さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

3年ブランクも違和感は3分だけの驚異 小國以載、負傷ドローも健在示す

2022-05-21 06:50:01 | 小國以載




ということで昨夜はZAIKOのPPV配信を楽しく見ておりました。

小國以載、栗原慶太のトップボクサー対決は、4回負傷ドロー、無念の結末。
しかしその過程において、見たいと思っていたものは見られたという気持ちでもあり、満足感も残った、そんな試合でした。


3年ぶりの試合で、立ち上がり、小國以載のボクシングには乱れというか、硬さや重さが感じられました。
それは栗原慶太の右フックに対する反応であったり、リターンで打つ右の距離感が合わないところだったり、さらに打ったあとの身体の戻しが遅いことであったり。


若い頃から、派手な一発強打はない(とはいえ、強敵相手にダウンを取る試合もけっこうありますが)かわりに、筋の良いボクシングが身についていて、緩急つけるのが巧く、なおかつペースを乱さない確かさがある。
体力面で落ちるとことは多少あっても、技術はそうそう落ちるものではない、とはどのスポーツでも言われることですが、小國はまさにそういうタイプだと言えるボクサーです。


しかし、いくらなんでも3年のブランク、しかも間に手術を挟んで、となれば、やはり技術を支える体力面の不安は大きい。
初回の小國を見ていて、さすがに今回ばかりは...と思ったのですが、それこそ2分か2分半過ぎたくらいから、様子が変わってきたように見えました。

ジャブが単発ながら出て当たり、身体の軸が決まり出す。
打った後のガード戻しが速くなり、上体が無駄に前に出ない。
そうこうするうちに3分が終わり、2回からは、ほとんど以前のままの小國以載でした。


20秒過ぎくらいに栗原の左が小國の右足、付け根か太ももあたりに入って、レフェリーが分けて注意する。
再開、直後に小國が、それまで使っていなかった左フックリードからの右クロス、というワンツーをクリーンヒット。
この辺、普通に巧いというか、目端が利くというか。栗原膝が折れる。続いて小國のワンツー。
栗原右クロスで迫るが、間が詰まると、バネ仕掛けのように左のボディフックが出る。


3回、栗原の右フックが飛ぶ。小國、顔を背ける防御。外し切れはしないが、威力は半減させていたか。
小國、再三左ボディフック好打。栗原は右アッパー出し始める。左ダブルも良いが、小國が抑えている。

4回、両者互いに右アッパーを振り、栗原がヒット。これはクリーンヒットして、小國ロープからロープへ下がる。
しかしまた左ボディフックを決めて立て直し。栗原、追撃を一旦止められる。

栗原右フック決めて出るが、力強い打ち方である反面、打つ前と打った後、共に身体が大きく動く。
対する小國は、身体があまりぶれないフォームが際立つ。
小さい振りでありながら、栗原と同等の効果を上げる右クロス、左フックが打てる。
この辺は、やはり身体に染みついた小國の技術面、その優秀が健在である、と見えるところ。

この、両者のフォームの差が、この先、両者の差を広げるだろう、と思ったときに、バッティングが起こって小國がカット。
かなり酷い傷だったようで、一発でドクターストップ、負傷ドローとなりました。



しかし小國以載、考えたら凄いなあ、と改めて。
3年ぶりの試合で、もちろん本人、最初違和感あったのではと傍目には見えましたが、あっという間に「慣らし」てしまい、ほとんど以前と変わらぬ感じに戻してしまう。
もちろん栗原の果敢な攻めに遭って、中盤以降、どの程度の消耗を抱えねばならなかったかは知らず、どういう展開になったかはわからないですが、印象としては、あのまま進めば概ね優勢に闘えただろう、と思います。
拳の負傷が問題なければ、今後、栗原がバンタムに戻すとなれば再戦は無理でも、他にも闘って欲しい上位陣はいますし、まだまだ頑張ってほしい、と言える対象ですね。

