さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

強打健在なれど/百年一日の国/半分に分けて見ると/若手は好カードばかりなのに

2019-06-11 20:19:56 | 話題あれこれ



ということで、しばらく更新が滞っておりましたが、こういうものは一旦サボ...じゃなくて、手を止めてしまうと、なかなか再開しにくいものでもあります。
しかし来週は井岡京口ダブル、来月は村田など、あれこれありますので、徐々に調子上げていかんと、ということで、とりあえず見た試合、話題などから。


=====================


日曜はDAZNでゴロフキン再起戦生中継。当然、見ておりました。

スティーブ・ロールズは、悪くない選手だったなあ、という印象でした。
ゲンナジー・ゴロフキン相手に、ジャブをしっかり当て、右、逆ワンツーなども決めていましたし、攻められたときもガードをしっかり立て、3回は上から振り下ろすゴロフキンの左フックを防いでもいました。
ゴロフキンは少し打たれる序盤を経て、3回から巻き返しに出ましたが、得意のガード崩しの連打を読まれていた感もあり。この辺はロールズの研究の跡が見えました。

しかし、4回は斜め上からの左フックを決めて効かせ、追撃して最後は右足が前に出たまま左フック。
これが決まって、強烈なKO勝ちでした。

攻めの威力、迫力はまだ落ちてはいない、けれどけっこう打たせたなぁ、という印象です。
しかしこういう、圧倒的に強かった選手というのは、後から振り返って全盛期、好調時とされる頃の試合を見ると、案外打たれてたんやなぁ、と思い直したりもするものです。
そもそもゴロフキンの声明が高まる過程において、打たれた直後に打って、その一発がKOパンチになった試合があったくらいです。
問題は、打たれるにしても頻度がどうか、というところ、でしょう。

今後に関しては、カネロとの三戦目が当然、本人の望みでしょうね。すんなりとは行きそうにありませんが。
今回の闘いぶりだと、攻めて捉えきれず、受けて防ぎきれず、という展開が繰り返されるだろう...という風にしか思えません。
そして、拮抗した試合になったら最後...という。そういう予見を覆すだけのものがあったかというと、残念ながら、というところです。
もちろん、ファンとしての心情はまた別なのですが。


=====================


もう先月の話ですが、5月31日、タイでのWBCミニマム級タイトルマッチは、ネットで観戦。
画質もまずまず、という感じで、試合の詳細をわりとしっかり見られました。

元WBO王者、福原辰弥は初戦同様、積極的に出ましたが、ワンヘン・ミナヨーティンは前回の苦戦を教訓に、しっかり右ショート、連打を当ててくる。
福原は前回、執拗なボディ攻撃でワンヘンを苦しめましたが、今回はボディを攻める頻度が下がった印象でした。

それに関連する話でもありましょうか、2回にバッティングで福原がカット、出血。
福原は少しずつペースをワンヘンに握られたまま、8回に今度はワンヘンがカット。
こちらは明らかに、福原の方がアタマをぶつける形になってしまいました。

傷はワンヘンの右目上。しかし瞼から離れていて、傷自体も小さい。深さまではわかりませんが。
ところがこれにドクターチェックが入り、一発で続行不可能の裁定。
さほど血も出ていない段階でした。


それにしても、タイのボクシング界というのは、これだけ世界中を情報が飛び交う時代になっても、本当に変わりませんね。
試合時間の変更があったようで、5時から生中継というので、その頃に画面を見たら、もうワンヘンが勝ち名乗りを受けていて、思わずのけぞりましたが、巻き戻して見た試合の終わり方もまた...いかにもタイ、これぞタイ、タイならばこそ、というしかありません。

言うだけ空しいですが、半ば治外法権とも言えるこの状況、どうしたら変わるものなんですかね。
古くはキングピッチの昔から、世界の有力者と強固な誼を築き、それを元に話を回していく、とはよく言われることですが、それこそ統括団体の本部国お抱えの有望選手でも無い限り、あらゆる局面で「強く出られない」挑戦者が泣きを見る、馬鹿を見る、どう言うかは人それぞれでしょうが、同じ事の繰り返しです。

基本的には、もう、関わってもしょうがない、と切り捨てる以外、手はないのかもしれませんね。
業界の方々は、あれこれあって、そうもいかん、と言われるのかも知れませんが、見ているこっちにしたら、こうした「百年一日」にはもう、飽き飽きしておりますので...。


=====================


井上尚弥以外は総崩れ、とお嘆きの貴兄な今日この頃、な日本のボクシング界にあって、井上に次ぐ二番手、希望の星といえば田中恒成ですが、次戦は8月24日、名古屋で指名試合とのこと。
相手は1位の小柄なサウスポー、ジョナサン・ゴンサレスです。

国籍はプエルトリコ。出生地はニューヨーク。
戦績は22勝(13KO)2敗(2KO)1分1無効試合。
KO率は軽量級だからまあ普通かな、と思うところなのですが、レコードを見てみると、デビューから13戦で11KO勝ち、1無効試合、ということで、KOはキャリア初期に集中しています。
以降13戦で10勝2KO、2敗2KO、1分。
こうして、キャリアを半分に分けて見ると、印象がはっきりしますね。上位選手相手のKOは非常に少ない選手です。

試合映像を少し見ましたが、パンチは速く伸びるが、パワーには欠けるか。
13年にジョバンニ・セグラにKO負けした試合は、インサイドから良い左を当てても、セグラの右フックを強打され倒される、という展開で、非力さが泣き所になっていました。

田中恒成が夏場の調整に苦しんだ場合に、こまめに動かれて空転させられる可能性はあると思います。
しかし間違っても、見ていて魅力的な選手だとは思いませんし、勝っても好試合が期待出来るかどうか、という感じですね。
1位としては怖さがない、という意味では安心ですが、違う意味で、色々と難しそうかも...というところです。


=====================


山中慎介トーナメントは、一時期待もされた王者や上位クラスの参戦はなく、若手中心のエントリーとなりました。
しかし期待の若手が大勢参加し、これはこれで要注目です。

元アマチュアの上位選手、地方からのして来たユース王者、パンチパーマの(笑)ベテラン等々、多士済々と言っていいでしょう。
賞金額や賞品も、この規模の大会としては、目一杯の努力の結果、なんでしょうね。今後、もっと景気の良い話が聞けるように願うばかりです。

昨今の日本ユースタイトルマッチに続く、若手同士の好カード実現の流れですが、それに反して、日本上位に上がって行くと、途端にライバル対決が減少するなぁ、という印象でもあります。
階級によっては、国内最強が誰なのか、いつまで経ってもすっきりしないまま、各々が世界世界と打って出てしまう状況が、延々と続いていたりもします。

結局、このような大会が、より大きな規模で行われるしか、その状況を変える方法はないのでしょうね。
問題は、そのような意志や力を、誰一人持っていないのではないか、と見えること、ですが。

しかし、何にせよこの大会、楽しみです。BoxingRaiseで当然、ライブ配信ですよね(^^)


=====================


ということで、本日の一曲。
甲斐よしひろ「レッドスター」。






コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする