昨夜は神戸にて大場浩平vs村井勇希戦を見てきました。
大場は昨年12月、ロリー松下に敗れて以降、たしか3試合目だったかと思いますが、
4月に見たフィリピン人との試合は、内容がないよう、という古い駄洒落が出るような感じで、
どうもキレもメリハリもない、単調な試合に見えました。
今回は相手が歴戦のベテラン村井ということで、テンションの低い試合にはならないだろう、
カードとしても、私個人としては味わい深いもので、好試合を期待して、見てきました。
以下、あくまで私の頼りないメモから起こした展開を簡単に。
1R、大場速い左を出してスタート。村井はじりじり出るが手数が少ない。
2R、村井前に出て接近を試みるが、ヒット少ない。大場速いワンツー。
3R、村井左フック、しかし追撃はヒット少ない。村井このあたりから、多少ラフに攻める風。
ボディブローの応酬が見られるが大場が左ボディ、ワンツー。
4R、大場が連打からボディ攻撃。村井引き続き強引に攻めるが、正確なヒットは少ない。
大場ジャブ、ボディでヒットを取る。終盤、村井の左フック一発で大場少しバランスを崩す。
場内の声援に乗り村井追撃も、クリンチで寸断。
この回は全体は大場、一発の効果を取るなら村井。私はやや村井に甘くつけて、村井の10-9。
5R、大場自らロープ際に下がって攻められる。これは悪癖の一語。
村井のパンチの大半を、L字ガードとスウェイで外しているが、こんなことしても良いことは何もない。
村井攻めるが、大場ワンツー、ボディで抜け出す。
6R、同じ展開、大場ロープ背負い、村井攻める。大場左ボディを4発、5発とヒット。
ここまであまり出さなかった、得意というか、好きなパンチであろう、右アッパーも出す。
7R、大場ワンツー、飛び込んでアッパー。大場らしさが出る。右ボディストレートも。
8R、大場、この回は3分間通じて、一度もロープを背負わずに、しっかりと足を使う。
速いフットワークと、後退しながら打つジャブで、厳しく距離を維持。
村井をほぼ完全にアウトボックス。大場、やれば出来る子だということを見せつける(笑)
9R、村井攻めるが、大場ボディ打ち、右。村井は左から連打。この回は村井の攻勢がまさるか。
10R、両者、足を止めて接近戦でヒット&カバーの応酬。
村井はここぞとばかりに連打を繰り出すが、スピードと当て勘でまさる大場がここでも抜け出す。
両者クリーンヒットの応酬のあと、大場の右アッパーが決まって村井後退。大場優勢、ゴング。
ということで判定は意外に競っていましたが3-0で大場。
さうぽん採点は4R、9Rを村井、後はクリーンヒットの差で大場。98-92でした。
二階席からの観戦でしたが、近い位置から見ると、村井の攻勢がより評価されたのでしょう。
村井は距離を取ったとき、接近したとき、いずれもよく闘いましたが、
接近戦で強引に攻め込んだときは、まだ大場のスピードを抑えられたものの、
8Rに大場にさばかれたり、10Rにまともに打ち合ったりした、
いわゆる普通の攻防においては、どちらでも大場のスピードに及びませんでした。
しかし、ベテランらしく、しっかりした狙いが見えた試合運びは良かったですね。
さて、大場ですが、この日の試合ぶりは、かつて名古屋のリングで日本タイトルを防衛していた頃に
何度も見た試合...王座防衛を果たして、その才能の片鱗を見せるものの、何かもうひとつ、
ちょっと物足りない印象やなぁ、というあの感じの、延長線上にあるような感じがしました。
相手の村井が、日本ランカーとしては申し分のない実力を持っているのと相まって、
なんだか、日本王者時代の大場の試合の幻影を見た、そんな気分です。
大場の試合振りを絶賛するわけではありません。ただ、彼の才能からすれば、もっと良い試合が出来るだろう、
という思いには届いていない、けれどまた期待をしてしまう、という感じだった、いくつかの試合と、
昨夜の試合は極めて似た印象でした。
再起後、ようやく以前の感じに近づいてきたのかな、という意味では、
大場浩平の復調、と言って良い試合だったのかもしれません。
しかし、これまた以前と変わらず、右拳をアタマの後ろにつけて構え、
そこからトリッキーな右を打ってみたり、上記の通り意味無くロープを背負ってみたりと、
そういうことはもっときちんとペースを掌握してからやりなさい、と言いたくなる、
悪癖というのか、趣味優先というのか、とにかくよくわからない大場もまた、健在でした。
8Rには、余計なことをせず、きちんとジャブを打ち、足を使って村井をさばききり、
クリンチすらほとんどさせなかった大場を見ると、何故もっと集中してそれをやらんのや、と
愚痴のひとつも出て来ます。
国内において、やはり大場は希なる逸材であると、改めて思いました。
しかしすでに山中慎介が世界の王座にあり、日本王座にも、若き岩佐亮佑が就いています。
かつてその王座を五度守った大場が、再び上を目指すなら、もう余計な遠回りは許されないでしょう。
来春あたり、再び日本王座をかけた試合に出るらしい、という話も聞きましたが、
私は彼に、日本だ世界だという結果以前のものを求めたいと思っています。
もう、今までの感じまで戻ってきた、ではなく、以前以上に鋭く、狙いが明確になった、
焦点の定まった、集中力と切れ味が増した大場浩平の姿を見たいのです。
昨夜の試合は、普通に見ればまずまず、大場はやっぱり良い、と言える試合だったでしょう。
しかし私の、相変わらず過大だ、と言われてしまえばそれまでかもしれない、
大場浩平に対する期待、思いからすれば、がっかり、という試合でもありました。
