さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

期待が実現するか、足枷となるか 村田諒太、デビュー戦は難敵・柴田明雄と

2013-07-05 04:15:06 | 関東ボクシング

村田諒太、プロデビュー戦は、田口良一vs井上尚弥戦と同日、
8月25日に有明コロシアムで開催。TVは二元中継とのことです。

見てるこっちの勝手としては、TVで見るぶんには好都合ですけど、
会場で見ようとする者にとっては、ちょっと残念な形です。
TV局は枠をひとつしか取れない、興行者は自分の権益を優先したい、
ということでこのようになったのでしょうけど...。

しかし、村田諒太に関しては、複数のジムが関係してのプロ入りということで、
業界全体の協力関係によるバックアップがなされていて、
選手との契約成立を「入門」という言葉にしてしまう愚かな旧弊が打破された、
という印象を持っていただけに、この件からほの見える利害の対立には、
ちょっと不安を感じたりもします。まあ勘繰り過ぎかもしれませんが。


それにしても、東京と大阪、神戸とかならまだしも、東京と神奈川ですからねぇ。
今回、事情あっての分割?であって、次からはまた違う展開もあるのかもですが。
というか、あってほしいですね...以上、遠方からの観戦を
ひそかに目論んでいた地方在住ファンのひとりごとでした。

ちなみに今回は、同月12日、大田区にお邪魔します。
いや、そんなつもりなかったんですけど、長谷川の試合あるっていうし...ゴニョゴニョ。



ということで、話を戻しまして、村田のデビュー戦、相手は柴田明雄に決まりました。

第一印象としては、プロ転向初戦で、俗に言う「アマチュア的」な選手と当ったな、というところです。
足が使えて、ストレートパンチ中心。一発には欠けるが、よく動いてヒットを取るボクサータイプ。

まあ、実際のアマチュア、世界の上位が、こんな古臭いステレオタイプな「アマチュア観」に
収まるものではない、ということは、村田の試合を通じて、昨年の五輪でまざまざと見せられましたが、
便宜的にこういう言い方を使ってみました。

で、こういう相手に、6回戦で闘うというのは、村田諒太にとって、ちょっと難しいところもある、と思うのです。
周囲には、どこまで本気か知りませんが、我々が普通の常識で考えるよりもずっと少ない試合数で
世界戦に進めるのではないか、という話もあるそうで、そういう思惑からすれば、プロ初戦から
東洋王者を撃破、という派手なデビューが期待されるのでしょう。

しかし、柴田明雄を6回までに捉え、倒し「撃破」するのは、プロのどんな選手にも難事ではないでしょうか。
ゲンナジー・ゴロフキンでも連れてくればその限りではないかも知れませんが、
デビュー戦からその水準を要求されるのは、いかに金メダリストといえども、大変なことです。


少し前に、WOWOWで放送されたゾウ・シミンの試合を見ても思ったことですが、
ああ、こういうボクシング、短いラウンドだったら強いだろうな、打ち崩す暇がないな、と。
今回、柴田にも、似た傾向を感じてしまうのです。
村田への期待が大きいのは当然ですが、その期待を「足枷」に変えてしまう、
柴田のスタイルにはそういう面があるのではないかと。
勝敗とは別に、せめて8回戦であれば、と試合後に思っているかもしれない、そんな気がしますね。


とはいえ、こんな杞憂を全て吹き飛ばすような強さを、村田諒太には期待してもいます。
おそらく、五輪の時とは少し(かなり?)スタイルを変えてくるでしょうし、
以前のような、割と普通のボクサーファイター、という感じで闘うのではないでしょうか。

おそらく、パンチの精度、打ち抜きの強さという面では、すでに日本、東洋のレベルを超えているでしょう。
あとは、どのような防御を軸にして闘うのか。
それを基準に、どういう位置取り、距離を設定するのか。
長いラウンドを闘うリズムを身に付けられるか。
これ以外にも、いろいろ見てみたい部分もありますが、それらを含めて、本当に楽しみな一戦です。


何せ、金メダルを獲得した選手のプロ転向、デビュー戦なんて、
桜井孝雄を知らない私にとり、今まではよその国の出来事、他人事でしかなかったわけですからね。
こんな試合を「我が事」にしてくれた、村田諒太には今から感謝したい気持ちです(^^)
柴田明雄の健闘も含め、大いに期待したい試合ですね。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする