ということで会場観戦こそまだですが、今年もあれこれ試合を見る機会が増えてきました。
あれこれ感想を。
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ネットで映像を見ることが出来ました、ダウド・ヨルダンvs加藤善孝。
日本上位のライト級と、インドネシアの実力者、なかなかの好カードでした。
加藤、序盤は良かったかもですが、徐々にパンチの精度、威力の差が積み重なっていく印象。
大差があって一方的に打ち込まれているというのではないが、ラウンド毎に少しずつ差が出る。
ざっくりいうと毎回、六分四分くらいの差で失点していく、という風でした。
あと、やはり敵地ということもあってか、普段よりもやや力み、急く感じも。
いいの入っても次に間が空き、そこを打てるヨルダンの力量もあってのことでしょうが、
悪くないけどこれじゃ勝てない、という展開に終始しました。
最後は自らのバッティングで相手が負傷。これは彼の悪癖です。結果、試合が打ち切られ、負傷判定負け。
そんな大層な出血にも見えませんでしたが、これも普段と違い、都合良く話が回るわけもなし。
終わってみて、これこそ後付けの理屈ですが、原田門戸に敗れ、再起即WBOランカーとの対戦、
こういう手強い相手との試合は、勝ち続けているうちに、敢えてやっておくべきではないか、
という気もしました。やはり勝負の世界、時の勢いというものが及ぼす影響もありましょうし。
一定の力量は示した加藤、試合の終わり方には無念そうな表情でした。今後は如何に。
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昨夜はG+にて観戦、岩佐亮佑再起第二戦。
相手は元バンタム級のWBC二桁ランカーだったサウスポーの強打、デニス・トゥビエロン。
124ポンド、スーパーバンタム+2ポンドの契約ウェイトでしたが、それでも痩身の印象が変わらない
岩佐のコンディションはなかなか良く、距離構築のための手を自在に出せている。
トゥビエロンも果敢に反撃はしたがかなわず打ち込まれ、最後は左ボディへの切るようなパンチで立てず。
振りが小さくて見えにくいパンチがまともにレバーに入っていて、堪えようもなかったことでしょう。
試合全般を通じて、岩佐が自分の思うように動けているように見え、これは何より、という感じでした。
上のクラスで通じるパンチの切れ、威力や、それを生む身体の出来はまだこれからかな、とも思いましたが。
岩佐が自らの体格を生かした技巧派として、さまざまに質を高めていく過程を見ていきたいものです。
西岡利晃やセルヒオ・マルチネスのような大器晩成となるか。大いに期待します。
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久々にボクシング界復帰?の片岡鶴太郎氏登場。
TBS有力ボクサーとこの人のコンビは、過去二度にわたる成功例があります。
鬼塚勝也の王座奪取の際に放った「オニ、ばんざーい!」の掛け声には、
さすがに心が渇きましたが、鬼塚のキャリア全般に渡る、スポークスマンとしての働きぶりは
当時の新規ファン層の開拓に大きな貢献があったと思います。
畑山隆則のときも、多少関わりに違いがあったにせよ、同様の効果はあったことかと。
今回は和氣慎吾につくそうですが、賛否や好悪あるにせよ、二度あることは三度ある、となれば幸いです。
それが既存の強豪王者への挑戦・撃破によるものなら、なお良いですが...。
そういえばこの人、私が知る限りですが、亀田兄弟の売り出しには指一本触れることすらなかったですね。
あの連中、芸能方面に強いバックがいるのか、かなり「売れ」ている人達と、悉く絡んでいたもんですが。
辰吉・鬼塚時代のムーブメントが世を席巻した頃、この人がボクシングについて発信した様々な言葉は、
なかなかの熱量を秘めたものだった記憶があります。
そこに目を付けて担ぎ出そうと安易に考える者がいても不思議はなかったと思いますが、
そこはご本人の見識だったんでしょうかね。
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小原佳太、IBF王座挑戦へ。
ライト級より上のクラスで、アメリカのリングでランカーと闘い、こういう機会を勝ち取った。
この時点で諸手を挙げて称えられるべき話です。
カスティーヨとの再戦が立ち消えになったのは残念ですが。
ホールでやるなら行ってやろうと、また馬鹿を目論んでいたんですが(笑)
しかし王者エデュアルド・トロヤノフスキーの動向は如何なものなんでしょうかね。
ロシアでは一定の興行価値がある選手なんでしょうか。
米大陸で「売れ」ている選手でもないなら、日本に呼びたいところでしょうが...果てさて。
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この155ポンド級に関しては、桂文枝の声で「ど、どういうこっちゃ」と言いたい感じですね。
それにしても、興行価値やらTVの売り上げやら、噛み砕いていうと「みんなが見たいんやから、ええがな」
という、商売の側面が何よりも優先される、あちらのビジネス展開は、どこまでも果てしないものですね。
そういうものの極限に到達したのがメイウェザーで、彼が去ったのち、逆の揺り戻しがあるだろう、
その旗頭のひとりがカネロ・アルバレスなのだと思っていたら、ひどい見当違いだったようです。
昔、キックボクシングで「ジュニアライトヘビー級」ってクラスがありまして。今もあるのかな?
