれ王者、今後王者になってからも求めるなら内容も充実しないといけませんね。
さてケンシロウさん、ますますのご活躍を期待します。
拓真・ソリスがここに入るのも意外でしたが、一番意外だったのは小原が佐々木との試合を受け入れた事ですね。実はこの試合が一番、Amazonじゃなければ実現不可能な試合だったと思います。小原にしてみればメリットは一切なく、モチベーションの持って行きどころがない試合なので。Amazonの力で世界にアピール出来る、という利点がなければまず断っていたでしょう。水漏れなしでいけば小原が技術の差で一方的に蹂躙して終わりだと思いますが、もし豊嶋のような『迂闊』を晒してしまった場合は佐々木が一気に押し切る事もあり得る。大人のボクシングが勝つか。スリルのボクシングが勝つか。事前予想で一番勝負論が戦わされる試合になるかもしれませんね。
拓真ソリスは本当に意外でした。こうなると井上の方のアンダーは何が入るのか。メインだけでも十分客は入りますが、出来れば「おおっ」というカードが一つ二つ欲しい。
彼をメインにしないのは、国内の反応も考えたかもしれません。どんなに人気があっても統一戦を差し置いて、というのはボクシングファンのみならず、世間からも違和感、疑問の声が上がるでしょう。ここでいらぬ反感を買わない方がいい。彼に関しては、選手としての育成だけでなく、マーケティング戦略も重要なので、まあ大変だなあと。
なかなか豪華なラインナップです。しかし会場があそこかあ、と一気にテンションが下がっています。昔と違って、会場行かないとアンダー全部見られない、というわけでもないし...というのもありますしね。
リボリオ・ソリスは確かに下り坂ですね。ランキングに名前がある以上、こういう対戦になるんでしょうが。
>月庵さん
五輪メダルや世界選手権優勝とかならまだしも、なんぼスターといっても「ボクサーでは無かった人」なんですから、さすがにね、という常識がどこまで通じるものか。立場的にはそんなこと知らんがな、という者がいれば、それじゃ困るという者もいる...はずなんですが、そうでなくなってしまうのは嫌ですね。正直、那須川の試合が最後と確定するなら、配信を見るのは見ても、会場には絶対行きたくありませんね。さすがにそこまで馬鹿になれません。しかし言われて、海外でもたいがいな事例がありますから、その辺も怪しくなってきましたね。うーん。
小原の会見でのコメントは少し微妙でしたね。まあ、日本ウェルター級チャンピオンが1位を迎え撃つ、という試合であり、それ自体にPrimeと冠する価値あり、と私は思っていますが、そういう形を作ろうとしてこなかったボクシング界の不備に、長年苦しんできたトップボクサーのひとりであろう小原にしたら、ここで国内の試合で好待遇を受けられるのは、複雑な気持ちでもありましょう。仰るメリットというか、上へ繋がる話ではないというのも確かです。しかし世界各国に配信されるというのは、大きなメリットではあるでしょうね。
>海の猫さん
佐々木尽は、言えば自分自身を諦めずにここまで闘ってきたということですね。若者必ず馬鹿者ならず、偉い者もちゃんといる、のです。
井上尚弥は5月だとして、アンダー何になるんでしょうね。何も無くても大箱が埋まるから、まあええか、てなものですかね?あるとしたら、ユーリ阿久井の世界戦とか、でしょうか?
仰る通り、今後はともかくも、最初からメインというのは、誰より那須川にとって損じゃないかな、と。マーケティング、というのも、要らぬ反感を買って、長い目で得なことありますかね。
そりゃ、那須川が当日、一番良い試合して見る者を感心させる、ということもあるかもしれませんが、そういうことじゃないんですよね。むしろボクシングの世界において、下から勝ち上がって行く、という形にした方が、本当の価値が伝わる、というものなんですが。