大場は昨年12月、ロリー松下に敗れて以降、たしか3試合目だったかと思いますが、
4月に見たフィリピン人との試合は、内容がないよう、という古い駄洒落が出るような感じで、
どうもキレもメリハリもない、単調な試合に見えました。
今回は相手が歴戦のベテラン村井ということで、テンションの低い試合にはならないだろう、
カードとしても、私個人としては味わい深いもので、好試合を期待して、見てきました。
以下、あくまで私の頼りないメモから起こした展開を簡単に。
1R、大場速い左を出してスタート。村井はじりじり出るが手数が少ない。
2R、村井前に出て接近を試みるが、ヒット少ない。大場速いワンツー。
3R、村井左フック、しかし追撃はヒット少ない。村井このあたりから、多少ラフに攻める風。
ボディブローの応酬が見られるが大場が左ボディ、ワンツー。
4R、大場が連打からボディ攻撃。村井引き続き強引に攻めるが、正確なヒットは少ない。
大場ジャブ、ボディでヒットを取る。終盤、村井の左フック一発で大場少しバランスを崩す。
場内の声援に乗り村井追撃も、クリンチで寸断。
この回は全体は大場、一発の効果を取るなら村井。私はやや村井に甘くつけて、村井の10-9。
5R、大場自らロープ際に下がって攻められる。これは悪癖の一語。
村井のパンチの大半を、L字ガードとスウェイで外しているが、こんなことしても良いことは何もない。
村井攻めるが、大場ワンツー、ボディで抜け出す。
6R、同じ展開、大場ロープ背負い、村井攻める。大場左ボディを4発、5発とヒット。
ここまであまり出さなかった、得意というか、好きなパンチであろう、右アッパーも出す。
7R、大場ワンツー、飛び込んでアッパー。大場らしさが出る。右ボディストレートも。
8R、大場、この回は3分間通じて、一度もロープを背負わずに、しっかりと足を使う。
速いフットワークと、後退しながら打つジャブで、厳しく距離を維持。
村井をほぼ完全にアウトボックス。大場、やれば出来る子だということを見せつける(笑)
9R、村井攻めるが、大場ボディ打ち、右。村井は左から連打。この回は村井の攻勢がまさるか。
10R、両者、足を止めて接近戦でヒット&カバーの応酬。
村井はここぞとばかりに連打を繰り出すが、スピードと当て勘でまさる大場がここでも抜け出す。
両者クリーンヒットの応酬のあと、大場の右アッパーが決まって村井後退。大場優勢、ゴング。
ということで判定は意外に競っていましたが3-0で大場。
さうぽん採点は4R、9Rを村井、後はクリーンヒットの差で大場。98-92でした。
二階席からの観戦でしたが、近い位置から見ると、村井の攻勢がより評価されたのでしょう。
村井は距離を取ったとき、接近したとき、いずれもよく闘いましたが、
接近戦で強引に攻め込んだときは、まだ大場のスピードを抑えられたものの、
8Rに大場にさばかれたり、10Rにまともに打ち合ったりした、
いわゆる普通の攻防においては、どちらでも大場のスピードに及びませんでした。
しかし、ベテランらしく、しっかりした狙いが見えた試合運びは良かったですね。
さて、大場ですが、この日の試合ぶりは、かつて名古屋のリングで日本タイトルを防衛していた頃に
何度も見た試合...王座防衛を果たして、その才能の片鱗を見せるものの、何かもうひとつ、
ちょっと物足りない印象やなぁ、というあの感じの、延長線上にあるような感じがしました。
相手の村井が、日本ランカーとしては申し分のない実力を持っているのと相まって、
なんだか、日本王者時代の大場の試合の幻影を見た、そんな気分です。
大場の試合振りを絶賛するわけではありません。ただ、彼の才能からすれば、もっと良い試合が出来るだろう、
という思いには届いていない、けれどまた期待をしてしまう、という感じだった、いくつかの試合と、
昨夜の試合は極めて似た印象でした。
再起後、ようやく以前の感じに近づいてきたのかな、という意味では、
大場浩平の復調、と言って良い試合だったのかもしれません。
しかし、これまた以前と変わらず、右拳をアタマの後ろにつけて構え、
そこからトリッキーな右を打ってみたり、上記の通り意味無くロープを背負ってみたりと、
そういうことはもっときちんとペースを掌握してからやりなさい、と言いたくなる、
悪癖というのか、趣味優先というのか、とにかくよくわからない大場もまた、健在でした。
8Rには、余計なことをせず、きちんとジャブを打ち、足を使って村井をさばききり、
クリンチすらほとんどさせなかった大場を見ると、何故もっと集中してそれをやらんのや、と
愚痴のひとつも出て来ます。
国内において、やはり大場は希なる逸材であると、改めて思いました。
しかしすでに山中慎介が世界の王座にあり、日本王座にも、若き岩佐亮佑が就いています。
かつてその王座を五度守った大場が、再び上を目指すなら、もう余計な遠回りは許されないでしょう。
来春あたり、再び日本王座をかけた試合に出るらしい、という話も聞きましたが、
私は彼に、日本だ世界だという結果以前のものを求めたいと思っています。
もう、今までの感じまで戻ってきた、ではなく、以前以上に鋭く、狙いが明確になった、
焦点の定まった、集中力と切れ味が増した大場浩平の姿を見たいのです。
昨夜の試合は、普通に見ればまずまず、大場はやっぱり良い、と言える試合だったでしょう。
しかし私の、相変わらず過大だ、と言われてしまえばそれまでかもしれない、
大場浩平に対する期待、思いからすれば、がっかり、という試合でもありました。