いったい何のこっちゃ、と思った記憶があります。スーパーミドルに相当するんですかね。
こちらは155だから、スーパージュニアミドル級、とでもしますか。意味わからんですが。
しかしこれ、結局WBCが認定しなきゃ済む話ですよね。
剥奪して、空位決定戦をやるか、ゴロフキンを正規王者に認定するのが筋です。
と、書く先から諦念が沸き上がってきたりするわけですが...お互い、商売やがな、ってことでしょうね。嗚呼。
和氣は……多分十中八九決定戦になるんだろうなと今の私は見ています。イギリス人二人からは、とにかく絞れるだけ金を絞る、それが見込めない相手とはやりたくない、リスクに見合わない相手とはもっとやりたくない、というある意味非常に正直な考えが透けて見えるんですよね。その観点で言えばリゴンドーは論外だし、和氣とかいう日本人じゃ金にならない、だったら上に上げてサンタクルスやセルビーとやってもう一稼ぎしよう、と考えて当然じゃないか、と。正直和氣は、世界挑戦するに当たって未だ試されていないボクサーであって、この二人と戦ったのでは勝ち目が薄く、決定戦になって初めて現実的な計算が出来る、というレベルじゃないかと思うのです。それでも岩佐みたいに負ける時は負けるのですが。
アルバレスは、コットと違ってゴロフキンからは逃げない筈だ、そうあってくれ。こうした言葉を見る度に、私の心にある冷ややかな部分は『いや、逃げるだろ』と思っていました。今回の発表で、それがはっきり確信に変わりましたね。どちらも戦うべき相手から背を向けて、安易なビジネスを選択した。ゴロフキンには殺されるから嫌だ、ガルシアには勝ち目がないから嫌だ、という心の声がこれまた透けて見え、白けた気持ちにしかなりません。金をもっと出せとなんのと難癖つけて逃げたサンダースといい、今回のアルバレスといい、戦わずして『俺はゴロフキンとはやらない、やりたくない、勝ち目がないから嫌だ』と声高に主張して悪びれもしない『世界王者』の存在が、ボクシングに対する冷ややかな視線を生む大きな要因になっていると素人考えでは思うんですけどね。
ただこの階級、最近中々難しいですよね。ワケ君はまた待たされるし。一応指名挑戦者なのにリゴンドーの割り込みがあって本人の望み通りに行かないものですね。
しかしながらイギリス対決の統一戦は面白そうですがリゴンドーなんかが絡んでイギリス勢に旨みはあるんですかね。
小原君は素晴らしいですよね。SL級は昔佐竹さんがいくら東洋無敵を証明しても挑戦すら叶わず、木村のりおさんでも歯が立たなくて、日本人には縁がなく、WOWOWで見る階級と思ってましたから。三迫ジムだから井上様や八重樫さんとトリプルとか出来れば良いですが。
カネロは何故カーンとやるんでしょうか。何だかミドル級になったとたんにコットと同じことして残念です。
フェザー、スーパーフェザーは東洋にも成功例が多いと言えるでしょうが、ライト級からは難しくなることが多いかもですね。原田門戸も負けたそうで、確かに一定のところに来ると、確実に壁がありそうです。
英国のふたりは、確かに色々知らんぷりを通したがっている感ありです。突き詰めると、景気の良いとこはそれで通ることが多いですよね。日本にも似たような話は散見されますが。まあ、かといってリゴンドーの肩を持つ気にもなれないんですが。
和氣にせよ他の選手にせよ、良いときに敢えて外の世界に打って出て名を売るという選択をしないと、それこそどの階級でも世界を目指せなくなる時代が、ひょっとするとすぐそこまで来ているかもしれませんね。一試合たりとも悪い条件で闘いたくない、それを受け容れるのは下り坂に入ってから、というのは、結局損だ、と誰もが思うような...いっそのこと、ミニマムやライトフライでもそうなる時代が来てしまえばいいのに、と。
155の話は、結局は消費者の需要があるうちは、どうにもならん話なのでしょうね。正直、ようこういうことを思いつくもんやな、と感心するやら呆れるやらです。文句言われたり、批判されたりしないんですかね、この辺の人達って。あちらのボクシング界がこういう状況でもビジネスとして成立し、それを見る人が多く居るのなら、なるほどメイウェザーみたいなのが「売れ」ていたのもむべなるかな、というところですね。
最近、ちょっとしたきっかけで、レナードvsハーンズの第一戦を見返すことがあったんですが、メイウェザーを「まあええか」と受け容れる人って、きちんとレナードを見てないのやろうな、と思ったりしましたね。彼はメイウェザーと同様ににエゴイストで、酷いナルシストにも見えますが、このハーンズ戦における彼のエゴイズムやナルシズムは「俺が一番強い、俺が最高、だから強敵と闘う、そして勝つ」という意志の横溢そのものでした。私はレナードよりハグラー、アリよりフレイジャーを好む側の人間ですが、それでもこの頃のレナードに対しては心からの敬意を抱かずには居られません。これと比べて、コットやカネロのようなスターボクサー達は余りに物足りなく映ってしまいますね。
>R35ファンさん
岩佐は良い状態で、あのくらいの相手ならまず何があっても大丈夫、というところまでは見せましたね。このクラスで国内や東洋の強敵との対戦を経て、という流れを期待します。小國、石本、大竹、セルバニアなど、見てみたいカードがいくらでもありますし。じっくり122ポンドのボクサーとして成長していってほしいですね。英国勢はリゴンドーとの絡みは勘弁、と思っているんじゃないですかね。ただ、どちらも決め手のある選手ですから、一定以上の勝機はあるかも...どうでしょうかね。
140ポンド級は、我々だと浜さんの衝撃奪取があったので(笑)あと平仲さんもドえらいことをやってくれましたし。このお二方と比べると小原佳太は普通の人間として強いボクサー、という感じですかね(笑)
国内開催はどうなんでしょうかね。ロシア国内の興行事情とかがさっぱりわからないですが。
155の試合は、ノンタイトルならああそうですか、で済む話かもしれませんけどね。そうじゃないからあれこれ書くのも面倒なくらい問題だらけになっちゃうんですけど。