さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

容易く安全運転を許し、手詰まりのまま終幕 帝里木下、ゾラニ・テテに大敗

2014-07-18 22:23:30 | 関西ボクシング


スカイAでの生中継を見終えました。

ご覧になった方、誰もが思うのと同じことを思っているだけに過ぎないでしょうから、
敢えて何か書く必要があるのかな、という感じですが、簡単に。

長身、リーチに恵まれたサウスポー同士の対戦でしたが、さらにリーチで勝るゾラニ・テテの
ストレート中心の突き放しに対し、帝里木下はその距離を克服し、攻め立てる術を持っていませんでした。

初回前半、帝里が懐に入って、荒っぽいがフックの連打を出したあたりは、こういう場面が増えていけば...
と思ったりもしたのですが、初回半ば過ぎからテテがジャブ、左ストレートを伸ばし始める。
もっと距離を詰め、間を詰めて、距離を克服し、なおかつテテのクリンチを許さずに手数を出し、
攻撃しないといけないが、普段、自分がリーチの恩恵を受けて闘うことの多い帝里は、それが全く出来ない。

ジャブでテテの距離に捉えられ、たまに出てもクリンチで簡単に止められ、展開はほとんど動かず。
単発のヒットがあっても、そのあと間を開けて元の距離に戻ってしまう、という繰り返し。
判定は3-0、いずれも大差でした。


正直、世界戦としては、見ていて辛い試合でした。
帝里の試合は何試合か見たことがありますが、初めてリーチ、体格で劣る立場に回ったとはいえ、
これほど何も出来ずに終わってしまうとまでは思っていませんでした。

けっして強打を秘めるでなく、見目鮮やかな技巧を持つでもないが、痩身ながら良く鍛えられ、
バネの強さを感じさせる身体の力を生かし、少々バランスが崩れていても、どんどん打っていけば、
その展開の中で、もちろん危機もある代わりに好機もあろう、そこでどう闘えるか、という感じで、
予想不利であっても、もう少し見せ場のある試合をしてくれるか、という期待も、僅かに持ってはいたんですが。

実際の試合では、上記のとおり、どれほど酷評されても足りないような内容でした。
むしろ、酷評するのも気の毒な、という、一段下の感想まで持ってしまうような試合だったかも知れません。

これはもう、一介のファンとしての立場では言ってはいけない領域の話かもしれませんが、
あのような試合展開に甘んじて敗れてしまうと、勝負を賭けて序盤に倒されること以上に、
ボクサーとしての存在価値を大きく損ねてしまうのではないか、という気がします。
結果はもちろん、先につながる何事かを見出すことも難しい、厳しい試合でした。


ゾラニ・テテ、再来日はあるのでしょうかね。
この辺のクラスだと、いずれまた見る機会があるかも知れませんね。
帝里が彼の良さを殺す展開を作れなかったせいもありましょうが、思った以上に安定感があるというか、
ああいう冷静な試合運びが出来るのか、もっとドタバタさんなのかと思ったけど、という印象でした。

さて、再来日があると仮定して、彼の試合を次に見るのは、東京か大阪か...
その答えは8月11日に出るのでしょうか?


コメント (2)
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