さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

この上、この先の試合が見たい 中谷正義、盤石のV9

2018-02-25 16:22:23 | 関西ボクシング



ということで昨夜は府立地下にて観戦してきました。


中谷正義はOPBFライト級王座9度目の防衛戦。
相手は3位のパラーンペット・ソーブアマート、22勝18KO2敗と好戦績。

まあ、実際見てみんと、というところでしたが、
中谷と比べれば当然小柄ながら、締まった構えから思い切り振る右の威力はなかなか。
タイ人ボクサーの戦績など、真に受ける方が馬鹿らしく、まあ話半分やな、といつもなら思うところですが、
この選手はけっこう強いな、と見えました。相手が違えば...という注釈付きですが。


中谷は初回、左ジャブを突き刺して先制。2回、パラーンペットの右クロスが飛ぶ。
中谷よく見て外し、ワンツー、肩越しに右も。
3回からはワンツーから、左ボディがレバーに入る。4回、パラーンペット苦しくなり、右大振り。
5回、中谷は遠くから打つボディブローを再三決める。終了間際、スリップ気味ながらダウン取る。

6回、バッティングで切ったパラーンペットにドクターチェックが二度入る。
再開後、中谷がそれまでの左ボディではなく、ボディの正面、ストマックに右アッパー。
それまでよく耐えていたパラーンペット、ボディを締めるタイミングを外されていたか、
キャンバスに崩れ落ち、悶絶。カウントアウトされました。


相変わらず、高い集中、能動的に左から「作る」試合運び、天与の体格を生かした闘いぶり。
中谷正義はまたも、充実した試合内容で、9度目の防衛を果たしました。

加藤義孝を攻略して以降、その実績や試合内容は、総じて優れたものだと思います。
今回の試合でも、一定の水準を超えた力あり、と見えた挑戦者に、はっきりと差を見せた上で、
厳しく突き放し、ボディから攻め上げ、優勢に進めた上で仕留めています。

東洋のライト級で、対戦していない有力選手は荒川仁人、リナレスに敗れたメルシト・ヘスタ、
先日ロシアでKO勝ちした中岸風太などがいますが、いずれと対戦しても、私は中谷有利だと見ます。
結果のみならず、そう思えるだけの試合内容を、中谷は繰り返し見せてきましたし、
今回もまた、同様だったと。


試合後の本人のコメントは、自身に厳しいものが出ているようですが、
あのくらいの相手でも、厳しく突き放し、来たら叩いて弱らせ、中盤に仕留めた試合ぶりは、
けっして「おもんない」ことなどない、全然悪くない、良いものでしたよ、と声をかけたい気持ちです。
もっとも、本人は、この上、この先の試合を想定しているから、こういう物言いになるのでしょうが。


そして、そろそろ、そういう試合が組まれるべきだろう、と改めて思います。
IBFで3位に入っていますが、上位との対戦が、どういう形で組まれるものか。
その辺の構想のようなものが、まったく話として出ていないので、何とも言いようがないですが...。

ここから直にタイトルを、というのも難しいでしょうし、出来れば上記した三名や、
世界ランクに相応しい実力のある相手に、これまでより一段上の試合を闘って見せてほしい、と思います。
陣営にもこれまでとは違う負担がある話でしょうが、少なくとも中谷正義は、
そういう試合に臨むべきだ、と言えるだけの結果と内容を、継続して示し続けているのですから。


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カリド・ヤファイに敗れ、再起戦の石田匠は、タイのラチャーノン・サワーンソーダーを3回KO。
ラチャーノンは12勝12KO1敗という戦績で、確かにパンチ力はありそうでしたが、
石田とは距離とスピードの差が歴然でした。
2回、左ボディから上への返しが再三決まり、2度ダウン。3回も左ボディで倒し、KOでした。

世界戦では、敵地とはいえ、あまりに消極的な試合ぶりにがっかりした石田でしたが、
この日はジャブで突き放し、ボディブローも鋭く、自在な攻撃を見せました。
勝ち負け以前に、こういう元気のあるところを世界戦でも見たかったですが...。


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これ以外の前座では、元全日本新人王、日本スーパーフライ級13位の橋詰将義が、
元日本ランカーの村井貴祐に8回判定勝ち。

新人王獲得の後、カタカナ選手との対戦が続いていた橋詰、昨年12月、久々に日本人と対戦しましたが、
藤本耕太と引き分け。試合を見ていないのでわかりませんが、結果だけ見ても芳しくはなく、
ちょっと停滞気味なのかな、と想像していました。

しかし今回、非常に気合いの入った立ち上がり。序盤からリーチを生かし、サウスポーからの右ジャブ連発。
後続の左ストレートも決まり、4回はサイドに出てのワンツー。ベテランの技巧派、村井を圧倒。

5回くらいに橋詰、左拳を痛めたか、見るからに右中心、左はかばいつつ、という風に変わる。
苦しいところでしたが、村井の反撃をよく動いて外し、クリアに判定勝ちでした。

終始、高い集中が見え、終盤攻め込まれた際にも、ヘッドスリップで防御するなど、
スタミナも切れず、練習量の豊富さも感じられました。
この感じなら、むしろ今後に大きな期待をしてもいいのでは、と思える試合ぶりでした。



秋月楓大(大成)と藤岡拓弥(VADY)は、藤岡が8回判定勝ち。
終始切れ目なく、ノンストップの打ち合いでした。

※勝敗を間違えて、秋月の勝ちと書いていました。コメント欄にて指摘いただきました。
訂正します。大変失礼しました。


16年度のスーパーバンタム級全日本新人王、サウスポーの岡本文太は
タイのクーキアット・ソーケーキカムシーに8回判定勝ち。
正直言って、何も期待せず、のんびり見ていたんですが、とんでもない試合になりました。

まず、35歳のクーキアットが果敢に連打し、攻め込まれるとまっすぐ下がってしまう岡本を捉える。
それでも岡本は初回、2回に左を決めて、連打でダウンを奪うが、3回、逆に倒される。
双方ダメージを抱えたまま、ぎりぎりの打ち合い。4回タイ人のボディ攻撃で岡本ピンチも、
5回盛り返し、6回離れた距離で捌く。8回、3度目のダウンを奪い判定勝ちでしたが、
えらく出入りの激しい、スリル満点の試合でした。
岡本は新人王獲得後、丸1年以上開けての試合で、ブランクの影響もあったのでしょうが、
クーキアットの健闘も光りました。


4回戦では、勝輝ジムのサウスポー、スーパーフライ級の新生佳弘がデビュー戦で初回KO勝ち。
4戦(2勝1敗1分)のキャリアがある尾方大地(大成)の右アッパーを外し、
サウスポーからの右フックでKO。尾方が担架で退場するほどのダメージ。
今後、新人王戦に出るのでしょうか。ちょっと注目かも、です。



コメント (8)
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