試合としては白熱しかけたところで打ち切られた、というものでしたから、残念でしたが、それでも小國以載の「健在」なところと、栗原慶太の強さと果敢さも出ていて、やはり良いカードは組むものだなあ、という納得感がありました。




今回、ZAIKOの配信は、普段A-SignのYouTubeチャンネルに上げられている動画の画質を安定させて、ライブ配信のため実況をつけ、それをZAIKOというプラットフォームに流した、という成り立ちだったようです。
有料配信として、ハードルを上げて言えば、カメラアングルの切り換えなど、見ていて多少不満もありましたが、とりあえずライブで見られたのは幸いでしたね。



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4 コメント

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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2022-05-21 22:41:51
>hiroさん

入口裕貴も久し振りでしたね。えらく打たれてて、大丈夫かと心配でしたが。相手が弱かったからいいのものの、と。
しかし普通は、ブランク明けってあんな感じかもしれません。小國が例外なんでしょう。
高橋竜平は正直、いつ見ても、どうも不思議です。弱くないのはわかるんですが、うーん、という。
選手応援、は良いとしても、それもやはり従来の枠内の話ですね。まあ、最初はそういうところから始めるしかないんでしょうが。
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Unknown (hiro)
2022-05-21 18:59:08
どもどもです。いや、知らない間にジム移籍してたんだーって方も多く、前座見て驚いたりでした。と、前座からブランク後は厳しいなーと実感していただけに、小國の出来には驚きですね。木村は仰る通りですが、後半明白に取れて良かったです。高橋には痛い負けですが。

ZAIKOやツイキャスなどの有料プラットフォームでは、選手応援チケットとして2000円ー3000円程度高いチケットを設定でき、その分はダイレクトに選手に払われる(はず)ため、固定の応援団がある選手には利益があるようです。ここら辺も色々な淘汰が今後ありそうですが。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2022-05-21 18:01:12
>hiroさん

色々出てきましたね(笑)総じて厳しい内容と結果が多かったですが。木村天汰郎は、ホールであの内容だと大抵...と思ったら、ちゃんとヒットの数を数えたと覚しき採点が出ましたね。それでも割れるところが、相変わらずのアミダ採点やな、とは思いましたが。
メインは普通なら残念となるところですが、色々と良いものも見られたんで...もしホールに行ってたら、確かにまあ、つらいところではありますけども、こればかりは仕方ないですね。どちらにも悪気の欠片も見えず、アタマの置く位置が拙いというわけでもなかったですし。栗原は複雑な心境だったでしょうね。昨年は自分が切って、厳しい結果を招いたこともありますから。
動画はハイライトがA-Signチャンネルに出てますね。今回はライブ配信したいがために、ZAIKOを使った、という感じだったのでしょう。メンバーシップというのがあるようですが、そちらでライブ配信を自前でやれるようになれば、そうしたいところかもしれませんね。
ただ、本当に試合二日前に配信決定、というのは、結局は狭い範囲内でのチケット販売横睨み、それに付随するものでしかない、という実情が見えてしまい、残念です。配信そのものをビジネスとして展開する形にならない限り、結局広がりのある話にはなりようもない。新世代のプロモーター諸氏には、互いに協力し合って、その辺を徐々に変えて行ってほしいですね。
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Unknown (hiro)
2022-05-21 10:28:50
昨日は、前座から懐かしい名前の選手の復帰祭りでしたが、小國選手は出色でしたね。もっと見たかったけれど、両選手共に収穫があり、傷付かずに次に進めて今回は良かったかと感じました。栗原選手の攻撃力は一階級分目減りしているように思えましたが、小國選手もいきなりの10回戦でスタミナなどは気になるところ。お互い、またとない実戦形式で良い経験が得られたと思います。会場に行っていたら納得出来なかったかもですが(笑)。それにしても、すぐにYouTube公開する気なのでしょうが、アーカイブ公開期間が月曜までとは短いなあ。
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