さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

据わりの良いメインイベンターの地力 加治木了太、連続KO勝ち

2015-08-10 18:52:26 | 関西ボクシング



ということで、暑い暑いと口にするのも暑苦しいさなか、昨日は天満橋まで行って参りました。


大鵬ジム主催興行のメインイベンターとして活躍中の加治木了太が、元ランカーの横川聡也と対戦。
両者、初回から白熱の攻防を繰り広げました。

初回、加治木は重さを感じるジャブ、ワンツー。横川はすぐ連打返す。
2回、加治木左ボディ、横川は左フックを上に合わせる。加治木また左ボディ、横川懸命に動くがダメージあり。
3回、横川右オーバーハンド。加治木ワンツー、左ボディ。打ち合い。左フック相打ち。

4回、横川懸命に手を出すが、加治木がよく見て外し、またはブロック。横川パンチでカット。
5回、横川右ストレート決める。加治木冷静にジャブ、アッパー。パワーで勝る加治木が攻め立てる。
横川右、左と打たれ下がるが懸命に粘る。加治木がさらに厳しく出て、左右のヒットを重ねる。
横川ぐらついてロープへ。ストップでもいいと思ったがレフェリー止めず、ゴング。

場内から「選手殺す気か!」という非難の声も。確かに、ちょっと遅い印象。
堺東コーナーは結局、ここで棄権の判断。5回終了TKOで、加治木が連続KO勝利となりました。

噛ませさんではない、闘志ある相手の粘りもあったが、厳しい「詰め」でストップ勝ちした加治木、
試合後「ダイナマイト(と呼称しています)じゃなくてすみません、線香花火でした」と笑いをとったあと、
フェザー級に下げてのタイトル挑戦を、という希望を語っていました。

スーパーフェザーでは金子大樹、仲村正男という上位陣に敗れている加治木ですが、
フェザーで良いコンディションを作れるのなら、新たな展開もありうるのでしょうか。
日本ランカーとしてはここ数戦、これまで以上に地力を発揮し、据わりの良いメインイベンターぶりを
見せている加治木にとって、もう一段上の話をするときが来たのかもしれません。
おそらく、今夜のホールの試合結果次第で、誰に挑むのかが決まる?のでしょう。
流動的な部分ももちろんありはするんでしょうが...。


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実は昨日の観戦は、セミファイナルもお目当てのひとつでしたが、非常に残念な試合でした。
スーパーフェザー級6回戦。中岸風太改め、ハリケーン風太(カシミ)と、
長身強打の西脇一歩(大鵬)の一戦です。
以下、試合展開。

初回、中岸速い飛び込み、左フック。西脇右ストレート伸ばす。クリンチ多い。揉み合いのまま殴り合い。
レフェリー、手を出している以上は止めない、という基準か。試合展開を見て、多少融通を利かせてほしいが。
この回終盤、明らかに中岸が押し倒し、のしかかる。最初の減点。

2回、西脇ジャブ出すが、中岸ダックして左フック、西脇が尻餅をつきかけるが踏ん張る。
中岸はダウンをアピール、両手を広げる。西脇、翻弄されている。

3回、クリンチ多い。中岸ラフに攻める。揉み合いのあと、中岸ヘディングの咎で二度目の減点。
西脇押され、スリップダウン。もつれて尻餅をつく場面も。

4回、中岸ラフ、トリッキー、左振って飛び込む、ほぼ体当たり。三度目の減点。
西脇手数が全然出ない。しっかり突き放すストレートパンチも、迎え撃つアッパーもなし。
すっかり疲労し、バランス崩している。単発ながらヒットもされ、ダメージもあるか。

5回、中岸左右の連打、しかしレフェリー分けてオープンブローの注意。
中岸は笑って手を回し、敬礼して遠くを見るジェスチャー。もつれた際に足を上げて注意される。

6回、中岸ワンツー、左右ボディ。西脇踏ん張りがきかない。二度スリップ。
両者もつれ、今度は西脇ホールドで減点。ボディのダメージか。

採点は中岸が3点、西脇が1点減点されているので、6回戦なのに大きな数字を食い合い、
56-56が一者、57-55×2で、西脇が2-0判定勝利でした。


率直に言うと、双方のボクサーから、私の見たいと思っていたものは見られませんでした。
中岸は、スイッチにトリッキーなフェイントとパフォーマンス、単発のパンチと体当たりで
西脇一歩のリーチが生きる展開を回避し、揺さぶり、破壊しました。

スピードやパワーでは、下の階級から上げてきたにもかかわらず、中岸が西脇より勝っていました。
しかし、ならば不要なラフ行為などせず、最初から普通に動き、打ち、避けるボクシングをしてほしかった。

試合の前後、コーナーで一礼してリングに上がり、降りる姿には感心しましたが、肝心の試合があれでは、という気持ちです。
敵地である大阪で、三度減点のうち、若干厳しいかと思う裁定もありましたが、全体として見ると、
非常に残念な思いばかりが残る闘いぶりでした。


西脇一歩に関しては、センスとパワーのある相手が、あのようなラフな方法で攻めてきて、やりにくかったのでしょうが、
中岸風太が過去の試合、最近の試合で、ああいう試合ぶりで仕掛けてくることは、事前に分かっていたはずです。
にもかかわらず、あまりに無策でしたし、自身の武器である体格、リーチを生かして対処することが出来なかった、
そのあたりは見ていて非常に歯がゆく映りました。もちろん、気の毒な面もあり、同情もしますが...。



コメント (2)
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